トップ釣行記

富士山を目の前に据えて
へらぶなを釣ってみたい

へらぶな釣りではイイ出会いに恵まれています

2007-09-22

 昨日は念願の忍野デビューを果たしたのですが、せっかくここまで来たので、もうちょっと足を伸ばしてみたいと思います。

 さる8月18日にお地蔵さまと精進湖へ行き、楽しいへらぶな野釣りデビューを果たすことができました。唯一の心残りは、この日の曇りで富士山を見ることができなかったことです。
 やはり精進湖まで行けば富士山を見たいなぁと思うのが人情というもので、できればどーん!と目の前に富士山が広がり、湖面に映った姿に向けて竿を振り込むような爽快な景色の中でへらぶな釣りをしたいと思うようになりました。

 そこで精進湖と富士山の位置を改めて調べてみると、天神ロープの沖向きに釣り座を構えると、希望通り富士山を眺めながら釣りができるのではないか?と思い、爽快な景色を求めて再び精進湖に挑戦しました。

調査の結果
無断転載ですみません
出典:ダイワ 今月の釣り
浜田 優さんが勧める・夏の山上湖・精進湖のヘラブナ釣り
より加工

 精進湖畔の船宿ふじみ荘に宿泊し、22日の朝5時、宿の前に出てみると、まさに富士山が眼前に広がり朝焼けにぼんやりと浮かぶ絶景です。わざわざ下調べをしてやって来た甲斐があったとしみじみ思う景色です。

これを見たかった
ふじみ荘から出船前の富士山

 朝の5時から朝食と聞いていたので起き出してきたのですが、館内は真っ暗です。どうやら宿の人が寝坊したようです。玄関ロビーに居た三重県桑名からお越しの同宿の方が声を掛けてくれたので話をしたら、あまりに遅いので電話して起こしたとのことでした。ボートも貸しているし釣客がよく来る宿のハズなのにねぇ。

 この同宿の方、結局最後までお名前を伺うことが無かったのですが、一緒に朝食を頂きながら話を聞くと、21日もへらぶな釣りをしたとのことです。昨日の釣況はレーク下ロープに入り18尺竿で17枚だったけど、隣に入った人が12尺のチョウチンで70枚を上げていたので、意外と浅いタナがいいみたいと教えてくれました。
 僕と同様に富士山を眺めつつ釣りを…と考えておられたそうですが、実際やってみると富士山が東南向きなので逆光になってウキが見難い、しかも昨日は東南からの風だったので向かい風になって釣り難かったとのことでした。しまったぁ!コンタクトレンズを忘れたので偏光サングラスが使えない!逆光はどうにもならないなぁ。

 結局この同宿の方と一緒に出船しました。6時過ぎと出遅れたのでポイントはどうかな…?と思っていたら、他の釣り客は一人だけでしたので、レーク下ロープに入りました。土曜日にも関わらず空いているんですね。多分例会組は確実にお休みが取れる日曜か休日の月曜に来るのでしょう。精進湖に行くなら土曜日に限りますね。
 岸に向かってボートを付けると、正面の湖岸に黄色い看板のようなもの?があります。ちょうどそこが昨日70枚釣った人が入ったところだよ。頑張って70枚釣ってねと教えてくれます。70枚なんてこれまで釣ったことがないので、そこまでは無理ですよと話しつつ、準備を始めます。

 富士山がちょうど背後にある角度になりましたが、お昼を過ぎると順光になるでしょう。それまで富士山はお預けかな?と振り返ると、雲に覆われて頭が少し出ているだけでした。夕方には良い景色になっていることを期待して、まずは岸に向かって釣り開始です。

 竿は11尺で、ウキを竿先からウキ1本分のところにつけたチョウチン釣りで始めます。このウキがちょっと大きいかな?と思うリコーサーバンス社製さみだれシリーズのPCトップ深宙用11号です。多分このウキは15尺くらいの水深でちょうどいいくらいじゃないでしょうか?もう1~2サイズ小さいくらいがいいのかも?

 道糸0.8号、ハリス0.4号30-35cmとし、ハリはカイト5号です。このハリはちょっと小さいかも知れません。まずはやってみて調整することにして、えさを天々:水を3:1、後からバラケマッハを1で締めたもの(単位は100cc)で作って始めます。同宿の方が昨日釣った人も天々を使ってましたよ。柔らかく粘る小さいエサがイイって言ってましたとのことです。うむ。これで良さそうだ。

 釣りを始めたのは6時30分頃になっていたでしょうか。同宿の方は長竿の深宙で…とのことで21尺を継いでいます。コイがいますよ。えさを貰えると思って居ついているんですねと言われて、ボートの周りを覗き込むと、60cmはゆうにあろうかという立派なコイがウヨウヨと泳いでいます。時には8匹も群れになっています。やっぱりココにもいるんですねぇ。
 同宿の方が作ったえさをコイにあげて遊んでいる間に、お先に~とえさを振り込むと3投めでウキがモヤッと動きます。おぉ早いなぁ~。
 ところがなかなかサワリが出ません。10投くらいして再びサワリが出始めた後、ウキをスポッと沈めたのはブルーギルくんでした。なんだ、キミはお呼びじゃないのよ、と写真も撮らずリリースします。

 へらはまだ寄ってないのかなぁ?と続けて振り込むと、ツッ!と分かり易いアタリが出ました。ギュンと竿を絞ってくれたのは本日の第1号のへらぶなくんでした。

キミに会いに来たのよ
本日の第1号!(6:55)

