トップモノ語り

憧れのFenwick and ABU

大事なここ一番に使いたいと思わせる魅力
IRONHAWK Topwater IHT60CMJ : Fenwick
GE Handle F-Type (F-S) : Glass Eye
Ambassadeur 4500CS Green : ABU

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 ブラックバス釣りを始めてより、いろんな道具を見聞きしてきました。その中から憧れの製品、そのメーカーが現れてくる訳です。皆それぞれに違ってきますし、一つだけでも無いと思います。

 開高さんの釣行記に出てくるダブルハンドグリップのFenwickとアンバサダーの組み合わせは大人と子供の違いは持ってる道具の違いだけという言葉の表れとして、僕の心にずっと残っていたのでした。

 このロッドは渋谷のサンスイで購入しました。96年の秋口の頃です。世間では道楽が注目されていて、本格的なトップウォーターブームがやってくる直前でした。

 このブームがやってくる以前の92年頃から、僕のバス釣りのスタイルはほぼトップウォーターだけになってきました。その頃からトップ専用ロッドを探していたのですが、それほど種類がありませんでした。

 注目していたのはGrassEye Stick渡辺釣具店ArtistSMITHのBassManicといったところでしょうか。貧乏学生には道楽なんてトンでもない話でした。
 たまたま日本育英会の奨学金が入ってきたので、あ!Fenwickがいい!ずっと憧れていたんだから!とバチアタリなことを考えたのでした。(^^;)

 ちょうど約1ヶ月半の間、論文作成のため鹿嶋(北浦の東岸)に住みこんで調査をすることが決まったので、直前に思い切って買ってしまったのでした。

 鹿嶋での調査の合間を縫ってバスを釣って魂を入れることができましたが、本来付いていたブランクスルータイプのリールシートにコルクのガングリップが付いたハンドルの使用感がとても悪かったのが不満でした。

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本来はこんなハンドルでした

 そこでその冬、ブランクを糸ノコでブッた切ってフェルールをエポキシ接着剤で接着するという改造をしました。この時ばかりは手が震えましたね~。2・3度しか使っていない竿を切るわけですから。
 四畳半の狭い部屋でギコギコやって、武蔵小山のバスポンドで購入したグラスアイ製のフェルールとFタイプのグリップを装着したのでした。これでとても快適に釣ることができるようになりました。

 リールは春日部のポップマンで購入しました。雑誌に出ていた広告でクラッシックなスタイルの4500CSにハンドルを付けて販売していることを知ったのでした。98年のことだったと思います。

 バス釣りでは5500サイズの愛用者が多いようで、何かと5500サイズについて語られることが多いようです。しかし僕の掌のサイズや手首の弱さでは4500サイズの方が合っているようです。
 何と言ってもアンバサダーはやっぱり重いです。これで5500サイズにして更に重くなるのでは、げんなりしてしまいます。

 このロッドはすごくスローでベロベロという表現がピッタリです。ペンシルを動かすと腕が上がったような気がします。が、一度試したPEライン+バーブレスフック+左巻きリールの組み合わせでは、バラシの連発でした。
 こうしてこのシャフトにはFタイプハンドル+アンバサダー4500+太目のナイロンという組み合わせが一番のバランスマッチングだという結論に至ったわけです。

 僕は1ozクラスのルアーはあまり使いません。大体1/2~3/4ozくらいまでが多いです。
 スウィッシャーやノイジーを使う時はもうちょっと張りのある竿が好みなので、ペンシルベイト専用になっており、結局、出番はそんなに多くありません。

 今でこそ復刻モデルが多くリリースされるようになりましたが、工業製品である以上、憧れるうちにモデルチェンジされることは当たり前でした。
 何年も待って、実際に憧れを追いかけて組んだセットは思っていたよりも随分と重いタックルでした。現代の最新モデルと比べると使い続けるにはツラいものがあります。
 しかしプライムタイムだけで使うには充分ですし、気分良く、満足感もたっぷりです。心なしか大事なここ一番のキャストも決まり、ルアーが艶かしく泳ぐように感じられるのです。

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