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お地蔵さまと再び
精進湖へ行ってきました

秋の風情となかなか厳しいへらぶなに夢中になっちゃう

2007-10-06

 お地蔵さまからお誘いを頂きまして、今年3度め、お地蔵さまとは2度めとなる精進湖へへらぶな釣りに行ってきました。

 自宅を3時30分頃出発し、首都高→中央道を走っていきます。途中コンビニに寄ったりして出船場所となるニューあかいけに待ち合わせ時刻の5時30分頃到着しました。
 店の前にお地蔵さまの車を発見します。少しお待たせしてしまったかも知れません。ご挨拶をすると二人の口から出たのは寒いですね~のひとこと。途中の気温表示盤では8℃となっていました。前回は夏の暑さを逃れて…と目論んでいたのですが、今回はもう冬の入り口といった感があります。高地の湖は季節の進行が早いのですね。

 さて店内に入り、入漁料・ボート代の3,000円を支払って作戦会議です。釣れているポイントをお店の方に聞くと黒岩ロープとの返事でした。お地蔵さまが事前に仕入れた情報では21尺の底か15尺いっぱいが良いとのことです。
 秋はタナ(泳層)を釣れとの格言があります。9尺から15尺までは2尺間隔で持っていますので、いろいろ探ってみたいと思います。長い竿は持ってないのでタナが深くないといいなぁ。

秋はタナ(泳層)を釣れ

 次第に涼しくなっていく秋は、夏に暖められていた湖水が水面付近から冷やされていきます。
 お風呂でお馴染みの冷たい水は沈み、暖かい水が上がる対流現象が起きるので、水面付近から下へ向けて少しずつ水が入れ替わります。もっと冷えるとドンドン深いところまで水の入れ替わりを繰り返していき、湖全体が対流するように全体の水温が下がっていきます。これを陸水学でターンオーバーと言います。
 従って秋の湖は同じ深さでも頻繁に温度が変わるのです。当然魚は快適な水温を求めて泳ぐ層を上へ下へと変えるため、秋はタナ(泳層)を釣れと言われるのです。
 この他水温だけでなく溶存酸素の少ない、いわゆる死んだ水が大きく動くことも考慮する必要がありますが、ここでは置いときます。
 先人の格言というのは経験から生まれたのでしょうが、科学的に分析するとちゃんと根拠があったりします。面白いですね。

毎度おなじみ精進湖ポイントマップ
map
出典:ダイワ 今月の釣り
浜田 優さんが勧める・夏の山上湖・精進湖のヘラブナ釣り

 先週の丸沼釣行の後、お地蔵さま達が行かれた翌日の菅沼釣行の様子など、またもやのんびりとお話しして出船となりました。
 湖面には靄が立っていてなんとも幻想的な雰囲気。気温が下がっていく秋なんだねぇと実感します。

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ボート乗り場から出船前の景色

 ざっと見渡すと他のお客さんが乗ったボートの数が2艘程度でしょうか。今日も前回と同じように朝一番はフライフィッシングでブラックバスと遊んでみようと思います。ボートに乗る前にフライロッドを準備していると、隣で出船準備をされていたおじいさんがこれは何号くらいの糸なのかね?と話し掛けてきます。
 これはフライフィッシングって言って、変わった糸なんですよと答えると『おお、これアラスカでやったことあるぞ。川でサケを釣った』と仰います。聞くと『南米やロタ島などにも行って釣りをした、体が動かなくなったので最近はへらぶな釣りばっかり。もう83歳になったしね』と笑ってます。
 「お若いですねぇ、お元気ですねぇ」と話すと『戦争は海軍に居たからね』とギコギコとボートを漕いで行ってしまいました。

 さて遅れて僕も出船です。今回は#5ロッドを使ってマジックミノーを使ってみます。空気抵抗の少ないフライですのでライトタックルで充分です。

マジックミノー用タックル

 出船したらまずはゴロゴロと岩場のあるところや浅くなっているところに向かいます。あまり障害物にブチ込むようにするとマジックミノーは引っ掛かってしまいます。広くアピールして惹き付けることができるのが、このフライの強みです。投げたらポカッと浮かべて待って、すーっと大きく引っ張って、また待ちます。これの繰り返しです。
 ところが、浮島、中の湖各ロープの岸際に入ってみますが、反応がありません。結局チビギルが1回つついただけでした。う~む。精進湖のバスはあまりお好みではないのかな?

