トップ釣行記

スミイカを釣ってみよう

冬の江戸前の味を追って

2014-01-03

 以前よりスミイカ(標準和名:コウイカ)を釣ってみたいと思っていました。昔から東京湾の釣りものとして知られ、シャコをテンヤに縛り付けて、底でしゃくるとガツン!と重さが伝わる釣り方は、近年では船が減ったものの、未だに根強いファンがいる、と聞きます。

 職場の上司にこの釣りが好きな人がいて、何度か話を聞いていましたし、テレビや雑誌でも見かけてやってみたいなと思っていました。そんな折、去る11月16日のハゼ釣行の前に、シマノの幻波スミイカS240という、今となっては旧モデルなのですが、スミイカテンヤ竿の在庫処分の新品を出物で見つけて購入してしまいました。
 と、いうのも、テンヤを力強くしゃくるこの釣りでは、かなり硬い先調子の竿を使うので流用が難しい、さりとて先行投資は…と逡巡していたところだったので、これ幸いと入手したのであります。
 それ以来、スミイカ釣りに行こうとチャンスを窺っていたのですが、結局年が明けてしまいました。年末年始のお休みを利用し、満を持しての初挑戦と相成りました。

 船は職場の上司に紹介してもらった金沢八景のあさなぎ丸です。
 無事に船宿に到着すると、マダイのお客さんが多いです。お正月の初釣りをマダイで…と考える方が多いのでしょうか?
 スミイカお願いします、と料金を払って、25号のスミイカテンヤを購入します。釣り座は右舷の胴の間。操舵室の脇です。沖釣りというとなぜかここが多いんですよね…何でだろ?あまり気にしないで、釣り座を決めたら、後でエラい目に遭うのでした。

 乗船して準備を始めます。竿はシマノの幻波スミイカS240、リールはABUのアンバサダー6000C3、道糸はPE2号、先糸にフロロ4号を1.5m、テンヤから35cmの位置にトリプルサルカン。枝素を15cm出してスッテ2.5号を繋いで、先端のスミイカテンヤは25号です。

 えさのシャコが配られて、船は桟橋を離れて出船します。良い天気に恵まれて、東京湾を走ります。

シーパラ?
いかにもここは八景です

良い天気に恵まれました
晴天快晴、静穏無風です

 釣り場がどの辺りだったのかはよく分からないのですが、結構走って船がスピードを落とします。この時にシャコを海水に漬けておくのを忘れていたことに気が付きました。なんだか瀕死の状態?しまったなぁ。
 とにかく雑誌で調べた通り、キッチンバサミで爪を切って、尾鰭の中央に切り込みを入れ、テンヤの串を目の下まで差込み、輪ゴムでテンヤに固定します。

活シャコは初めて触りました
えさのシャコです

 水深は20m前後です。着底したら、竿先をやや上げて糸を緩めて待ち、5つ数えてシャクリます。糸を張りながらゆっくり落として底に着いたら、また繰り返しです。

 延々これを繰り返すのですが、どうにもイカが乗りません。左右のお客さんは順調に釣るのですが、僕にはさっぱりです。

 左右のお客さんはテンヤを投げて、広く探っているようです。僕も少々投げて広く探ってみます。先糸を少し詰めて投げやすくして、下手で投げるのですが、アンバサダーのスプールの回転に若干の不満が…。チューンしないとイカンかな?意外とスピニングリールを使っているお客さんが多い理由が分かってきました。

 この日は微風ながら風向きが北でした。そうするとスパンカーを立てているため、船首が北を向きます。右舷の胴の間、操舵室横の釣り座だと西に向かい、背中は操舵室ですので、日差しが当たらず、昼過ぎまでとても寒い思いをしました。今度は日の当たるところにしようっと。

 体も寒いが、釣果も寒く、全く釣れません。どうやったら釣れるんだろう?左右のお客さんとの違いは何だろう?テンヤの色を変えたり、スッテの色を変えたりしているうちに、ゴッ!とかすった感触がありました。船長がすぐ落として!と声を掛けてくれたので、慌てて底にテンヤを落とします。
 すると2シャクリほどでまたもや重さが伝わります。ところがこれもかすっただけ。イカは貪欲にシャコを追っているようです。3度めもかすって、4度めにようやくイカが乗りました。

 イカのジェット噴射の感触を確認しながら巻き上げると、船長がタモですくってくれました。みるとデカいカミナリイカ(モンゴウイカ)でした。記念撮影をしてもらって、思い切ってイカを掴み、バケツの中へ入れようとすると、墨を吐かれました。墨は間一髪、顔を逸れて海の中へ。危なかった~。

あまりよく分からん写真だ
カミナリイカ釣れました

 それにしても3度もかすって、なお追ってくるとは…侮りがたしカミナリイカ。

 これで調子に乗るかと思ったのですが、なかなか後が続きません。終了間近に本命のスミイカが1ハイだけ乗ってくれました。こちらは一発でハリ掛かりしたので安心でした。

 結局、カミナリイカとスミイカが1ハイずつの釣果でした。トップは12ハイ。左に2席の右舷大ドモのお客さんだと思います。左隣のお客さんは9ハイと言ってました。やっぱり差が出る釣り物だなぁ。

大小です
デカいカミナリイカに小さいスミイカ

 食べっぷりのあるカミナリイカが釣れたので、2日にわたって食卓を賑わせてくれました。

刺身ドーン!
3日の晩ご飯

 お品書きは、スミイカとカミナリイカ刺身、イカゲソとしめじのガーリック炒め、切干大根(しめじ入り)、ハゼ焼き干し出汁のお雑煮、買ってきたお惣菜のえびとレンコンの煮物です。
 早速スミイカとカミナリイカの刺身を食べ比べしました。大きな差は無いような感じです。共通して言えるのはトロッとムッチリで甘みがありました。幸せな味がするとは彼女の言です。
 イカゲソとしめじのガーリック炒めはパンチのある味。ゲソがぷりっとしていて素敵な食感、旨かったです。

祭りじゃー!
5日の晩ご飯

 5日は天麩羅祭りにしました。お品書きは、カミナリイカとスミイカのイカ天、春菊、舞茸、レンコン、サツマイモの野菜天、そしてカミナリイカとスミイカで作った塩辛、です。
 あさなぎ丸のサイトによれば江戸前の寿司、天麩羅にはスミイカを使うとのこと。これぞ正調イカ天と呼べるお味は抜群!でした。
 たっぷりの天麩羅で満腹満足。まだゲソとエンペラが残っているので、冷凍保存してあります。これはイカ墨パスタでも作ってみるかな…。

 食味を追った釣りも非常に楽しいです。今年もまた美味しい魚をたくさん釣って、いい思いをたくさんしたいものです。

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