トップ釣行記

カヤックに乗って桃源郷探し

ずっと暖めていたネタにチャレンジ

2010-09-20

 2月に購入したカヤックはこれまで2度海に持ち出しましたが、同時に同型の艇を買ったフル先生とダム湖に持っていって流入河川を遡ってみたいねと話していました。車や徒歩で入渓できない川だったら桃源郷かもね?なんて夢が広がっていたのです。
 ところが季節は流れてはや9月も終わりに近づいてきました。渓流は禁漁期目前です。このままでは桃源郷探しも来年になってしまう!と出かけることにしました。
 すっかりカヤックが気に入った彼女に一緒に行く?と声を掛けると同行するとの返事で、アトリエのミンさんも加わって総勢4名です。

 8時過ぎにアトリエに集合し、フル先生の車に2艇のカヤックの他、釣り道具など荷物を満載して出発しました。
 食料を買い出した後の道中は雨が降っていたのですが、進むにつれて雨はやみ、どうやら天気はもってくれそうな気配です。

 特に場所は明記しませんが、見る人が見れば分かる有名なダム湖に到着しました。管理事務所に行ってお手洗いを借り、管理人さんに情報収集すると今は釣れないねとキッパリ。やはり桃源郷はそんなに簡単に見つかるものではありません(T_T)。
 利用者名簿に記入し、地図を見せてもらって作戦会議です。できれば17時に帰ってきてねと管理人さんに見送られ、スロープへ移動し出船準備を始めます。

 荷物を降ろしてカヤックに空気を入れ、荷物を積み込みます。今回はカヤックで最上流まで行った後、川を遡りますので渓流釣りの準備で乗り込みます。

準備オッケー
膨らませるのも簡単です

川歩きの装備です
普段乗艇の際にウェーダーは履きませんが

無事出航
さぁ出発です

 出発したのは11時30分頃でした。いざ湖上に出ると風も無く、穏やかな湖面は鏡のようで実にカヤック日和です。かなり減水しているので湖岸は地面がむき出しになっていて、緑の中を颯爽と…というわけにはいきませんが、水は澄んで綺麗ですので、気分は上々です。

鏡のようでしょ
穏やかな湖面です

漕ぐだけでも充分満足です
スーイスイっと

苦しそうな体勢で撮ってもらいました
気持ちよくパドリング

 一時間ほどパドリングを楽しんだら、最上流への道すがらも釣りをしようと竿を出します。

鏡のようでしょ
穏やかな湖面です

 夏の湖のマスの泳層(タナ)は深いんじゃないか?とドジャー代わりにナス型オモリの5号を持ってきました。スナップスイベルに付けてリーダーを結び、シンキングミノーを流したのですが、船の行き足に引かれて想像していたほど深いタナは流せませんでした。ダウンリガー・スタイルではもっと重いオモリを使うみたいだし、ヘタな考えではうまく行かないものなのですね。

 結局何の反応も無いまま、最上流部へとやってきました。すると左岸に一艇のカナディアン(オープンデッキ)カヌーが泊まっているではありませんか。やはり同じようなコトを考えている人が居るのね…。

あぁやっぱり居たか…
先行の船が見えます
(クリックすると拡大します)

 とはいえせっかく1時間以上も漕いでやってきたのですから、そのままお帰り…というワケにも行きません。とにかく上陸してお昼ゴハンです。

流れ込みの水は冷たく澄んでいました
最上流部に上陸です

 カヤックを川岸に上げたら、さっそく荷物を降ろしてお昼ゴハンのための即席キャンプサイトの設営に取り掛かります。
 流木に腰掛けてめいめい道中で購入したゴハンを取り出すと、フル先生がビールを取り出して振舞ってくれました。今日はドライバーではない僕もご相伴に預かりました。

カンパ~イ
キャンプサイト開店です

外ゴハンってシアワセ
いただいてま~す

どうでしょう?
自然の中で飲むビールのお味は?

