トップ釣行記

へらむぎさんと
へら釣りにいってきました

道満河岸釣り場で段底に入門

2008-01-19

 以前道満河岸釣り場の情報を探してネットを流れていると、へらむぎのへら釣りというブログサイトを見つけました。
 管理者のへらむぎさんは道満へら鮒会という会に所属し、例会参加の様子など頻繁に更新されていて、コメントも多い賑やかなサイトです。へらむぎさんの記事は入門したばかりの僕には勉強になることも多く、すっかり毎日の巡回ルートになっています。

 そんな折り1月4日の記事では道満へら鮒会の会員を募集しているとあり、へらぶなの釣り会に興味が出てきた僕はゲストで参加させて頂けませんか?と連絡をとってみたのです。
 見知らぬ人からのいきなりの連絡にも関わらず、へらむぎさんは快く応対をして頂きました。1月12日に行われた例会では総会が併催されるとあって結局ゲスト参加しませんでしたが、ご近所ということもあって、へらむぎさんより一緒に釣りに行きませんか?とお誘いを頂きました。
 ここのところ段底の釣りに入門したいなぁと思っていたところに、道満河岸釣り場なら段底が効きますよとのアドバイスも頂き、すんなり決定、ご一緒に釣行することになったのでした。

 当日は6時前に待ち合わせとしたのですが、僕が携帯電話の番号を間違えて伝えたため連絡が取れなかったりで、へらむぎさんを暗く寒い中お待たせしてしまいました。申し訳ありませんでした。
 お会いしてご挨拶し、事務所で料金を支払い北中央桟橋へと向かいます。
 桟橋のやや対岸寄りに釣り座を決めて開店準備を始めます。へらむぎさんによるとここは一番深くなっているところで水深が約2本(2m)ありますとのことです。北中央桟橋は初めて来ましたが、そんなに水深があるとは知りませんでした。

heramugi
朝焼けの道満河岸

 手がかじかむ厳しい冷え込みの中、のんびり準備を始めます。過去に竿の穂先を落としたりハリ外しを落としたりと、慌てるとロクな目に遭いませんから(笑)。野外ストーブを点火して手を暖めながら仕掛けを準備します。
 竿は8尺、道糸0.6号、ハリス0.3号15-45cm、上バリは改良ヤラズ5号、下同3号です。ウキ作りをされるへらむぎさんのアドバイスでは小さめのウキがいいですよとのことですが、手持ちに小さいウキがありません。入門当初に買った3本セットのウキ聖の17cmをセットします。

 えさは段底:パワーX:水を2:0.5:0.5(単位は100cc)30回程かき回して仕上げます。一旦コシのあるえさに作っておいてから、手水を打って柔らかくしたり、粒戦:水(1:2)を差し込んで上ずりを抑えたり、と調整していくというのがへらむぎさんからのアドバイスです。う~む勉強になるなぁ。
 くわせは力玉に感嘆2、魚信を準備しました。魚信は前回1袋作ると多過ぎたので、今回は半分で作ったところ逆に硬めに仕上がってしまいました。へらむぎさんの作った魚信を頂くと少し柔らかめということですが、やはり僕の今回より少し柔らかく前回より硬いです。比較してウドンの硬さを実感できるのも一緒に釣行するが故のご利益です。

 底取りをすると8尺竿の竿先から4~50cmくらいのところにウキがきます。道満でこのウキ位置は初めてのことです。こんな深いところがあったのね…と思いつつ、周囲を探ると右が浅く、左がやや深い地形です。
 久しぶりの底取りに四苦八苦していると、準備を終えてえさを打ち始めていたへらむぎさんが、早々に竿を絞っています。おぉ、さすが!

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早々に初物をあげています(7:27)
へらむぎさんはシャイな方なのでお顔の露出はNGです

 へらむぎさんが続けて2枚めを釣った後、僕もようやく釣り開始です。えさを打ち始めて2投め(だったかな?)、ウキがツン!と入り、竿がギュン!と絞られます。おぉ~こんなに早く釣れちゃっていいの~?
 上げてみると若干傷があるものの、体高のある銀色のへらでした。ここの魚はサイズの割りにヒキが良い気がします。

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段底第1号のへら(7:54)

 15分ほど後に2枚めを追加した後、サワリがあるもののアタリが出ないという状況に変わってきました。そういえば道満って初めて1・2枚は釣れるけど、後が続かないってコトが多かったような…。
 フワフワとサワるだけなら魚が上ずっているかもしれないというへらむぎさんのアドバイスから、ここで粒戦を差し込んで魚を落ち着かせるように心がけます。えさも少し練って小さめにつけてジワジワ溶けるようにすると、バラケが落ちてウキが上がってくるまでの時間が長くなります。
 じっと我慢してアタリを待つと、ムズッ!とウキが押さえ込まれます。半信半疑であわせるとギュンと魚が走ります。う~ん、アタリが微妙だなぁ。

