麻布の釣り堀衆楽園に行ってきました
10月19日は会社の創立記念日で午後が半休になりました。昨年は市ヶ谷FCに行ってきたので、今年もまた都心部の釣り堀に出かけます。
目星を付けたのは麻布にある衆楽園です。以前雑誌ボーバーで見掛けて以来気になっていたのです。都心の住宅地の中にあるので、散歩の達人にも取り上げられるなど散歩マニアにも知られた存在だとか。
仕事の終わった午後からのんびり出掛けていきます。お散歩日和の良い天気です。スタートは外国人が普通に歩くお洒落な街の玄関口、地下鉄日比谷線広尾駅です。
広尾駅の改札口の脇に神戸屋キッチンというパン屋さんがあったので、お昼ゴハンにパンを購入します。交差点を折れテクテク歩くと有栖川宮記念公園が見えてきました。
有栖川宮記念公園の脇の南部坂を登り、交差点を右に折れてフィンランド大使館の方へ向かうと、電信柱に看板が出ています。あら?意外と有名?
看板の通りフィンランド大使館とパキスタン大使館の間の交差点を左に曲がると本村小学校の前を通ります。学校の先の下り坂は奴坂と言うそうです。
この奴坂の途中に右に曲がる道があります。ここの電信柱にも看板が出ていました。これなら道に迷いません。
まぁ本当になんてことない狭い路地の突き当たりにありました。
入ってみるとほんとに小さい池なんです。こんなところでよくやってるなぁというのが率直な感想です。
先行者は2人。受付小屋の前でお爺さんと子供が釣りをしています。ホイ、ごめんよと後ろを通ると子供があ。会社員が来たとズイブンなご挨拶(笑)です。まぁ確かにコッチはネクタイ背広姿ですからねぇ。
到着は13時30分でした。営業終了が16時なので受付小屋にいたおかみさんに3時間のお代と貸し竿の料金を払います。
どこにします?と聞かれたので先行二人の邪魔にならない対岸へと進むと、おかみさんが座布団を持ってきてくれました。
まずは通勤鞄の中に仕込んできたグラウンドシートを広げて上着の置き場所を確保します。さらに糸やハリなどを入れた道具箱、計量カップ50cc、ジップロックに入れてきたえさ、小さいタオルを取り出します。
座布団に座り込んだら、まずは何をさておきお昼ゴハンです。
食べてる途中でお爺さんと子供は帰っていき、静かになった池での、秋晴れの下の外ゴハンは格別です。すっかり平らげたらのんびり釣りの準備に取り掛かります。
竿と竿掛けです
竿は貸し竿の5尺程度のもの。もうちょっと長いものもありましたが、少し風があるので竿先とウキに間が空かない方が良いかとこの長さにしました。この池は底釣り専門池なのです。
仕掛けはあらかじめ竿に付いていましたが、道糸は絶対2号はあるというゴツいもの。ハリスは30cm程度の一本バリでしたので、道具箱から仕掛け巻きを取り出して、しばし待機願います。
それから仕掛け作りに取り掛かりました。道糸0.8号、ハリス0.4号30-35cmくらい(メジャーが無いので)、ハリは上下とも改良ヤラズ4号、ウキはリコーサーバンス社のさみだれハイテクトップ底釣り用12号です。
えさはダンゴの底釣り夏:ダンゴの底釣り冬:バラケマッハ:水を50cc:50cc:50cc:50ccで作ります。あらかじめ3種の粉を混ぜてジップロックにいれて持って来ました。
底取りゴムで底をとると、水深は1.5m程度でハリス分だけバカが出るイメージです。前後左右に大きな水深の変化はありません。
えさを打ち始める頃に次のお客さんがやってきました。男性二人に女性一人。二十代前半だと思います。おや?へら釣り場には珍しい。
小さなデザイン事務所のメンバーがちょっと息抜き、といった風情かな?
肝心の釣りはというと、もうえさを打ち始めるやいなやワキワキでした。糸ズレが激しくアタリなんか分からない。ウキが立たないことしばしばです。もっと大きいウキ持ってこれれば…と言ったところです。
ハリスを詰めて25-30cmくらいにしますが、もう根本的にオモリの重さが足りませんでした。糸ズレと思われるものは全部捨てて、小さく鋭いアタリにのみ絞ってあわせますが、宙釣りばかりをやってたのでついつい大きいアタリをあわせてしまいます。
良いアタリかな?と思ってあわせるとカラツン。ズラシ幅を探り、えさを柔らかくしていきますが、これはもはやへらの口にえさが入っているかさえあやしいものです。
ようやく釣れた初物は小さく1節カチッと入ったアタリを取りました。引っ掻かないようドキドキしながらあわせ、口に掛かっているかどうかは寄せてくるまで半信半疑でした。
サイズは5~6寸といったところ。デカいへらが揃う昨今の管理釣り場に慣れた人間には、お目に掛かるのも珍しい可愛いへらでした。
相変わらず糸ズレはおさまらず、前後にえさを打ち分けるなどしても焼け石に水状態です。振り切ってなんとなく沖に集めておく程度がなんとかできるコトでしょうか。こういう釣り堀にはある意味特殊なノウハウが必要ですね。
終わり間近にきた3枚めは食い走りでした。右に左に走ったのでスレかな?とも思ったのですが、ちゃんと口に掛かってました(脇だけど)。
太陽が傾き、日陰になると風が冷たく感じられるようになってきました。16時になって終了です。道具を片付けて出ようとすると、最後におかみさんが80円割引券をくれました。
帰りは有栖川宮記念公園の中を通って帰りました。
最後に広尾の駅に近いお洒落なカフェーの2階のデッキでコーヒーなぞ頂きました。店内の半分くらいは外国人のお客さんで、楽しげに談笑していました。
そんな風景を見ていると却って日本の文化なんてなコトを考えたりします。例えば衆楽園には極軟の和竿5尺5本継ぎ(仕舞寸法30cm)を通勤鞄に入れて持ってくるといいかな?なんて発想は、落語に出てくる江戸時代の大店の身代を潰す若旦那と同じです。
こうした家人の目をくらませて遊ぶ道具に粋なものをという道楽が、漆仕事に贅と技を凝らした工芸品と呼ばれるような江戸和竿の誕生・発展に寄与したのです。
そんなこんなで来年の遊びのアイディアを考えながら、秋晴れの空に釣瓶落としの夕日が落ちていきました。
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