簡単なものでもご馳走です
みんなで食べると美味しいのです

贅沢にエビスを頂きました
ビールの宣伝みたいになっちゃいました

 お昼ゴハンをいただき、さぁこれから川を遡ろう、とちょうど出発した13時30分頃、ルアーロッドを持ったご夫婦が川を下ってきました。少しお話ししたところ、この少し上流にある橋まで行った。魚はそんなに釣れなかった。15時からが釣れるよとのことでした。
 じゃあその橋の上流からが本番かな?なんて言いながら出発です。

彼女は初めての川歩きです
さぁ出発です

 ところが遡り初めてすぐに、いきなり険しい川岸が待っていました。ミンさんと彼女はこれはちょっと…と渋い表情です。まぁまぁちょっと行ってみようよ、と促して、ゆっくりと慎重に進むことにしました。

取り付きが一番キツかったかも?
初心者には結構ハードな渓相でした

 先行者が入った後の渓の状況がおおよそ想像できるフル先生と僕は、さっさと先行者が行ったという橋まで行ってしまいたい、という釣師の欲望がモヤモヤと頭をもたげるのですが、うちの彼女が遡行初体験です。ここはフル先生には泣いてもらって(笑)彼女は初心者ですからゆっくり行きましょうと提案しました。この時点で僕は既に釣りができなくてもいいやくらいの考えになっています。
 普段フル先生に置いて行かれるというミンさんはドンドン先行して渓を遡っていきます。その後からフル先生とうちの彼女が釣りをしながら歩いていく、といった形です。知らない渓に連れて来ちゃったら、思ったより険しい渓相だったので、彼女のサポートはほとんどフル先生にお願いしてしまった格好になってしまいました。スミマセン。
 彼女は、フル先生に釣りの方法を教えて貰いつつ、川歩きを満喫できたのではないかと思います。魚の方はというと、コレ!といったポイントに魚影は無く、浅い瀬を走る魚の姿が少し見えたくらい、といささか寂しいものでした。

 先行のご夫婦が来たと話していた橋まで来た時に15時過ぎ。これからがいい時間帯なんだろうね、と気合が入ったものの、残念ながら魚の姿はほとんど見られませんでした。

ここもよさげだったんですがね
ここで終了としました

 この写真の場所でフル先生が先の様子を窺ったところ、急に渓が険しくなっている、とのことでした。夢中で遡ってきて、時間はとうとう16時になっていました。そろそろ帰ろうか…との言葉が出た時、全員気が付きました。管理人さんに17時に戻ってこいって言われてたことを。
 ここから川を下って湖に下りたら、約1時間弱のパドリングが待っています。17時はおろか、暗くなる前に帰れるかな…?

 下りは上りに比べると疲れも出てきて、危険な道になるのが常、というものです。ほとんど釣りをしないで下ってきました。それでもカヤックを泊めた場所に戻ってきたのが17時。やはりちょっと遅くまで粘り過ぎたかな…(苦笑)。

 帰りは釣りもしないでガシガシ漕いでいきます。フルさんミンさん艇には申し訳ないのですが、ここは2馬力の威力でドンドン先に行きました。彼女はパドルを持つ手の皮が擦り剥ける程の勢いです。実は湖上で暗くなってしまったら凄く怖いことになると思ってからなのですが、それがヒシヒシと感じられたので僕もバンバン漕ぎましたヨ(笑)。

 出船場所となったスロープに戻ってきたのが18時。ちょうど辺りが暗くなる頃でした。やや遅れて戻ってきたフル先生曰く船の近くで魚がバシャバシャやってたとのこと。やはり桃源郷のようなウハウハな思いは怖くなるほど暗い状況でしか巡り会えないのかな?

 すっかり暗くなってしまった中で後片付けをして、帰路に着きました。アトリエまでの車中は同乗させて頂いたので後席で彼女と二人、少し寝てしまいました。普段二人で出かけるときはお互い眠るわけにもいかないので、今回は本当にラクをさせていただきました。
 特に彼女は初めての川歩きでやはり疲れてしまったようで、アトリエからの帰り道もゴメン。眠いと言って車中で寝てしまいました。普段は運転席の僕に気を遣って寝ないようにしているので珍しい出来事でした。

 釣果の方は桃源郷どころか一匹も釣れない寂しいものでしたが、普段行かないような自然の中をわっせわっせと歩いて楽しめたと思います。あまり渓流釣りをしていない僕だけでは、なかなかできないコトですので、これだけでも充分良い経験になったと思います。改めて良い機会を頂いたことに感謝です。

Copyright (C) びぃ,2010-09-29,All-Rights Reserved.