ロードホッパーでポンドに釣りに行く
ロードホッパーで釣りに行く計画を水面下で進めてきましたが、いよいよ動き出す時が来ました。①駐車場所があっていたずら等の心配が無い、②釣り道具が積載可能、の要件を勘案した結果、東京水産大学(現:東京海洋大学品川キャンパス)のポンド(係船場)でシーバスとなりました(笑)。
ちなみに係船場ですから正確にはポート(port:港)が正しいのですが、遠い昔に訛ってポンドと呼ばれるようになったと聞きました。pondやったら池やんけ…と上京したばかりの浪速男は心の中でツッコんだものです。
春、東京湾奥へ移動してきたシーバスを強力に惹きつけるのがバチ抜けであり、在学中の記憶では、卒業式から入学式の頃にポンド周辺でバチ抜けが発生するとシーバスや他の魚が入ってきて暫く滞在するようでした。一番カタいこの時期であれば、イワイミノーを使ったフライフィッシングで昼間に一本獲れないか?と、長年考えていたのです。
これまで過去2回フライフィッシングで挑んだことがあり、その経験と反省から考えるにシューティングバスケットは必須で、足元のコンクリートにラインが引っ掛かるストレス回避が重要です。バイクで釣りに行く上でシューティングバスケットの積載をどうするか悩んだ結果、今回はドン・キホーテで買ったコンテナにROKストラップ(細)を結んで腰に固定するという新技を編み出し、早速ロードホッパーの荷台に積んでみました。
ちょっとぉ!何積んでるのよぉ!
スーパーカブみたいでブサイクじゃない!
お嬢がゴネてる声が聞こえてきそうです(笑)が、折り畳みの長靴をバスケットの中に入れられるので、用途としては非常に良好です。釣りのためならせっかくの別嬪さんが台無しになっても否やは言わせません。
竿と短めのタモの柄はサドルバッグセッティングをしたマルチレインバッグ(デグナー)の中に納まりました。この方法に気付いてから、ロードホッパーでのお出掛けの選択肢がグン!と広がった気がします。
出発前のメーターです
いざ出発。首都高5号池袋線から都心環状線、1号羽田線と乗り継ぎ、芝浦出口で降りると、我が懐かしの母校は目の前です。
部外者が校内に車輛で進入するとなれば、守衛さんに入構証を貰わねばなりません。ここは43管理のOBです。8号館にいらっしゃる工藤先生を訪ねてきましたと理由をデッチあげます。今日は日曜日だよ?アポイントは?先生は居るのかい?と訝しがられると、近くまできたものですから、ご挨拶に~とシラを切ります。
ウソをつくには事実を散りばめることが肝要です。実際に平成7年に資源管理学科を卒業したので、43管理は間違いありませんし、2学年上の先輩だった工藤先生には、昨年の4月には仕事の依頼で実際にお伺いしているくらいですから、後に日曜に、近くまで来たからって言ってオーツカさんが訪ねてきてましたよと注進されても不自然では無いのです。これぞ水大卒~業界人のド定番クオリティ。でも本当の目的は釣り(笑)。
そんなわけで無事、構内の駐輪場に辿り付くことができました。
到着しました
バスケットを降ろして折り畳み長靴に履き替え、ザックから竿とタモ、釣り用ウェストバッグを取り出します。バイクに乗る際に使ったウェストバッグを代わりに収納して、釣りの準備を行います。
本日の道具
ROD : Frequent Flyer 905-7(ORVIS)
REEL : EVOTEC CLWC 2-six(LOOP)
LINE : GPX WF5F(Scientific Angler's)
LEADER : SALMON Light SALT 10ft 12lb
TIPPET : Super Tippet Fluoro 3X
FLY : IWAI MINNOW
竿の準備は後ほどとして、コンテナを持ってテクテクと歩いて生協の食堂・店舗が入っている学生会館へ向かいます。日曜で学生会館は閉まっていましたが、建物前の自販機でパンとコーヒーを買って、メインストリートに面した藤棚の下でお昼ゴハンにします。ここの藤の見頃は入学式後で、4月中に散ってしまった記憶があります。
お腹が膨れたところでポンドへ歩いて行きます。道中に鎮座するのは水産大のシンボル雲鷹丸です。
雲鷹丸の脇を抜けてポンドに至るトンネルをくぐる際に見慣れぬ看板を見掛けました。おや?
