電動リールを抱えて川崎・中山丸へ
ナニワっ子はタチウオが大好きです。いきなりそんな断定をしてはイケナイのかも知れませんが、大阪で人気が高い魚であるのは間違いありません。僕も大好きなので、何度か東京湾に釣りに行きましたが、浅い水深に群れて釣りやすい夏ばかりでした。ところが夏のタチウオは型が小さく脂が少ないので、食味の点で満足のいくものではありませんでした。
この子はこんなモンやない、まだ本気出してないだけや。ホントはもっとデキる子やねんと思えば思う程、旨いタチウオに未練が残るのです。寒い時季に深場に落ちていくヤツこそ僕の求める旨いタチウオに違いない!と目星を付けました。
そのために準備したのがこちら。
レオブリッツ200J(ダイワ)
タチウオを釣るのに電動リールを新調してしまいました。どうして?と問われればたくさん言い訳できますが、旨いタチウオを釣るための気合の現れと思っていただいて結構です(笑)。
リールを新調した帰り道に川崎の中山丸に電話して予約し、翌日の1月20日(土)にいざ釣行です。
6時45分に出船と聞いていたので6時過ぎに到着すると、お客さんはほぼ揃っていたようで、空いている釣り座は左舷の胴の間トモ寄りでした。北風の予報でしたので、右舷に当たる太陽光が恋しくなりそうです。それにしても、皆さん到着が早いよねぇ。
レオブリッツ200J(ダイワ)見参!
船に乗り込んで準備を始めます。竿はPRO MARINEのディアクルーズ・船80-195、リールは前掲レオブリッツ200J(ダイワ)、道糸はメーターテクミーHS8ブレイド(ゴーセン)2号、テンビンは腕長35cmを使いました。オモリは船長の指示で80号。仕掛けは船宿仕様のものを買うと、ハリスがフロロ7号2.5m、ハリがタチウオバリ2/0の一本バリで、チモトに夜光チューブが付いていました。
えさはサバ?の切り身です
船は1時間程走ります、とアナウンスして南へ。ベンチでひと眠りして目が覚めたら観音埼灯台が見えました。
観音崎の灯台が見えます
Google Mapで確認した位置
タチウオの魚群を探しているのでしょう、しばらくこのあたりをウロウロと走って、次第に船団が形成されるようになると、その一端に加わって釣り開始です。
船長からタナは110mとのアナウンスされます。やっぱり予想通り100m超でした。電動リールが無いと辛い釣りだよね~と仕掛けを落とします。船長の解説ではあんまり大きくシャクらずにしつこく誘って下さいとのこと。
小さくシャクるというよりは、基本止めておいて時折小さく聞き上げる程度でアタリを待っていると、早速ブルルンとアタリが出ました。大きな引き込みがあるまで小さく誘うとググッと引っ張られたので、ここでアワせるとハリ掛かりした感触が伝わり、電動リール巻き上げオン!です。
やったー(8:54)
釣れました
昨日の中山丸HPの釣果情報、出港直後の船長のアナウンスにあった釣況、左隣りの大艫の方が先に釣ったタチウオの姿、そして電動巻き上げの感触からうすうす感づいていたのですが、型が思っていたより小さい。指3本サイズです。タチウオは魚体幅を指の本数で示すことでサイズを表現するのですが、4本から5本級を期待しておったのです。
二流しめもアタりました。というかアタるまで待ち&聞き上げを繰り返した、という方が正しいかも?
事前に予習した雑誌には、ブルルンと手に強く伝わるアタリはタチウオが齧っているだけ、そのままシャクってしっかりとハリ掛かりさせてからアワせる。小型に多し、とあり、大型はモタレというか重い感触になる、これはハリごと飲み込んでいる可能性が高いので、しっかり合わせてハリを引っ張り出して口に掛ける、とありました。実際、何回か重さを感じて大きくアワせるとハリ掛かりした、というのがありました。むむ、難しい。
ノリを聞くには、小さくシャクるというか糸を張る動作を一定のリズムでやるのが一番効果的です。
左舷大ドモのお客さんを見ると、ゆっくり小さく(穂先が10cmくらい上がる程度)シャクリながらリールのハンドルを少しずつ回転させて糸ふけを取り、次第に上へと探っていくという絶妙な竿捌きをされています。よく見るとリールのハンドルのグリップ部分ではなく、六本爪?のドラッグプレートに指を掛けてハンドルを回しています。どないやっとんねん、あれは真似すんの無理や…
右隣の方は、大きめのシャクリで誘っておられます。パッと見、スロージギングって感じです。みなさん、それぞれに個性が出るようで。
沖でも隣になったつり幸さん
12時半頃、カップラーメンを食べようと船長にお湯ってあります?と訊ねると、操舵室の後ろから入った入口脇にポットが置かれていました。ひょいと魚群探知機の画面が目に入ったので、ちょっと見せてもらっていいですか?と見せて頂きました。
魚群探知機の画面(12:44)
魚群探知機の画面は、右端が現在の状況を示し、左へ行くほど古い状況となります。左から右へ時間の経過が表示されます。この画面を見ると、この船は直下にずーっとタチウオの群れを捉え続けている、ということになります。それでもポツポツとしか釣れないのは、やはり魚そのものの活性が低いのでしょうか。居れば食う、目の前にえさを落とせばアタリが出る、なんてコトは高い欲目というものです。
