館山湾でキスを狙ってみました
2010年2月に購入したカヤックで釣りをしようとアレコレ考えてみました。
これまで行ったことのないところ、やったことのない釣りがいいなぁと思い、海に持ち出すことを思いつきました。波の無い穏やかな海は無いか?と探したところ、白羽の矢を立てたのは鏡ヶ浦の別名を持つ館山湾でした。
館山湾の南側は洲崎まで半島が伸びているため夏の南風を遮ってくれるのではないか?との予想と、大学生の頃行った実験実習場の近くで釣りをやってみたいという思いが昔からあったことからの選定です。というわけで行ってきたのは坂田(ばんだ)海岸です。
道中の館山・北条海岸にある釣具店でエサや小物を購入し、いざ坂田海岸へ到着してみると風も波も無く、極めて穏やかな、海カヤック初進水には打ってつけな日和です。
早速カヤックを膨らませ、釣りの支度を整えます。今日の本命はキスです。竿は1.8mのキス専用竿、リールはダイワのセルテート2500、道糸はPE0.8号、先糸にフロロカーボン2号を2m繋ぎ、小型片テンにチョイ投げキス用仕掛けを接続したお手軽仕掛けです。オモリはナス型8号を付けました。船の上で仕掛けを作るのはタイヘンそうなので、陸でしっかり作っておきました。
その他に端物用の竿、クーラーボックス、防水バッグなど海へ出てから忘れ物に気付くようでは、快適な釣りはおぼつきません。しっかり確認したら、砂浜から出航します。
漕ぎ出してみると、シートの位置がおかしかったらしく、随分と前よりになっています。いったん陸に上がってシートを付け直したら、船の後ろになってちょうど良いのですが、前後が逆な気がする…。まぁいいや、この方が快適なんだから、と沖へ出て行くと、波も無く非常に快適です。
しばらく沖に出て行っても、10m近くあるんじゃないか?という底が見えます。偏光サングラスを掛けていたから、というせいもあるでしょうが、南房までくると水も綺麗で気分が良くなります。こりゃあ鼻歌の一つも出るってぇモンで、口をついて出たのはトコホイ節(スイスイ節だったかも?)。東京水産大学に伝わる(伝わっていた?)昔の歌で、まぁド阿呆な歌でございます。
♪館山湾の昼寝の夢はよ~(トコホイ)
港娘の惚れた夢さ~(スイスイ)
♪嫌じゃありませんか、上陸禁止ね~(トコホイ)
これも誰ゆえ、貴女(あなた)ゆえさ~(スイスイ)
♪命惜しけりゃ水産大をやめなよ~(トコホイ)
どうせ一度は鱶(フカ)のエサさ~(スイスイ)
♪女人禁制の水産大の庭によ~(トコホイ)
誰が植えたか除虫(女中)菊さ~(スイスイ)
何かもっとあったような、歌詞もイイカゲンな、順番もバラバラな気がします。卒業してから10年以上も経っているのでちゃんと思い出せません。まぁ酔って歌うようなものですから、そんなモンです。合唱部OBの後輩にちゃんと聞いとくか。
真面目に船のインプレをすると、インフレータブル(空気膨張式)カヤックですので船体が柔らかいため、波を切るのでは無く、波の上に乗っている感覚が強いです。船体にぶつかる感触さえ無いので相当な波でも来ない限り、およそひっくり返る気がしません。ただ細かい小さい波でも船体で感じますので、船に慣れていない人には酔いやすいかも知れません。
沖に出てきて、そろそろ釣りをやってみるか?とお手製パラシュートアンカーを投入します。これはいらなくなった傘をバラして急遽作ったもの。キス釣りであればゆっくり流すのがベストですので、ぜひ欲しいとでっち上げたものです。
いざ投入してみると、なんかゆっくり流れているような気がします。あまり風が無いので効き方が良く分かりません。これくらいの方が釣りには最適、とえさのジャリメを付けて投入します。
水深はおおよそ15m程度といったところでしょうか。黒く見えるところは沈み根なんだろう、と黒くないところを探して投入すると、ハリに藻が掛かってきます。
オモリはもうちょっと軽くても良いみたい?とナス型5号に変え、少し投げてサビいてくると、プルプルと小気味良い感触が伝わります。お!きたきた!とリールを巻き、碧い海から上がってきたのは…、
キスの居るところはどこだろう…?と船を流しながら、探っていきます。時折思い出したようにアタリが出て、魚が掛かってくるのですが、一向に本命のキスが釣れません。
キタマクラが釣れました
次第に風が吹くようになってきました。夏のお約束の南風です。この辺りは南側が陸になるので、陸から沖に向かって風が吹きます。陸である程度遮ってくれているのでしょうが、どんどん流されてしまいます。パラシュートアンカーが無かったら釣りにならなかったかも知れません。ここへきて効果を実感できました。
出航した砂浜は海水浴場だったようで、9時から営業を開始?ライフセーバーのアナウンスが聞こえてきました。次第に海水浴客も増えてきたようで、南風に乗って楽しげな声が聞こえてきました。
一旦岸の海水浴場に近いところまで漕いでゆき、パラシュートアンカーを投入して沖へ流されながらの釣りを繰り返します。浜の左右をウロウロして、できるだけ広くキスの居場所を探るのですが、一向にキスの姿は見当たりません。
オハグロベラが何匹が釣れたのみで、本命は芳しくありません。お昼近くになって日射しも強くなり、次第に疲れを感じてきました。こうなると楽しくないので一旦陸に上がって休憩するか?と陸の方を見やると、ジンベイザメを模したおもちゃ(空気を入れて浮き輪代わりにするのかな)が流れてきました。誰かが流してしまったんだろう。丁度いいや、これ届けてあげよう、と回収し、陸へ向かいます。
陸へ戻ってきたら、浜はすっかり子供達の遊び場でした。昼だととてもカヤックを出す雰囲気じゃなかったですね。
ちょうど上陸してライフセーバーの監視小屋におもちゃを届けたのが12時頃でした。とても暑いし、再び沖に出るのも躊躇われたので、今日の釣りはここまでと終了しました。
帰り道の途中、館山の街外れでコイン洗車場を見つけました。海水で濡れたカヤックをそのままにしておくと、カビが生えたりするかも知れないよ、とエノさんに教わっていたので、これ幸いと飛び込んで、カヤックを洗ってしまいました。普段は洗車だってロクにしないので、コイン洗車場初体験がカヤックになろうとは…(笑)
残念ながらキスの釣果には恵まれませんでしたが、海への初進水は海況に恵まれて上々でした。カヤックで釣りの際のアレコレも色々と気付く点もあって、収穫は大きかったです。今度は違う場所に持っていって、さらに快適に大漁を、と目論んでおります。
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