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忍野デビュー

良くも悪くも評価できるビミョーな釣り場

2007-09-21

 ふと気がつくと9月も半ばを過ぎ、渓流釣りのシーズンを終えようとしています。昨年イエローストーンでサイトフィッシングに入門し、今年の年頭にはニュージーランドで楽しい思いをしたので、国内でもフライのサイトフィッシングをやりたいなぁと思っていたのです。
 ところが絶好のシーズンである5・6月へらぶな釣りにハマってしまったものですから、結局多摩川の管理釣り場で見えるニジマスにフライを投げてみた程度です。これではイカンと一念発起して忍野デビューを企んでみました。

 渓流釣りとご縁が薄いのは、やはり休日は先行者がいるんじゃないか?僕に釣れる魚は残ってないんじゃないか?との疑念が晴れないからです。5・6月は平日にお休みを取るのも難しく、夏休みが取れる頃になると渓流魚は難しくなっている…という悪循環なのですね。
 幸い最後の夏休みが一日残っていたので、ここは一丁難しかろうと何だろうと挑戦してみないことにはラチが空かない!と思い、21日(金)に決行することにしました。

 ところが朝寝坊をしてしまい、家を出たのがお昼前。やっぱり休みの日ですもの、ゆっくり寝たいよねぇと言いつつアタフタと準備をし、ffmediaで紹介されている忍野ポイントマップを握り締めて、外環道→関越道→圏央道→中央道と乗り継ぎ、忍野に着いたのは13時30分頃でした。

 まずは情報収集を…とリバーズエッジを探します。ところが店の詳しい地図がないんですよね。サイトの中でも探しきれませんでした。仕方がないので大橋近くのさかなやさんを探して入漁券を買おうと思ったのですが、これも見つかりません。ここの看板には丸天と大きく書かれていてさかなやと書いてある文字は小さくて見落としてしまったのです。車を運転しながらでは注意が必要ですね。

 このさかなやさんの入り口には前記の忍野ポイントマップが張り出してあったので、入漁券を買いながら店のおかみさんにこの地図を作ったリバーズエッジってどこにあるんですかね?と聞いてみました。忍野村役場まで行かないで、セルバという大きなスーパーマーケットの隣にあるのよと教えてもらいました。
 果たしてもう一度行ってみると、道路脇に小さく看板が出ているのを発見。ようやくたどり着くことができました。

 リバーズエッジの店内に入り、ご主人の渡辺さんに忍野は初めてなんですけど、おすすめのフライはありますか?と聞くと、禁漁前でもうフライが残ってないんだけどねぇとのことながら、モンカゲロウ(だっけか?)に対応する#6の大きいフライを一つ買うことにしました。
 場所について聞くと、イブニングのライズが多いのは富士急ホテル前だそう。休前日にも関わらず人が結構居るので1時間前くらいからポイントに入ってじっとライズを待つのが無難とのことでした。魚が多いのは茂平橋前後、釣り易いのはS字とのことでした。
 ご主人曰くやはり忍野は通い詰めている人が多く、何度も通っているうちにポイントが分かるようになってくるとのこと。とはいえ今の常連さんにだって初めての忍野という日が必ずあったわけで…。

 フライ1個だけというのも何なので、この日発売だったFlyFisherとFlyRoddersを買って店を後にしましたが、あんまり商売っ気がないような…あるならフライショップなんてやらないか。僕のような根性無しフライマンが雑誌の特集かなんかに釣られてゾロゾロ来て欲しくないって気持ちもあって初心者に優しいわけじゃないのかも知れません。

 ご主人はこの後15時くらいからイブニングを中心に釣りをするという僕の話を聞いて今日だけですか?もう1日釣りに充てられませんか?と聞いてきたので、明日は他の釣りをやる予定です。明日は三連休の初日だから人が多いでしょ?と返事をすると、そうか、明日は休みかと頭を抱えていました。
 午後の数時間のみで初挑戦者が満足いく釣りができるほど忍野は甘くないようです。しかしある程度の時間さえ掛ければ、忍野の良さが分かるのに…という気持ちとも受け取れました。

 さて釣りに向かいます。村営橋向駐車場に車をとめて茂平橋のあたりに行ってみました。初めて見た感想はえらい細い川やなぁ。実はここは新名庄川で支流ですから細くて当然。合流点まで行って広くなった川を見て少し安心しました。

