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ボーンフィッシュいっとけって言われてるみたい…

山口さんからのクリスマスプレゼント その1
Gold Medal IMS 6890 GRAPHITE 9' #8 : PENN
Fates SW-3 : TENRYU

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 2006年12月に山口さんから頂いたクリスマスプレゼントです。
 最初お話を頂いた時には海用のフライタックルがあるんだけど、これまで使っていないので使ってくれればとのことでした。とてもありがたいお話なのでぜひ使わせて頂きますと即答させて頂いたのですが、海用のフライタックルって持っているだけでも珍しいので、どのメーカーのどんな用途のものかも見当が付きませんでした。

 届いた梱包を開けてみると、まさにビックリ。ロッドはトローリングタックルで有名なPENNの製品で、シャフトにはGold Medal IMS 6890 GRAPHITE 9' #8LINEと印刷されています。

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モデル名のネーム部分

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スペック表示です

 8番ロッドというと、僕の場合サケやバスに使っていてモルジブにも持って行ったScottは一番よく使う竿の一つです。意外に潰しが効くというか、対象魚が多い番手だったりします。またデカいバスバグを投げるPhillipsonもグラスながら8番です。

 ネットで探ってみるとこの竿に関する情報がありました。#3というライトロッドから#12番までのラインナップになっています。海のビッグゲームのイメージが強いPENNが#3なんてライトラインロッドを作っていたとは思いもしませんでした。
 9フィート8番というと海フライのライトタックルの定番ですが、湖で使っていた8番ロッドでシーバスを狙ってみようか、という流用の場合も多いかと思います。このシリーズも淡水用の低番手がありますが、そこはさすがにPENN。この8番と9番、12番は海用モデルとしての装備になっています。
 高番手に向くとされるフルウェルズ(先端・真ん中・後端が膨らんでいる形)のグリップ。竿尻をお腹に当ててファイトするためのエクステンションバット。サビに強いブラックアルマイトのリールシート。重いリールをがっちり固定する2重のスクリューリングなどですね。

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リングが2ケありますよね。

 PENNが海用のフライロッドを作っているのは知っていたのですが、日本国内に正規輸入、販売チャネルがあってもフライロッドまで取り扱いしているとは思ってもみませんでした。

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このステッカーがあるってことは国内の問屋さん経由で販売されてるってこと?

 軽く振った感触は意外と柔らかく、ちゃんと胴から曲がる感じです。海用とか高番手となると風を切ってロングキャストすることを意識した先調子のものが多いのですが、好みの竿の予感がします。
 質実剛健、多少重くったって壊れないイメージのアメリカンタックル、しかもそのシンボル的存在のPENNですので重量が気になるところですが、4 5/8ozとタグに表記されているので約130gです。持っただけの感触としては割と軽いです。重いゴツいという印象はあまりありません。

 驚いたのは竿だけではありません。相方のリールも頂いたのですが、TENRYUの海用リールFates SW-3(本来はローマ数字表記)です。

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ハンドル側

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プレート側

 このリールはすでに生産中止だと思います。CAPSから販売されているAMPEX SK-SWシリーズのOEM製品のようですが、2006年末時点ではSK-4SWのみとなっていて、これより1サイズ小さいようです。調べてみるとラインキャパがWF8F+120yd(100m,20lb)となっていました。

 このリールは魚が走って糸を出されてもハンドルが逆回転しないアンチリバースになっています。どうやらAMPEX SK-4SWと同じ仕組みのようで、ワンウェイベアリングを使っているのか、ハンドルに力を入れるとダイレクトリールのようにスプールに力が掛かり、ハンドルを放すとスプールが逆転するデュアルモード機構になっていて、アンチリバースと、ダイレクトドライブの良いとこどりと説明されています。

 現在ではスピニングリールやベイトキャスティングリールでは当たり前過ぎて、逆にダイレクトリールの方が新鮮ですが、フライリールではアンチリバースは稀です。それは機構が複雑になる分、どうしてもリール自重が重くなるからでしょう。従って急激に走る魚を対象としていない限り避けられる傾向があるようです。実際僕のBilly Pate Tarponも重い…。

 このラインキャパだと海用フライリールとしては小さい部類といえます。このサイズでアンチリバース機構付きというのはあまり聞きません。8番クラスのターゲットでジェットランを繰り出す魚といえば、やはりボーフィッシュですかねぇ。
 こう考えると山口さんは一体何を釣ろうと思ってこのタックルを揃えたのだろうと気になってきます。頂いたこのリールをくるくる回しながら眺めているとボーンフィッシュいっとけよ!と囁いているような気がしてくるんです。

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