一目惚れしたロードホッパー
以前から憧れていたあるバイクをふと思い出しました。ゼロエンジニアリングのロードホッパーです。
ロードホッパーがデビューしたのは2003年のこと。その頃、僕は30歳になったし、ハーレーへの憧れを現実にするためにと自動二輪免許の限定解除をした直後でした。バイク雑誌に載っていたロードホッパーの写真を見た時、すっげぇコレ欲しいと心奪われたのです。
とはいえ高額なバイクで先立つものもありません。世間ではバイクガレージも少なく、ハーレーの盗難が酷い時代でしたので、ローンを組んでホイっと買うなどできませんでした。
限定解除したものの、衝動的にミニトレGT80(ヤマハ)を買い、2年足らずで整備怠りにより乗らなくなってしまいました。それから10数年バイクから離れ、車に乗って釣りに行きまくっていたのは、当サイトの釣行記の通りです(笑)。
2017年になってレンタルバイクの存在を知り、3月から月に一度のペースでバイクに乗るようになると、色んなバイクに興味が出てきます。そんな8月24日、群馬へイワナを釣りに車で関越道を走っていると、2台のロードホッパーが走っていました。おぉ!珍しい!初めて見た!恰好良い!と見惚れていたのですが、高速のICを降りたガソリンスタンドで給油しているところを偶然再発見して、後を追いかけて入ってしまいました(笑)。給油中、オーナーさんにこれ、ゼロのロードホッパーですよね?と聞くのがやっとで、マジマジと見せて貰いました。眼福眼福。
その後、2017年8月末にロードホッパーは生産終了になったことを知りました。排ガス規制を乗り越えても、ウワサされるABS義務化や様々な規制が想定されるため、もう作らない(作れない)のです。
そうなると、あれほど憧れていたバイクに一度でいいから乗ってみたい、どんなバイクか知りたい…とモヤモヤした気持ちが湧き上がってきます。このままではとても成仏できない!と、春日部市にあるディーラーページワンへ行ってきました。
国道沿いの大きな看板を何度となく見ていたことから、春日部にロードホッパー取扱店があることは以前から知っていましたし、先述のバイクにページワンのステッカーが貼ってあったのも見つけていました。店への道中にバイク用品店でヘルメットと冬用グローブを急遽(笑)購入し、いざ。
飛び込みで訪れ、すみませ~ん、ロードホッパーの取扱店と聞いて来たんですけど…と訊ねたら、お店の方が親切に対応してくれて、アレコレと話を聞かせて頂きました。試乗できますと言われて、お願いします!とType5 EVOに試乗させて貰いました。店頭在庫が残ってる今のうちに試乗だけでも…とやってきて良かったです。10数年の想いが遂げられました。
説明の時点でエンジン音はいわゆる3拍子ではないですと聞いていた通り、至って普通のVツインの音で、やや軽めにさえ聞こえます。ハーレーの3拍子って昔の重いフライホイール(だったかな?)を回しているせいで起きるんだとか。軽いものを使ってスムーズに回すのが内燃機関の正常進化ですから、新しいエンジンでは似た感じを出すことはできても再現は不可だそうです。ま、僕は3拍子に拘りません。
スロットルを軽く煽ってもマフラーからの排気音は静かで僕好みです。オープンプライマリーから乾いたカシャカシャ音が混じって、昔のレプリカの乾式クラッチみたいで不思議な感じがします。
試乗は先導して貰って店舗の周りをくるっと約5分程度です。
デビュー以来ずっと憧れてたバイクは今まで乗ったどんなバイクにも似ていませんでしたが、走り出した途端にニヤついて口をついて出たのがオトナのオモチャだ、これ!
敷地を出て左に曲がろうとした時に、やけにハンドルが重いと驚きました。前タイヤが太いからだとピンとくる重さで、ハンドルをコジって曲がってはダメなバイクなんだと気付きました。写真で見る通り、このバイクは前後ともタイヤの幅が広く、厚みがあるのが特徴です。これはサスペンション(衝撃吸収装置)が無い、あるいは発達していない時代の特徴を反映しています。
そして後輪のサスペンションが無いフレーム(リジッドと呼びます)も特徴で、道路の凸凹はよりライダーに伝わりますが、実際に走ってみると閉口するほどではありません。それほど恐る恐るスロットルを開けてゆっくりトコトコと走っていた(笑)ワケですが、道路の凸凹を拾って細かく跳ねる挙動が自転車に似ていて面白いんです。革シートが滑ってお尻がすぐにずれるのはご愛敬です。
交差点では下手ほどハンドルをコジって曲がってしまいます。曲がる基本はグイッと体重移動して車体を傾けて、スロットルを開いて車体を起こすなんですが、このバイクはそういう本来の乗り方をしないと楽しくない気がします。
というのも交差点で歩行者が向こうから歩いてきたので、ジリジリ動いて後ろを大回りしてしまいました。ルール・マナー的に良くないのはもちろんなのですが、やるべきは、結構手前でハンドルを切らずに車体をまっすぐ立てたままキチンと停まって待つこと。で、歩行者が居なくなったことを確認したら、ポンと発車して、すぐさま車体を傾けてグイッと曲がる。当たり前のコトを当たり前にやらないと不安定だし、気持ちよく乗れない感じがしました。
とにかく交差点の左折が好き(笑)なので、気持ちよい曲がり方ってどんなだ?とアレコレ試してみたのですが掴めませんでした。ハンドル位置、前寄りのステップ、車体の低さ、ホイールベース、タイヤの径や幅…とにかく全ての要素が組み合わさってできているのですから、すぐさま掴めるほど上手ではありません。
リジットゆえの道路を蹴っ飛ばす感は、もうちょっと慣れて大胆にスロットルを開くようにならないと感じられないと思います。特にカーブを抜けて速度をあげながら車体が起きるコツを掴めれば楽しいかも?掴んでみたいなぁ。
上半身のポジションは緩い前傾で違和感のない位置です。ただミラーは腕が映るだけで全く役に立ちませんでした。足は車のような前寄りのステップ位置で、扱いにくいかと思ってましたが、意外とは良好でした。積極的にリアブレーキを使える気がします。
ニュートラルに入りにくかった、というか入れられなかった(笑)し、クラッチレバーも重かったです。これは個体差もあるでしょうし、調整できるはずです。
正直その個性に面食らった感で終了となりましたが、手に負えない感じはなく、慣れるとすごく好みのバイクという予感がしました(^_^)
リアサスの無いリジットなのでギャップでケツが跳ねるのはロードホッパーの名の通りでした。後ろに人を乗せちゃいけない、乗せられない。
量を積めない小さいキャリアは荷崩れしそうだし、タンク容量は少ないし、過去3回ギックリしたコトがある腰には優しくなさそうだし、ツーリングばかりの僕には一番縁遠い一台なんです。正直カッコに惚れただけでこんな高額なバイクに手を出していいワケがありません(笑)
やっぱりカッコいい
でも乗ったら乗ったで欲しくなるのが人の情ってモンで…欲しいなぁコレ。あぁどうしよう?
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