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へらパックロッド製作記

バイクでへらぶな釣りはできるのか?

2018-12-28~

その1

はじめに

 2018年12月8日に三和新池にへらぶな釣りの月例会に行きました。帰り際、事務所前に停まっていたイントルーダー(スズキ)に見惚れていると、池のご主人がやってきてエンジンを掛けたのです。そこでご主人とへ声を掛けて、バイク話と相成ったのですが、今度はバイクでお越し下さいとお誘いを頂きました。ところが、へらぶな釣りは道具が多いこともさることながら、竿と竿掛けの仕舞寸法が長いのが特徴で、長物を積むのに苦労するバイクとは相性が悪いのです。

 へら竿には竿作りの定法と言ってよいフォーマットがあります。並継、2本仕舞、仕舞寸法およそ4尺未満です。
 長さの違う数本の竿を持ち歩く(水深に合わせて竿の長さを替える)ため、竿ケースに入る仕舞寸法でなくてはいけません。そして仕舞も幅が広がらない(竿ケースにたくさん入れられる)ように、竿の中に仕舞える並継、2本仕舞(3本の場合もあり)とするのが一番機能的なのです。

 この仕舞寸法が一番の問題です。バイクに積載する以上、2尺(約60cm)以内、できれば尺半(約45cm)が理想です。これさえ叶えられれば並継中仕舞でなくても良いくらいです。
 悪い癖でどうやったらバイクでへらぶな釣りが実現できるかな…?へら竿のパックロッドってできないものか?と考え始めちゃったのです(笑)

運命の邂逅

 そんな2018年も押し詰まってきた12月27日のこと。フラッと神田駅前のサクラのショールームに寄ってみたのです。もしかしたら面白い竿があるかもね~なんて思っていたら、これがあるじゃないですか!

買っちゃいました
江戸川 グラス小継 3.15m

 サクラのへら竿といえば江戸川です。これのグラスファイバー竿で3.15m(約10尺5寸)なのに8本継という異色の竿です。
 サクラのショールームの店長に相談したら、小継のへら竿って無いねぇ。継ぎが多いと調子を出しにくいんですよ。そこにあるのが最後の一本だよと言われて、その日はふ~ん。やっぱり無いんだねぇと、スルーしたのですが、やっぱり気になって、結局翌日28日、仕事納めの早アガリの帰り道に買ってしまいました。最後の一本(長く売れ残ってた?)だけに割引してもらって17,000円だったかな?

 本調子と呼ばれるペロンとした極端な胴調子です。反発力の少ないグラスファイバーでこの柔らかさは、大きい魚が掛かると上がってこなくて大変なコトになっちゃうのが容易に想像できます。

 前掲写真の脇にあるのは竿掛けで長さが約1m(一本物)です。比較すると分かりやすいのですが、仕舞寸法が約50cmとバイクへの積載も容易だと思います。しかしながらこの竿掛けも短いものでないと積載できません。もう一つ言えば玉の柄も同様です。竿だけあってもすぐバイクでゴー!とはいかないのですが、一番難しいと思われた竿が手に入った以上、どうにかなりそうな気がしてきました(苦笑)。

運命?の邂逅2

 バイクでへらぶな釣りを意識し始めると、普段何気なく見ているヤフーオークションも少し見る目が変わってきます。変なアンテナが立っちゃうんですね(笑)
 フライロッドのカテゴリーに古いパックロッドが出品されていました。開始価格は1円!老舗で知られたキラクが相当昔に作ったと思われる8フィート4番指定の6本継ぎ!という、平成末期でもなかなかお目に掛かれないスペックの竿です。

分かります?
出典時写真を拝借

 この写真をよーく見ると…並継なんですよ。おそらくへら竿の技術(というか在庫?)を使ったんじゃないか?とさえ思われます。古式ゆかしき…といえばそれまでですが、こんな竿、行っとくしかありません。バラしてガイドを外したら2本(あるいは3本)仕舞になる可能性のあるフライロッドなんて、今後二度とお目に掛かれないでしょう。先般購入した3.15m(10尺5寸)の江戸川のみならず、釣り場規定最短となる8尺があれば釣りの幅は広がるはずなんです(へら竿としての調子云々は既に考えてません)

 そんなわけで1月6日に落札しました。他に欲しがる人が居るとは思わず、よもやよもやの競りになってしまいましたが、絶対落とす!と頑張った結果、4,374円(税込)、送料が700円なので計5,074円と想定外に高くなってしまいました(苦笑)。

 これで8尺(8フィート)と10尺5寸(3.15m)の二本体制が組めそうです。とにかくはこのフライロッドをバラしてへら竿にデッチ上げたいと思います。そんなこんなで動き出したバイクでへらぶな釣りに行ってみよう!プロジェクトの顛末や如何に。

2019.1.21 追記

素性改め

 1月8日、ヤフオク!で落札した8フィート4番6本継のフライロッドがに到着しました。

やっちゃいました
パールフライ PF-8006(キラク)

 継ぎが多いので硬い竿でなきゃいいなぁ…と不安に思っていましたが、軽く振ってみたところ、思わず笑っちゃいそうな、いかにも古いグラス竿のペロンとした胴調子で、まさにへら竿向きです。情報も無かった昔、先達はこんな竿でフライフィッシングに入門してたのか…そりゃウインドノットができまくって難渋するはずだわ、って思わせる竿です。よっしゃ!目論み通り!

あられもない姿にされて…
右が1,3,5番、左が2,4,6番です。

 目下の気掛かりだった2本仕舞にできそうか?という疑問ですが、早速1番(穂先)の元側を3番の並継口に入れてみると…バッチリ入ります。そのまま5番(元上)もオッケー。同様に2番(穂持)を4番に、そのまま6番(手元)にも入ります。ガイドを外せば2本仕舞もできるじゃん!

 2番(穂持)の挿し込みが折れているかもしれないとの出品者コメントがありましたが、折れた可能性があるのは2番の元側、3番への挿し込みじゃないかしら?でも2本仕舞の竿は穂先と穂持が短いのが普通だから、最初から短かったんじゃなかろうか?とさえ思います。

 フライロッドとして一度は使ってみようかな?と思いましたが、現代では優れたグラスのフライロッドがたくさんありますので、そちらを使った方が断然楽しいはず。色気を出さずにバラしてへら竿に仕立ててみようと思います。

その2へ続く

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