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小さいアタリをよくとれたなぁと思った3枚め(8:49)

 バラケが落ちてからが勝負なので、えさ落ち目盛りが出てから3分や5分も待つのですが、よ~く見るとウキがフワフワ動いているのでずっと見つめていると結果的に待っています。冴え冴えとした空気の中でピーンと気を張って前のめり(笑)になるのが楽しいです。ダレてしまうとサワリもアタリも見落としがちになるので、集中しないと却って楽しめない釣りなのかなぁ?と感じました。

 朝10時までがチャンスタイムです、その後は食い渋りますよというへらむぎさんのアドバイスを受け、朝のうちだけでもと気を張ってウキを見つめ続けます。わりあい順調に数を重ねることができて、9時5分から9時32分までで4枚釣ることができました。
 アタリが少なくなってしまったので、魚が暴れて底が掘れてしまったかも?と2cmほどウキを上げたら、またアタリが出始めて、10時11分から10時55分までで4枚と目標だったツ抜けに手が届きました。

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やった~ツ抜けだ~(10:55)

 この間、次第にアタリが小さくなっていきました。サワリだかアタリだか判断できない弱いものもあり、あわせる右手が動かない…というケースもしばしば。段底はアタリが小さいとは聞いていましたが、長竿のグルテンの釣りなんかだともっと小さいとのこと。大変です。
 魚のえさを吸い込む力が弱いのかな?と思って、下ハリを改良ヤラズ2号に変えてみましたが、サワリもアタリも出なくなってしまいました。ハリのサイズを少し替えるだけでたちまち様子が変わってしまう、へらぶな釣りって面白いですねぇ。

 逆にへらむぎさんはハリを重いものに替えるとアタるようになりましたよとのこと。次々とあわせては竿を絞ってなんと怒涛の4連釣!です。技術・道具など全てバッチリ決まらないと真冬のこの時季に4連釣ってなかなか無いでしょう。僕なんか夏でも経験ありません。少しずつ変更を重ねて正解に近づいていく過程を見せていただきました。

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さすがの釣り込みです(11:12)

 夜明け頃には雲が多くてなかなか陽が差さなかったのですが、次第に雲がなくなりいい天気になりました。ああ太陽って素晴らしい(笑)。
 風が次第に吹いてきたので、オモリを足してウキのえさ落ち目盛りを2目盛り上に調整して、トップが風に揺れないようにするとアタリが取れました(ここでも粘土オモリが使いやすいですよ、とのアドバイスを頂きました)。
 この釣り座は風の影響を受けにくくて、若干の流れが出てきたものの釣りができないほどではありませんでした。上手な人は技術だけじゃなく釣り座の選択からして違うものです。奥に見える木々は風でユサユサ揺れてましたからね。

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釣り座からの景色。お昼にはすっかりいい天気(11:27)

 ここでお昼のラーメンタイムです。へらむぎさんがお湯を沸かしてご馳走してくれました。寒い中、外で食べるラーメンってなんでこんなに旨いんでしょう。

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身も心も暖まります。ごちそうさまでした(11:57)

 僕も最近EPIのカートリッジ式ストーブの出番が多くなっています。行きのコンビニでカップスープやコーヒーを買って釣り場で飲んだりしています。近年冬はお籠もりが多かったので忘れていましたが、やはり腹から暖めると断然違いますね。

 食事の後は釣り座を替えてへらむぎさんに左側に入りました。テントの影で風が遮られていい感じです。ハリを改良ヤラズ3号に戻して再開するも、魚の方はというと次第に食い渋っていきました。

 13時33分と43分に2枚釣りましたが、サワリがあるもののなかなか決めアタリが出ない状況で、この日は誘ってもアタリが出ませんでした。
 なのに竿から手を離したり、余所見をするとアタリが出る、という意地悪なへらぶな達。絶対アイツらこっちの様子を見ながらえさ食ってますよとか今日の決め手は油断ですね。顔をアッチ向けて目だけでウキを見ててやりましょうかなどとバカ話を交えつつ、楽しくへらぶなのご機嫌を伺います。

 またこの日はお客の多い日だったようで、カワセミやシラサギが飛んできてはのんびり木に止まったり、ネコが日向ぼっこをしていました。脇の竹薮からガサゴソ音がするなぁと思ったらタヌキが3頭ご挨拶に出てきてくれました。

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お!タヌキだ!(13:55)

 看板にタヌキがえさを食べるので注意して下さいと書いてあったのですが本当に出てくるとは。随分人馴れしているのか、えさを丸めて投げてやるとおっかなびっくりながらも意外と近くまで寄ってきます。えさで誘い出して、しばしタヌキ撮影会@道満河岸。