魚探の画面を見せて貰った後、ポットからお湯を注いでカップラーメンを作ります。
寒い時にはやっぱりコレでしょう(12:45)
BIGサイズのシーフードにしました
失敗したのは3分を待ちきれずに食べ始めちゃったことです。少し麺に芯が残っていました。せめてポットの再沸騰ボタンを押してお湯をアツアツにすれば良かった。その間に魚探の画面を見せてもらうのが、正しい船上カップラーメンの手順であったワイ…。
ポツポツとアタる状況であったのですが、最後に船長は移動を決断しました。少し浅くなったポイントで再開するも、なかなかアタりません。このポイントではしつこく粘ってね、というアナウンスに気を引き締めますが、一回アタってエサが齧られただけで終了となってしまいました。
右隣の人はデカいタチウオを三連発で掛けていてウラヤマシイ限り。シャクリを真似したけどダメでした。
この日の釣果です
帰宅して数えてみると13本いました。トップは40本だとか。やはり腕の差が出る釣りのようです。
翌日、昆布締めを仕込んでおいてから、彼女をお招きして晩御飯はタチウオ祭りの開催です。献立は、大葉と梅巻き焼き、ユッケ、刺身と炙りの食べ比べ、酢締め、塩焼きです。
この日の晩ゴハン
刺身と炙りの食べ比べ
刺身を作って、半分をバーナーで炙って、食べ比べをしてみようと試してみました。結果は香ばしい風味がピッタリで、炙りの一方的大勝利でした。残った刺身も炙ろう、と急遽変更したほどです。
焼き物です
大葉と梅を巻き込んで楊枝で止めてグリルで焼いたタチウオ巻きは、ふっくらとして身肉が美味しかったです。初めて食べましたが、これ、揚げてもいいかもねぇ?とイメージが広がる一品でした。
一方で定番の塩焼きですが、やはり指五本サイズの幅広のヤツは肉厚でもあるので、デカいタチウオでやりたいところです。また来年、ドラゴンを求めてリベンジしましょうかね。
ユッケです。
ユッケは焼肉のタレと玉子の黄身で和えて、白ゴマをふりました。刺身の弾力のある歯応えが楽しめるメニューですね。クセの少ないサッパリとした身なので、以前に使ったイナダと比べると旨味の点では物足りないかも?
締めタチウオ
以前釣り番組で酢で締めたタチウオが旨いと聞いたので、作ってみたいな…と思っていました。お刺身と一緒に食卓に並べたので、酢で締めると身が柔らかくなることがよく分かる一品です。感想としては、旨いんだけど期待値が高かった分だけ割り引かれたかな…、という感じ。夏のタチウオでやってみる価値がありそうな気がします。
炙りタチウオのお茶漬け
最後に炙りタチウオを乗せてお茶漬けにしました。彼女はこれでお腹がはちきれそうになってしまいましたが、食べないで後悔したくないと。感想はとっても高級な感じがすると言ってました。
手軽に食べられるのがお茶漬けの良いところではありますが、骨を炙って出汁を取り、それでお茶漬けにしてもいいかも?とのアイディアも出ていましたので、一手間掛けて楽しみを広げても面白いでしょう。
22日(月)は天気予報通り午後から雪が降り始め、夕方にはどんどん積もるようになりました。早めに帰ってきてタチウオを塩焼きで食べました。
普通に美味しいですが、もうちょっと肉厚であれば…と悔やまれてなりません。ということで写真は無し。
23日(火)の晩ゴハンは、雪道を歩いて帰宅するため、買い物を手軽に済ませたい、と一人鍋野菜セットを買って、日本酒しゃぶしゃぶにしました。
しゃぶしゃぶの準備オッケー
鍋に入れるのは昆布と日本酒だけです。とても簡単。
タチウオの日本酒しゃぶしゃぶです
しかしながら、一人分で作ると味付けが濃すぎました。お湯で半分くらいに薄めると、ちょうど良い味になりました。旨かったです。
最後は雑炊で締めました
もちろん最後は雑炊に。
昆布締め
その時彼女は昆布締めを食べていました。美味しかったとの感想を頂きました。
24日(水)の晩ゴハンはなんちゃって清蒸です。
タチウオのなんちゃって清蒸
鍋野菜セット一人前を鍋に敷き、三枚におろしたタチウオの身を並べ、タレをかけて蒸し器に入れます。十数分後に取り出して食べてみたところ、予想通り旨かったです。ただ同じ白身のハタやスズキに比べると、身に旨みがちょっと足りないかな?
最後にスープを飲んでみると、これが一番旨かったです。どうやら蒸気が皿に落ちて旨みが流れ出した絶品スープになった模様。まぁ結果オーライです(笑)。
その後、食べる機会がなかなか回ってこなかったのですが、28日(日)そろそろヤバいかも…?と頑張って作りました。
タチウオの変わり巻き
三枚におろしたタチウオを巻きました。中身は大葉と梅、モッツァレラチーズとインゲンの2種類です。これを小麦粉・卵・パン粉に付けてフライにしました。
タチウオの変わり巻きフライの完成です
これは旨かったです。熟成されたタチウオの旨みが出つつも、フワっと揚がってくれました。ただタチウオの食感と変わってしまうかな?と思って一手間掛けたインゲンの下茹では不要だったかも知れません。パキッとした歯応えがあった方が美味しかったかも?この点だけが唯一の残念ポイントでした。
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