舞鶴の筏でチヌを狙う
以前より実家を起点に日本海側へ行きたいなぁと思っていました。僕が実家にいる頃は高速道路が未開通で、福井県の若狭湾や京都、兵庫の日本海側はとても遠いところでした。近年高速道路の整備により、とても行きやすくなっており、さる事情から、この辺りに行かねばなるまい、と思っていたのでした。
最近では、若狭湾はイカメタルゲーム発祥の地として知られたり、兵庫県の日本海側はアコウ(キジハタ)がたくさん釣れることで知られていますが、僕が子供の頃といえば、何と言っても筏のかかり釣りでチヌ(クロダイ)を釣るのが有名でした。最近では三重県や和歌山県に押されてあまり情報が出てこないようですが、子供心にやってみたいなぁと思っていたものです。
そんな折、釣りビジョンの関西発!海釣り派という番組で舞鶴でのかかり釣りが放送されていました。ここへ行ってみるか?とボンヤリ考えていました。
筏のかかり釣りは、カキ養殖などの筏の上に乗って釣りをします。カキの手入れの際にカキに付いた虫が落ちたり、魚の養殖の餌のおこぼれにあずかれるので、魚が寄りついているのです。
釣り方は、餌取りと呼ばれる小魚の猛攻を避けるため、赤土や糠を使った集魚ダンゴに食わせ餌を包みます。これを底まで落として、ダンゴが溶けて食わせ餌が飛び出したところを本命のチヌに食わせる、というメカニズムは、紀州釣りとも呼ばれるウキダンゴ釣りと同じです。ポイントは筏に近い足元直下、水深が深い場合が多いのでウキは使わず、竿に伝わる穂先の動きでアタリをとるので、竿先が見易い約1.5mほどの短い竿を使うのが特徴です。
竿はほぼ代用が効かないので、タックルベリー浦和美園店でたまたま見つけた(笑)シマノの愁波 本調子160を購入しました。リールはタックルベリー神田駅前店でプロマリンのテクニスト黒鯛TK-60Gが新品で売っていたのをたまたま見つけた(笑)ので購入しました。
使う道具が少ない釣りですが、短い柄のタモが必要です。これでイケるかな?とへら用の尺ダモとタモの柄を同梱しました。
21日の吉野川鮎釣りの際に、関西発!海釣り派の舞台となった舞鶴の西田渡船に電話をすると、22日は予約でいっぱい、23日の予約を入れました。ところが23日の朝、やっぱり寝坊してしまい、5時頃、実家を出発しました。中国道、舞鶴若狭道と走って、朝7時頃に黒鯛釣具店に到着しました。
何と言ってもえさが無ければ釣りになりません。店員さんに相談すると、かかり釣り用オリジナルダンゴがあるというので購入。足りない場合の保険として、マルキユーの本筏チヌも購入。ハリに付ける食わせ餌は、冷凍オキアミブロック1枚、サナギ1袋、丸貝1袋を購入しました。
それからコンビニで昼ごはんを買ってから、西田渡船に到着したのは7時30分に近かったと思います。
予約していたとはいえ、遅い到着に恐縮しきりです。沖にいたご主人が戻ってきてくれて、桟橋から小さな船で出発です。その前に係留ロープに付いていたイガイをゴッソリ獲ってくれました。これを潰して撒き餌にするといいとオケに入れて持たせてくれました。
筏に渡して貰って、イガイを潰してパラパラ撒きながら釣りの準備にかかります。まずはスノコ。へらぶな釣りに使っているものですが、真夏の暑い釣りなので、是非パラソルを立てたいと持ってきました。スノコの上に、荷物をパッキングしたMEIHOのBM-9000を置きます。載っても壊れないがウリの強靭なボックスですので、宅配便発送にも耐え、椅子代わりにピッタリです。
竿とリールは前掲、糸はDUELのH.D.カーボン船ハリス2号を巻きました。漁業者専用って書いてあるアレです。ここにそのままハリを結びます。途中に結節具やハリスを用いない、いわゆる通しと言われるシンプルな仕掛けです。ハリはオーナーのサスガチヌ3号です。
釣り始めはオキアミにしました。ダンゴに包んでいざ投入すると、無事底に届いたようです。ダンゴが割れるタイミングが分かるかな~と穂先を見つめると…なかなか割れません。