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意外と寄って来るなぁ

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毛が抜けちゃってるねぇ

 近くまで寄ってきて見ると、随分と毛が抜けて少し痛々しい姿です。冬毛への抜け替わりの時季なのか、栄養状況が悪くて毛並みが悪いのか、タヌキについては詳しく分かりませんが、ガソゴソとゴミ箱をかき回す姿は都市近郊の野生生物ゆえですね。しかし道満にもタヌキがいるんですねぇ。

 さて冬の1日はあっという間に過ぎていきます。次第にお日さまが傾いてきました。釣りはというと、相変わらずアタリが出ない状況なので、下ハリスを0.25号と細くしてみましたが、なかなかアタリに繋がりません。
 次なる手は…とへらむぎさんと話しつつ、ずらし幅を多く取ってみることにします。へらむぎさんは10cmまでずらしていってもいい、と言いますよと10cmずらしを試し、僕は下ハリスが細いのでスレ掛かりを恐れて、初心者3cmずらしコースでお試しです。

 するとチコッ!とウキを押さえてアタリが出ました。久しぶりのあわせに無事魚の重みが掛かって、ズンズン走っていきます。無事取り込んだらバッチリ尺はあるだろうという今日一番の良型でした。

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体の幅が分厚い良型の13枚め(15:06)

 3cmずらしでアタリが出たので、調子にのって6cmずらしにしてみます。底取りの際に水深を測った木綿糸の目印にウキゴムがくっついてしまったので、ウキの足とボディ分はずらし幅になっています。これだけずらしてアタリが出るってコトはやはりえさを吸い込む力が弱いんだろうと思われます。

 いよいよ終わりが近づいてきて、とうとう9cmずらしに挑戦か?などと話していると、場内に15時30分の閉門30分前のアナウンスが流れます。ああ、もう終わりだねぇとウキを見ていると、ツン!とアタリが出るではありませんか。
 しかしながら、これをあわせるも残念ながらハリ掛かりしません。ホントはもうおしまいにしないとなぁ…と思いつつ、今のアタリが悔しかったので、こっそり最後の一投を振り込みます。へらむぎさんの方を見て、もし目が合っちゃったらどちらともなく終わりにしましょうかって話し掛けることになりますから(笑)。

 じーっとウキを見つめていると、やっぱりそう都合よくアタリは出てくれません。ダメかな…と思い始めた時、無意識に右手が動き、竿にズシッと魚の重さが掛かってからようやく我に返りました。マバタキをした後にウキが少し沈んでいたんです。なのでウキが引き込まれる瞬間は確認していないのですが、おかしい?と思う前に右手が勝手に動いていたんです。
 集中力を極限に高めた結果…と言えば聞こえはいいですが、反射(脳でなく脊髄)で釣りをするようになっちゃった?ってトコでしょうか。あまりにあがりべらを欲しがっていたのでしょう(そりゃあ釣って終わりたいし…)。例えて言うならお腹が空いたので思わず旨そうな匂いについ振り返ってしまったって感じ?

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あがりべらの14枚め(15:37)

 何はともあれ無事あがりべらを釣って終了です。いつもは5分前のアナウンスが流れてから慌てて片付けるんですよなんて、つい粘ってしまうあさましい僕の根性を暴露しつつも、楽しい釣りを振り返りながら後片付けです。多分ニコニコしていたんじゃないかなぁ。

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背後の浅場。帰る前の様子です

 へらむぎさんは計20枚。僕は14枚でした。入口近くの釣り場図に書き込まれた釣果を見ると、竿頭の人で30枚(巡回時点)で、長竿の底釣りだったそうです。初めての段底で竿頭の半分も釣れれば上出来です。
 それもこれも色々とアドバイスを頂いたへらむぎさんのおかげです。段底の基本から教えて頂いたので、これだけの釣果が出ました。ありがとうございました。

 また今日一日、釣りとは全く関係ない話から「次の一手はどうしましょうかね?」という話まで、あれこれ話しながら楽しく釣りができました。するとこういう変化はどうだろうか?という集中力が切れなくて何もしない時間が少なくて済みました。
 一人で釣りをしていると何もしない時間が意外と長くなります。工夫と手間を惜しんでいるわけではなくて、気が付いたら時間が経っちゃっていた、という感じです。ここのところ誰かと釣りに行く機会のたびに、誰かと行くと何か変化をつけるキッカケができるのが大きいなぁと感じていて、釣り会にも興味が出てきたのです。

 さらには二人の仕掛けの違いなど比較もできて上達に役立つことも今日実感できました。得るコトが大きく、とても楽しい釣行になりました。ありがとうございました。またご一緒させて下さいね。

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