 ポイントまでの行きがけの駄賃であまり粘っても仕方が無いし、もう7時を回ったので、黒岩ロープのお地蔵さまの右隣にボートを固定します。正面はちょうどゴザンゲの鼻にあたります。

こんな感じ
釣り座からの景色

 釣況を参考に15尺の竿を取り出します。仕掛けは道糸1号、ウキはリコーサーバンス社製さみだれシリーズのPCトップ深宙用11号です。ハリはガマカツ改良ヤラズの7号、ハリスを0.4号35-50cmとして、穂先からウキ1本半くらいの位置にウキをセットするチョウチンで始めます。
 事前に仕掛けを作っておけば良いのですが、最近は時間が取れなかったので湖上でのんびり仕掛けを作ります。管理釣り場と違ってたっぷり時間を掛けても勿体無い気がしない、のんびり行こうや、という気分になれるのが、野釣りならではでしょうか。

 お地蔵さまは18尺の竿で竿先からは1mほど空けてウキが付いています。ちょうど15尺いっぱいと同じくらいのタナになっています。様子はどうです?と尋ねるといいですよ、ウキが少しサワッてなじんでいき、なじみきる辺りでアタリが出ますねとのこと。
 いい感じですねぇと二人で期待にワクワクしていると、早速お地蔵さまが本日初のへらぶなを釣り上げます。おめでとうございます~。

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お地蔵さま、本日第1号ゲット(7時23分)

 さて、僕もあまりのんびりしていられません。仕掛け作りを終えたらえさを作ります。今回は雑誌に載っていたチョウチン用ブレンドでやってみます。天々:ガッテン:バラケマッハを2:2:1で混ぜて、水1(単位は100cc)で作ります。これまで使ってきたえさとの比較も注目したいと思います。
 ようやく準備ができたら期待を込めて第1投です。フライで随分時間を使ってしまったので、へらぶな釣り開始は8時前でした。

 15尺の竿を扱うのは初めてなので、えさ打ちは落とし込みでやってみます。なかなか振込みが難しいなぁと感じ始めた3投めに、なじんでいくウキにサワリが出ます。お!もう寄ってきたか?と思うと、なじみきった辺りでいきなりウキがドスン!と消し込みました。慌ててアワセるとぎゅん!とへらが竿を絞ります。
 え~!まだ3投めだよ~!いきなり来ちゃった~と竿を立てると、竿の中程で持ち上げる感覚があります。やっぱり竿が長いとヒキが楽しいです。水面に浮かせてきたへらぶなは小さいながらも朝の光で銀色に光る美形でした。

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第1号が釣れました(8時3分)

 これは幸先が良いわい、今日は一体何枚釣れるのかな?などと取らぬ狸の皮算用を始めてしまいました。だって数投後には2枚めが、またもやなじみきった辺りでウキを消し込んでくれたのですから。

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2枚めゲット!今日は絶好調?(8時9分)

 ところが次第に旗色が悪くなってきます。ウキがなかなかなじんでいかなくなってきたので、結構寄ってきたのかな?と、えさを少し練って粘りを出してなじむようにします。するとなじみきった辺りのアタリが出なくなってきました。ウキもフワフワと動くだけで、ツン!と鋭い良いアタリが出ません。
 もうちょっとアタリがしっかり出るように…へらのタナを凝縮するように…とハリスを35-40cmと詰めてみると、ハリス交換に要した時間のせいか、魚っけが少なくなってしまいました。
 え~?もう散っちゃった?魚が多すぎると思ったのにもういなくなっちゃうわけ?えさの切れ目が縁の切れ目なんてそれはあまりに薄情じゃない?