ポンドは周りの景観が変わっていて、何と言っても左(北)隣の超高層ビルが目に飛び込んできます。
ワールドシティタワーズ アクアタワー
北隣りは昔、新聞配送センターだったか、陸上自衛隊の施設だったか?こんなになっちゃったのね…とポンドの奥へと進みます。
水産大に通う釣り好きにのみ知られていた公然の秘密に、護岸沿いの通路がありました。ポンドの奥の外れから護岸の壁面から突き出した通路に降りられて、人がすれ違うことができるくらい狭いのですが、運河沿いを釣りながら、ずーっと歩いて港南大橋の下まで行けたのです。ところが…
立入禁止の先には石積みの護岸が
通路はもはや存在せず、石積の護岸が続いています。もちろん金網が張られているため、立ち入ることはできません。こんなになっちゃったのね…。好き勝手していたあの頃は、もはや遠い昔になりにけり、か。
ちょうどお散歩している若夫婦がいたので、この高いビルってなんですか?と訊ねたら、マンションですよーとのお返事でした。こんな僻地(笑)にマンションかー。隔世の感がありますね。
帰宅してからGoogle Mapのストリートビューで確認してみたら、ワールドシティタワーズの北側に港南緑水公園があるそうです。昔は私有地だったので、水辺の遊歩道になったのは格段に良い環境になりました。この柵を越えれば、石積みの護岸から釣りできるかな?なんて考えてはいませんよ。
港南緑水公園
結局、竿を継ぐことなくぷらぷらと駐輪場に帰ってきました。
なれば、もはやここまで。遅いお昼ゴハンを食べるべく移動します。目的地は品川区荏原のホットサンド専門店メイプルです。
学生時代の最後一年半を隣町の武蔵小山で過ごし、セピアZZ(スズキ)で通った懐かしい旧海岸通りを走ります。そういや北品川駅前のコンビニでハーレー専門誌VIBESを初めて買ったら銭湯の代金が足りなくて先輩に借りたんだっけ。あれは四年生のことだったから23年前か…。ハーレー恰好いいなぁと憧れてた学生もすっかりおっさんになっちゃった。
山手通りへ入って、大崎・五反田と走り、中原街道へと左へ折れます。何度も何度も走った道ですが、今ではすっかりすっかり景色が変わってしまいましたね。
それでも星薬科大学など昔からある建物を思い出しながら、スマホのナビを頼りに交差点を曲がって、細い道に入っていくと、お目当ての店に到着しました。
停める場所が無いので、テイクアウトカウンターの前に停めて、ドアを開けてすみません。バイクなんですけど店の前に停めちゃっていいですか?と尋ねます。え?いつまで?と訊かれたので食べにきたので、食べ終わるまで…と答えるとああ!どうぞどうぞ!と応対してくれました。客じゃないと思われたかしら。
それもそのはず、4人掛けのテーブルが4つだけの小さくお洒落なかわいいお店です。先客は、日曜の昼下がりにお洒落なマダムが一人ゆったりお茶…といった風情で、正直、バイクに乗ったおっさんが来る雰囲気じゃないのですが、ホットサンド好きとしては、ここまで来て後には引けんのです(笑)。
メニューを見てチキチキトマトのセットを注文しました。良く晴れた日差しが差し込んで、ポカポカと暖かく、まったり待っているとお待ちかねのホットサンドがやってきました。
お店であまり出てくることの少ない(と思う)ホットサンドですが、こんがり焼けた耳を台座に使って見栄えを良く盛り付けるなど、やはりプロの小技がキラリと光ります。
味ももちろん美味しかったです。中身はトマトソースにチキンとチーズにブロッコリー。ブロッコリーはうちでも真似したいですね~。色んなメニューがあるので、また来て、今度は違うものを食べてみたい!と思わせるバラエティぶりでした。
セットのサラダと食後のコーヒーをゆっくり頂いているところで、散歩の途中に立ち寄った風情の若夫婦が入ってきたので、残りのテーブルが一台になりました。おっさんが長居してもアカンやろ…と店を出ます。
道を挟んだ正面は飲み屋さんのようで、テーブルを出して一杯引っ掛けているおじさん二人組が多分ハーレーじゃねぇかな?なんて話すのが聞こえました。酔っ払いに話しかけても…コッチは呑めないし(苦笑)と、そのまま店を出て帰路に着きます。
国道1号線に出るまでの駅前の商店街の道は狭く、人通りを多いため、ゆっくり気を付けて走ります。途中で追い抜いた自転車のお兄ちゃんが、信号待ちでじーっとロードホッパーのお尻を見つめてました。気に入って貰えたのなら嬉しいけど、後ろに積んだカゴに目を惹かれたのであれば、ウチのお嬢はさぞかし不本意であったコトでしょう。口がきけたらお尻を見つめるなんて失礼じゃなくって?くらい言ってるかも(笑)
じーっと見つめる青年(1min16sec)
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Mac : mp4(145MB)
Smartphone : m4v(16MB)
国道1号線に出て北に向かい、帰り道をどうしようか思案します。そのまま走ると現れる首都高2号目黒線の荏原入口から乗ってしまうのが最早ルートですが、あまり楽しくないかも?と思って、そのまま国道1号線を走ります。
この日は春の交通安全運転週間だったので、お巡りさんが街中そこかしこにいらっしゃいました。いつの間にやら白バイに後ろに付かれてました。僕には何も無かったのですが、隣に停まったスクーターのおじさんに声を掛けてました。
背後に付けた白バイ(1min11sec)
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Mac : mp4(14MB)
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日曜なのに日比谷から大手町辺りがなぜか渋滞して疲れちゃったので、神田橋入口から首都高へ乗ってラクします。5号池袋線を走り、戸田南出口で降りて、2りんかん美女木店へ寄り道します。
ライディングウェアなどをブラっと見て一服したら、近所のガソリンスタンドで給油して、自宅に戻ってきました。
帰ってきたところ
走行距離は89.1kmでした。
結局、ホットサンドを食べに走っただけになってしまいましたが、旨かったからヨシでしょう。仕舞寸法の短い竿とタモの柄であればザックに入れて走れることが判明したので、これもまたヨシ。コンテナの見栄えはいささか微妙ですが、選択肢が一つ増えたことは間違いありません。こうした試行錯誤を糧にして、次回こそロードホッパーで釣りに行く計画を成就したいと思っています。
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