忘れ物にうっかりミス。湖のフライはまだロクに釣りになりません
お地蔵さまからお誘いを頂きまして、ffmediaの取材班の一員に加えてもらって丸沼へ釣行してきました。
夜中の東北道はときおり強い雨が降って気温も低く、いろは坂は霧に包まれ走行注意でした。この分では丸沼も随分寒いんだろうなぁ…と思いながら、環湖荘へ着いたのが5時半頃でした。4時30分から5時を目安に…とのことだったのですが、すっかり遅刻してしまいました。
脇の湖畔亭で入漁料とボート代金を支払い、釣りの近況を伺うと、産卵も近づいてきてワカサギなどの小魚を追いかけているようなので、小魚をイメージした釣りが良いんじゃないか?とのことでした。
準備を始めると今回の主力と考えていた#6ロッドが無い!忘れた~!やっちまった!#5ロッド1本で頑張るしかありません。トホホ…。
空を仰ぐと雲が多いし気温も低いから…とカッパと長靴を着込んでボート乗り場へ荷物を運びます。
出船場所の両側には立ち込んでいるフライフィッシャーが結構居ます。邪魔しないようにまっすぐ沖合に出て周辺を見回してみると、立木のポイントに4~5艘ほどのボートが浮いています。その中の1艘に近づいていくと、釣り人は石橋さんでした。
ご挨拶と遅くなったお詫びをして、状況を聞いてみます。今日の参加メンバーは石橋さん、お地蔵さま、佐伯さん、野沢さんの4人です。お地蔵さまが開始早々の2投め!に55cmの大物を釣り、野沢さんがブラウントラウトを釣ったそうです。やはり出遅れは頂けませんね。
石橋さんと話している内にアンカーの積み忘れに気が付いたのですが丸沼はアンカーの貸し出しが無いと教わりました。自前アンカーの持参はアタマっから考えてませんでした。重要な忘れ物その2!です。またやっちまったか…。
南からの風が吹いているので牛舎跡あたりから風に流されながらストリーマーを引っ張ることにしました。ラインはシューティングヘッドのタイプ2をセットし、フライは小魚っぽいの…と探して、まずはパーソンズグローリーを結びます。
魚がパシャッと跳ねるのがときおり見えます。しかし虫を追いかけて食べているわけではなさそうで、気まぐれにジャンプしているだけ、という感じです。
スコッチポーチャー、レッドセッターなどNZスタイルのストリーマーを引いてみるけど一向にあたりが来ません。ウーリーバガーに代えてみても反応は芳しくありません。
悪いことは続くもので、シューティングヘッド接続用の附属ブレイデッドループが解けています。おいおい、いい加減な作りになってたのかい?仕方が無いので直接結んで応急処置とします。
ダムを過ぎてシラバ下あたりにくると、小さい魚のようですがライズがあります。これまでよりもまとまった感じです。水面をよ~く観察してみると、すごく小さい虫が浮いているのが分かりました。フックサイズにして#20くらいか?ミッジじゃん。手に取って改めて見てみると、これがまたエラいこと小さい。
すっごい小さな虫が浮いているんです
静かな湖面を目を凝らしてみると、虫だかゴミだか分からないくらいですが、しばらく待ってみると、やはりこの虫を食っているようです。
そこで5xティペットを2ftほど継ぎ足して#20サイズのミッジフライを結び、ライズのあった辺り、小さい虫が2匹浮いている間に投げてみます。ポカンと浮かべてじ~っと待つと魚がパシッと出てきました。慌ててあわせると薄々懸念していた通りのウグイくんでした。
11時過ぎになってせっかく丸沼まできたことだし、少しBSを試してみようと思いつきます。ゆっくりラインをたぐって湖底の様子を探るBSにはアンカーを使ってボートを固定することが必須です。そこで船を流してラインを引っ張ってみようと考えました。仮に名前を付けるならドラッギング型BSってトコでしょうか。
これなら底が取れるかな?というほどラインを出してみて、ボートを回転させて風に乗せます。ラインにブルブルブルと連続して感触があるので底を引っ掻いているのかな?
ボートのポジションが風上側に回ったところで、さて引っ張るか…とラインを見たら、何だかありえない方向に伸びています。あれ?もしや…?あ!やっちまった!ラインがスクリューに絡んでいる!さっきのブルブルはスクリューに巻き込んだ感触だったかぁ~!