 せっせとえさを打ち直してなんとかへらを寄せようとするも、やはりサワリ自体が少ないです。ときおりモヤッと動くものの魚がごっそりいなくなった感じです。朝一番のサービスタイムが終わったか?
 なんとか3枚めを釣ったのは1時間以上経った頃でした。ようやくサワリが出てきたかな?と思った時に、なじみきった辺りでツン!ときました。

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ようやく3枚め。なんか翻弄されてる…(9時32分)

 この後も続きません。えさをブラ下げてしまうと良いアタリが出ないので、落ちていくものに反応するだけのようです。魚に元気が無いのでしょうか。
 ハリスを35-50cmに戻すと、えさを打ち続けるとどうにかサワリは続きますが、食いアタリがなかなか出ないという状況です。お地蔵さまもポツポツを竿を絞る感じで、小規模な群れが回ってくるときだけ釣れるといった感じでしょうか。
 えさは2ボウル打ったところで天々がなくなってしまいました。代わりに特Sを使って特S:ガッテン:バラケマッハを2:2:1で混ぜて水1で作ってみました。特に大きな違いがあるような感じはしませんでした。

 10時過ぎにニューあかいけのお兄ちゃんがボートに乗ってお弁当を届けてくれました。どうですか?釣れてますか?と聞いてきたのでダメです。3枚くらいしか釣れてませんと答えるとえ?と驚いてました。しかし聞くと周りの人もあまり釣れていないとのこと。う~む、我々だけじゃないみたいね…。

 11時半になろうかという頃、お地蔵さまが一足先に昼食にされました。ここは僕が頑張ってえさを打ってへらの足を止めねば…と思い始めた途端、ようやく4枚めが釣れました。
 このへらは今日初めてウキがなじんで返ってくる際にツン!と落としたヤツでした。お地蔵さまも今のは良いアタリでしたねと声を掛けてくれましたが、もしかしたらお地蔵さまが寄せていたへらがこっちに回ってきたのかな?と思うと、ちょっと申し訳ないっす。

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お地蔵さまに回して頂いちゃった?4枚め(11時34分)

 とはいえだからと言って釣れ続くわけではなく、モヤモヤと動くもののスパッとキレのあるアタリは一向に出ません。魚が回ってきた時にやる気のあるヤツだけ食ってくることがある?程度なのかなという印象です。風が北から吹いてやや肌寒いくらいになってきました。極端に気温が下がって食い気が落ちている…という程でもないと思うのですが。

 正午頃、お地蔵さまが昼食を終えて釣りを再開されました。今度は入れ替わりで僕がお昼ゴハンにします。釣り座までお弁当を運んでくれるニューあかいけのサービスがありがたいです。これまで飲まず食わずで釣り続けることがほとんどだったので(笑)。

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ニューあかいけのお弁当。いただきま~す

 湖上に浮かび、鳥の声を聞きながらのんびりと食べるお弁当は何故にこんなに旨いのでしょう。へらぶな釣り入門以来、初めて真っ当なお昼ゴハンを食べました。いつも夢中になって目を三角に吊り上げて釣りしてたんじゃなかろうか?やっぱりこうじゃなくっちゃね、と満足したお腹がやさしく諭してくれるようでした(笑)。
 心にゆとりができたせいでしょうか、釣り再開後は3投めくらいにサワリが出て、すぐに5枚めが釣れました。

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5枚め。お腹と心が満たされると釣りも充実してくる?(12時23分)

 しかし小規模な群れがやってきて、その中のヤル気のあるヤツが初めに釣れるという展開だと考えると後が続かないかも…?魚が居なくならないようドンドンえさを打ち込むのですが、慣れない15尺の竿では右へ左へ行ってしまいます。
 ドンドンえさを打っていくと特Sがなくなってしまいました。仕方がないのでGTSで代用します。GTS:ガッテン:バラケマッハを2:2:1で混ぜて水1を入れて作ります。この日はカラツンになるほどツン!と引き込むアタリが出ないので、ここでもこのえさのブレンドの違いは実感できませんでした。
 なんとかサワリが途切れないように苦労しているうちに、ウキがなじんでから返ってくるアタリが出始めて、短時間に続けて2枚釣れました。

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ようやくなじんで返すタイミングでアタった6枚め(12時55分)

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これで波に乗れるか?と思った7枚め(12時59分)

 しかしやはり後が続きません。どうしてもフワフワとウキが動くだけで食った!と思えるようなアタリが出ません。ポツポツと拾っていくペースのままです。お地蔵さまはサワリも少ないと仰っているので、ホントに回遊待ちの状態なのかも知れません。

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8枚めは30分程後(13時35分)