どうやら握り過ぎたらしい、小魚もまだ寄ってないだろうし、と、握る回数を減らして、投入していきます。数投試して、好みのタイミングは8回握りと判明しました(笑)。
ダンゴを10回ほど入れたでしょうか。次第にサワリが出始めます。どこでアワせて良いのやらサッパリ分からないまま、エイッ!とアワせるとヒイラギがスレで掛かってきました。
ヒイラギがスレ掛かり(8:17)
その後、ヒイラギが口に掛かるものの、本命はサッパリ寄っていないようです。アタリは頻繁に出るのですが、タイミングがなかなか掴めず、カラ振りを食らってしまいます。
良く分からないまま魚っけが無くなってしまいました。繰り返しダンゴを投入すると、再び魚のサワリが出てきます。今度は食わせ餌をサナギに替えると、根魚が連発するようになりました。
ガシラが釣れました(9:52)
マハタ?が釣れました(10:07)
食わせ餌をオキアミに戻すと、今度は小さいアジが釣れてきます。とにかくアタリには事欠かない状態なのですが、チヌがきません。食わせ餌をサナギにするとアタリが減るものの根魚が釣れる、丸貝に替えるとさっぱりアタらない、という状況です。本当は丸貝に絞って本命に狙いを絞らないといけないのでしょうが、アタリの無さに我慢ができません。
そんなこんなで根魚とアジとヒイラギに癒されながら、時間が過ぎていきます。お昼ゴハンを食べてから、やたらとダンゴにアタックしてくる地合がきました。
これがダンゴが割れていないと思う早いタイミングでゴン!と強いアタリが来るのです。ダメダメ~!と思っていても、ついついアワせてしまうのです。
そんな中、アワせた途端、ドスン!と重みが伝わる超大物のヒキがやってきました。強くポンピングしても一向に底を切れずに、右へ左へ泳ぎ回ります。数分、重々しいヒキを堪えて、これはエイなんじゃないか?と思い始めた頃、足元に突っ込まれて糸を切られてしまいました。残念。
底バラシをしてしまったので、アタリが途切れてしまいました。再びダンゴをセッセと投入すると、再びダンゴに激しくアタる地合が訪れました。
ダンゴが割れて食わせ餌が出るまで我慢すると、途端にアタリが無くなります。これは…餌が秒殺されてる?
いつアワせて良いのやら分からないまま、ジリジリしながらアワせるとカラ振り。そんなこんなを繰り返すと、ギュン!と強いヒキが伝わるのですが、あっと言う間にバレてしまいます。そしてハリには大きいウロコが。
後からネットで調べてみると、このウロコはボラっぽいことが判明しました。そういやご主人がボラがいるよって言ってたなぁ。
この時はボラかチヌか分かりませんでしたので、大きい魚をなんとか口にハリ掛かりさせたい!と頑張って釣りを続けたのですが、もう一度スレ掛かりがあっただけで、掛けることができません。
15時半頃になって、ダンゴが無くなってしまいました。釣具屋さんの店員さんには多分一日もちますと聞いていたのですが、ムキになってドカドカ放り込んでしまったのでしょう。予備で買ったマルキユーのダンゴえさ、本筏チヌを作ります。
ところが、このえさが底に届く前に割れてしまいます。仕方無いと水を足してガンガン練り込むのですが、全然粘りが出てきません。これも後になって調べたのですが、このえさは粘りではなくて硬さでもたせるタイプのようです。
これがどうしても底までもたないのです
握る回数を増やしてダンゴをもたせるタイプが昨今の流行りのようですね。紀州釣りのダンゴえさ作りで手がヘロヘロになった経験から、極力楽をしようと粘りを出そうと思ったのが失敗でした。
結局ダンゴがもたないので、16時半頃アガリとしました。残念ながら筏からのチヌは次回にお預けです。しかしながら、アタリはたくさん出る釣りだし、正体不明の大きい魚は掛かるし、で楽しい釣りでした。足場も良いし、座ってやれるし、筏は揺れないので敷居も低いし、設備によっては簡易トイレもあるとか。僕の住むさいたまからでは近くに釣り場の少ない釣りですが、また機会を作って実家を起点に行ってみたいと思ったのでした。
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