 この新名庄川でも小さいヤマメが時折見えます。60cmはあろうかというコイが足元を泳いでいて、ちょっとビックリしました。
 合流点の下流あたりで少し竿を出してみたのですが、岸の草にフライが引っ掛かってしまったりで、かなり大変。ちゃんとキャストできないと釣りにならない川なんだなと実感しました。


茂平橋の下流(二股下流)の景色

 平日にも関わらず釣り人が結構居て、ここまでで5人はすれ違いました。テクテク下流へ歩いていき、東電吊橋あたりの直線の流れには魚をあまり見つけることができませんでした。
 S字に差し掛かる右に90度曲がるカーブのところで、魚の姿をたくさん見かけるようになりました。樹の枝が覆いかぶさったしたでは、時折パシャっと音がします。ここならカーブを使ってバックキャストが通せるワイと少し釣りをしてみました。

 ここから少し下って、岸に樹のないところが見通せるようになると、ざっと見ただけで4人の釣り人がいます。ここがS字なんだな~と見当がつきました。


S字の上流。樹の向こうにはバックの取れる岸が見えます

 時計を見ると16時を過ぎていたので、これからどこで釣るか場所を決めないとイカンなぁと振り返った時、この左手にご婦人を連れた紳士がやってきて入っていいですか?と仰るではないですか。どうぞどうぞと言って、この機会に忍野の釣り方を見学することにしました。

 バックキャストできるようなところではないので、ロースキャストというかシングルスペイのようなキャストで対岸を絶妙に狙っていました。なるほど。目の当たりにすれば当たり前の投げ方なんですけど、なんだか新鮮です。
 何度か流していると見える魚がフライを見たようでお!ダメか~という声が聞こえます。なるほどね~。

 お邪魔しましたぁと言ってその場を去ると、さきほどの右90度カーブの所でまたもや魚がパシャっとやっています。思わず足が止まってしまいました。
 ここで樹の下にいる魚を何度も何度も投げて狙ってみたのですが、17時過ぎに茶色い虫がたくさん飛ぶようになってからしか、フライにアタックしてきませんでした。

 グリズリーパラシュート(多分#16)に1回チビがちょっかいを出してきた後、茶色い虫ということでDad's Favorite#16(NZでブラウンを獲ったヤツの小さいの)を投げてみると、尺は無いけど20cmは絶対超えてるというくらいの魚がパカッと食ってきました。
 ところがヘッド&テイルで出た魚が完全に水中に沈んでから一呼吸置いてあわせてしまいました。最近はバスばっかりだからなぁ。ついつい見惚れてしまいました。もともとアワセが遅いんだから注意しないといけないのに。

これ使いました
Dad's Favorite

 その後はアダムス#16にチビが一回つついてきただけでした。17時30分を回ると陽が差し込まなくなり、虫の姿も消え、釣れそうな雰囲気が無くなってしまいました。
 これがリバーズエッジのご主人が言っていたアッという間に終わってしまうイブニングタイムなのねと納得し、今日の釣りは終了です。

 魚が釣れないと普段、釣行記は書かないんですけど、まぁ備忘録ですね。

 

忍野を初めて訪れた感想

 確かに魚はウヨウヨいるし、その姿も見えるけど、ほとんど全てが管理釣り場のように底に腹を付けてぼーっとしているヤツばかりだった。普通の川釣りとはかなり違う、特殊な感じ。
 バックスペースの無いところでのキャストがちゃんとできないと釣りにならないことが分かった。要練習。
 そしてメンディングの技術は痛い程必須。流心をまたいで向こう岸スレスレに投げる機会が多い。これまた要練習。
 聞きしに勝る人の多さ。連休前とはいえ平日なのに20人近くとすれ違った。この人出は一体何?祭りか?
 休日は先行者がいるんじゃないか?僕に釣れる魚は残ってないんじゃないか?との疑念は杞憂というかお門違い。管理釣り場でそう思う人がいないのと同じ。
 さいたまへ休日の中央道を通って帰る労力を考えると、通う釣り場かどうかは疑問。ハッチの釣りは通うくらいハマり込むと面白いんだろうけどね。

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