 ときおり思い出したように釣れる時があります。ちょうど14時頃パタパタと2枚釣ることができました。こちらもウキがなじんで返ってくる時のアタリでした。午前中とは少し傾向が変わったのかな?とも思ったのですが、ペースは相変わらずです。
 この日の気象条件は、風が午前中、左の北西から吹き、午後になって右側の南からに変わりました。時折正面からや後ろからと結構コロコロと向きが変わっていました。太陽はほぼ雲に隠れ、お昼前に少し照ったくらいとあまり日が射す時間は多くありませんでした。後からお地蔵さまから伺ったところ、水温は終始19℃、昼過ぎに19.9℃まで上がったけどほとんど変わらなかったとのことでした。

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第9号が釣れました(13時58分)

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第10号が釣れました(14時3分)

 この後やはりアタリが遠のきます。回遊待ちの釣りってこんな感じなのかも知れません。それでもお地蔵さまが調子いいじゃないですか?と声を掛けて下さった良い部類の時間帯でした。後から写真と撮った時間からみると、決して絶好調という程ではありません。それほどまとまって釣れる感じが少なかったのでした。

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11枚め。銀色のヒレピン。キズもない男前でした(14時18分)

 この後サワリさえも少なくなってしまいました。残り時間を考えると、数を伸ばすためには何か大きな変更が必要です。ここで9尺とか11尺と短い竿に替えて、ウキの下に見える黒い影を狙ってみるか…と悩みました。う~んどうしよう。
 とりあえず15時まで様子を見てみよう、とそのまま釣り続けて15時になる頃、ツン!とウキが入って12枚めのへらが釣れました。これでまた決断が揺れる…。精進湖のへらって肝心な時に釣れてくるのよねぇ、やっぱ意地悪だ(笑)。

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決断の悩ましき12枚め(15時6分)

 結局浅いタナでは風に流されて釣り難いだろう、と短竿への変更はやめました。今日は15尺を一日使って慣れよう、今後もっと長い竿を使うこともあるだろうからと決めました。
 とはいえ釣果の方は伸びません。次第に夕暮れになってくる16時前に本日最後となる13枚めを釣ったきりで、夕マズメのサービスタイムも何もなし。厳しい終盤戦になってしまいました。

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13枚め。2つ見えるキズは反対側にも(15時55分)

 7枚めと13枚めのへらは2箇所のキズがありました。しかも身体の両側に。それを見てもしかしたら鳥にやられたんじゃないか?と思いました。ちょうど鳥が魚体を掴んで付いたキズでは?でもそれなら爪の鋭い猛禽ってことになる…それはないか?う~ん謎です。

 この後ほぼ1時間、サワリはポツポツあるのですが、ストン!と落とすアタリが遠いまま、終了時間の17時となりましたので今日の釣りはアガリとします。今日の釣果は13枚でした。いや~なかなか厳しかった。でも厳しくても結局それはそれでやっぱり夢中になっちゃいます。楽しかった。

 残ったえさをバラ撒くとコイが水面にバシャバシャとやってきます。釣行記のネタに…とボート際までやってくるコイの写真を撮ったりしているうちに、後片付けに出遅れてしまいました。夕暮れが迫る中、エッチラオッチラ漕いで陸に上がると、やっぱり身体が固まっていました(笑)。

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ボート際まで寄ってくるコイ。えさの付いた指まで舐めちゃう

 舟からあがった後は、ニューあかいけの喫茶コーナーでお地蔵さまとこの日の総括です。お店の人に話を聞くと、他のお客さんも全体的に低調だったとのこと。一方昨日は70枚を筆頭に60,40枚と釣ったとか。お客さんが3人だけだった、と言ってましたがその3人で170枚とは…昨日来れば良かったね、というのはよくあるハナシです。
 大釣りの後なのでへらぶなが警戒しちゃったのかも?食い渋った時の対応策というのが今後の課題ですね。

 お店からコーヒーをご馳走になって、へらぶなに限らず釣り談義です。特にこれからはお地蔵さまの本職(?)とも言える湖のフライフィッシングが良いシーズンになりますし、先週丸沼で少し試してみたBSの釣りについても気付いたことを色々質問したりして、とても勉強になりました。お地蔵さまに弟子入りしてBSの釣りをやってみたいなぁと話に華が咲くうちに、気付くと19時になっていました。
 この日はコレにて終了です。お地蔵さまがまたもう1回くらい精進湖に来たいなぁとおっしゃっていたので、その時はぜひご一緒させてくださいと話して解散したのでした。

この日の感想

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