ボートから身を乗り出してエレキに絡んだラインを解こうとすると落水の危険があるので、一旦陸にあがることにしました。オールを積んでおいて正解でした。哀しいけど。
一旦あがって確認すると、プロペラを外さないとラインが取れないほど強烈に絡まっています。プロペラを外すにはマイナスドライバーが必要なようで、車の車載工具の中から持ってきて試してみたところ、ネジのサイズに合いません。ダメか…。
他のメンバーの方々も陸に上がってきてアレコレと見てくれましたが、ネジをナメてしまいそうなので復旧を諦め、この後は手漕ぎで釣りをすることにしました。
時間もちょうどお昼頃なので、湖畔亭でお昼ゴハンにします。お昼の後、環湖荘の前庭のベンチでコーヒーを頂きながら皆さんと雑談で盛り上がります。後から思えばこのひとときが一番楽しかったかも…。
午後の釣りの前に野沢さんからパラシュートアンカーをお借りしました。ありがとうございました。
午後の作戦としては
1.とにかくハーリングしながら風上となるダム方向へと漕いでいく
2.パラアンカーでボートを流しながらストリーマーをキャスト&リトリーブ
というシンプルな方法でいきます。
シューティングヘッドのシステムはトラブル続きでなくなってしまったので、タイプ2のフルラインを繋ぎ、ウーリーバガーを結んでえっちらおっちら漕いでいきます。
ハーリングの場合はゆっくり漕ぐくらいで良いとどこかで聞いていたので、のんびり風景を眺めながら、午前中は通らなかった西岸側を通ります。
東電放水口はぽっかりと空いているのが見えましたから、結構減水しているのでしょう。何事も起こらず無事に午前中トラブルのあったあたりまで辿り着いてしまいました。
ここから風に流されて戻りながらストリーマーを引っ張る釣りを…とパラシュートアンカーを投入しますが、風が止まってしまい、ほとんど流されません。
それならこのまま…とキャスト&リトリーブで釣りを続けますが、空しくフライが帰ってくるのみでアタリもさっぱりありませんでした。
何事もないままあっという間に16時になってしまいました。辺りには霧が出てきて雰囲気が変わってきましたが、日が落ちてしまうと大変なことになりそうなので、ここからハーリングして戻っていくことにしました。
一発大物が出ないかな?と思って、フライを赤のラビットファーマツーカにしたのですが、ここでハタと気付きました。
ハーリングで流すラインの長さの理想って知らないんですが、タイプ2のフルラインを全部、すなわちバッキングラインが水に浸かるまで出して流していたのです。
すると30mとかラインが出ているワケです。この長さでボートをゆっくり漕げば、手でリトリーブするような動きのメリハリって出ないでしょう。出ているラインが衝撃を吸収するのですから。
しかしラビットファーってストップとリトリーブのメリハリでゆらめくから効くのであって…。こりゃマズいんじゃないかい?
ハーリングの際に有効なフライってどんなモノなんでしょうね?まず頭に浮かんだのはグレイゴーストでした。
名作グレイゴースト。タイイング下手過ぎ…
イエローストーンに行った際、ガイドの河合さんにグレイゴーストってシャンク長過ぎないっすか?って聞いた時、ハーリング用ですからと教わりました。6xや8xといったロングシャンクはハーリング用なんだな…と漠然と思っていました。
一方で、以前朝霞ガーデンでデカいニジマスだけ獲りたくてストリーマーを色々試したことがありました。その時ミッキーフィンやブラックノーズデイスといったロングシャンクのファーウィングストリーマーは手でリトリーブするとストップした時にフの字みたいになって見向きもされませんでした。
ロングシャンクのフックではベンド部分が重くて尻下がりに沈み、一方でウイングは水の抵抗を受けて浮き気味になります。フックとウイングの一体感が無くってこれでは釣れないよと思っていました。
もしかしてこれらは一定のスピードで引っ張り続けるハーリング向きのフライなの?それならフの字型になりにくいよね?そうか!
グレイゴーストはフェザーを挟み込む形で作るから、一体感が損なわれないんですね。なるほど。
今日はエレキと違ってオールで漕ぐから少しはストップの瞬間もできるでしょう。それならフの字になりにくそうなスプルースだ!とティペットに結んで、いざボート乗り場へ漕ぎ出します。
6xロングシャンクのフックに巻いたスプルース
とはいえやっぱりハナから釣れるなんて思っていません。のんびり漕いでそろそろボート乗り場に着く頃になると、水深が浅いためやがて根掛かりするだろう、そしたら終了だと安直に岸に近づいていきます。
案の定リールがビャー!と逆回転して、根掛かりしたね。終了だと竿をアオってリールを巻き始めたら、糸の沖でビョン!と大きな魚がジャンプしました。この姿を見てえ?掛かってたの?と気付いたのでした。
ダメかと思いつつリールを巻いてくると何か感触ある!まだ居る?と思った途端にプツッと糸が切れるような感触が手に伝わってきました。あ~やっぱダメか。
思い返せばブレーキがユルユルでしたので、ロクなあわせが出来てなかったのでしょう。
結局17時過ぎに終了です。ボートから荷物を引き上げるのも、野沢さんやお地蔵さまに手伝って頂きました。ありがとうございました。
環湖荘の駐車場で終了間際の顛末を話したりしてしばし談笑。みなさんは翌日菅沼での釣りが控えています。今日だけの僕は、お世話になった皆さんにお礼を述べて帰途に着きました。
ロッドやアンカーを忘れたりして、ちゃんと丸沼を釣ったと言えない釣行ですが、初めて来てこれからご縁が出来ていくのかな?という気がします。
あれだけ魚がドッサリ居る朝霞ガーデンで見向きもされなかったスプルースが、あまり魚が残ってなさそうな丸沼で、ハーリングの基本も知らないヤツの操船に当たったので、ロングシャンクのストリーマーってハーリングで使ってナンボじゃないの?という疑問がムクムクとアタマをもたげてきました。なんか宿題を貰っちゃったような気がしながら丸沼を後にしたのでした。
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