 この後、連続ヒットで7時9分に2枚、7時12分に3枚めと釣るのですが、その後アタリがとまってしまいます。モヤモヤというサワリどころか、ウキが1目盛りしか馴染まないのです。
 ウキが馴染まないということは…?
 1.えさが落ちていく途中でへらぶなにつつかれてえさがなくなる。
 2.ウキが大き過ぎる。
 のどちらかだろうと思い、まずはウキが大き過ぎると仮定してハリを大きくしてえさを大きく付けられるようにすることにしました。改良ヤラズの6号に替えます。魚をもっと誘えるようにハリスも40-55cmと長くしてみました。

 この変更でウキのなじみが出るようになりましたが、時折なじむことがある程度の改善にしかなりませんでした。これはどうやら上記2条件のどちらか(or)、ではなくどちらも(and)だったか…と思い、ハリスを詰めて行くことにしました。30-40cmに変更し、23-30cmにまでしたところで、ようやく分かり易いアタリが出るようになりました。ふ~。ここまでの試行錯誤で1時間以上も費やしてしまいました。

ようやくです
ようやく釣れた4枚め(8:24)

 しかしこの後もハッキリしたアタリが出ません。太陽が出て水中が見えるようになると、へらぶなが浅いところでウヨウヨ泳ぐさまが黒い影になっているのが見えます。どうやらへらぶなはごっつ元気みたい。上へ上へと集まってきてるやんか…とこれまでの見立てが大外しだったことを悟ります。
 えさを天々+特Sにして重さと粘りで持たせるなど、さらに1時間ほど頑張ったのですが、どうしても上にいるへらぶなにえさを落とされてしまう…とチョウチンに見切りを付けることにしました。

 結局ウキをリコーサーバンスさみだれシリーズのハイテクトップ 浅ダナ用9号に変更し、ウキ下を1.5mくらいにします。上ずり上等!最後はカッツケまで行ったるわい!と覚悟を決めました。
 するとスポッ!と沈むアタリが出て、9時20分に5枚めのへらを釣ると、9時53分に6枚め、9時58分に7枚め、10時10分に8枚め、連続ヒットで10時13分に9枚めと断然ペースが上がりました。やはり浅いタナの方が釣り易いのかなぁ?

調子いい
本日2度目の連続ヒットだった9枚め(10:13)

 同宿の方とあれこれ話していたのですが、これらの浅いタナでの魚の方が型が良かったです。色が黒い旧ベラが多く、何度か釣られているのでしょう。9枚めの写真にあるように尾鰭が擦り切れて丸くなっているものが多かったです。これは多分例会でフラシに入れられて擦り切れているのではないかと思います。

 ここで竿を9尺に替えることにしました。時折風が吹くことがあって、竿先からウキまでの距離が長いと道糸が風に流されて弛んでしまうのです。あわせにくいし水を切る音も大きくなって耳障りになってきました。
 この機会に魚に揉まれてウキのナジミが少なくなってきたのでハリスを18-25cmと短くします。ウキ下も約70cmと浅くして、ウキをリコーサーバンスさみだれシリーズのハイテクトップ 浅ダナ用8号に替えます。この仕掛けで10時50分に10枚め、10時59分に11枚めを釣りました。

漕ぎ着けた
ようやくツ抜け…の10枚め(10:50)

 さらにウキ下を浅く…と、40cm程度まで浅くしてカッツケ釣りにします。へらぶなが水面にまで湧いてくるかな~と思ってえさを振り込むと、ボートの周りで泳いでいたコイがウキに向かってダッシュしていきます。ヤバい!エサ食うなよ?!と言った途端、ウキがズボッ!と消し込まれ、竿がギュン!と根元から曲げられます。
 やられた~!と言いながら、両手でグリップを握って竿をまっすぐにしないよう目一杯曲げてやると、プツっとハリスが切れてくれました。あぁ良かった。
 もう少しウキ下を深くしないとコイが食うかな?と50cmくらいにしても、再びコイにやられてしまいました。やっぱり70cmくらいは必要なようです。

 結局ウキ下を1mくらいにして再度ハリスを結び直します。少しずつウキ下を浅くして70cmくらいにしてカッツケ用ウキにしたり、えさをガッテン単品にしたりしてあれこれとやってみるのですが、またもや1時間近く釣れない時間帯ができてしまいました。

 お昼近くになった11時45分頃、同宿の方がお昼ごはんはどうされます?と尋ねてきたので、出船時はひとまず陸にあがろうかと思っていたんですけどね~と返事をした途端、ウキがツン!と入って12枚めが釣れてきました。こうなるとお昼ごはんも放り出して釣りに集中!になってしまいます。
 13枚めが11時55分、14枚めが12時12分と釣れ続いて、お昼ごはんは…もういいかな?と思い始めるとアタリが出なくなってしまいます。
 やっぱりお昼ごはん食べに陸にあがろうかな?と再び思い始めた12時47分に15枚めが釣れます。いやいややっぱりここは釣りで…と思うと、13時37分の16枚めまでさっぱり釣れません。精進湖のへらぶなは意地悪なヤツばっかりかいな?

どうしよ
16枚め。お昼ごはんと釣りの両者で心が揺れる時間帯(13:37)

 14時にはお隣の同宿の方がアガリの時間ということで、一足先にアガリベラを釣って片付けを始めました。最初21尺の長竿の深宙で初めておられましたが、型がイマイチで、えさが落ちていく途中で落とされてしまうと言ってました。
 午後から12尺の浅ダナに切り替え、1時間10枚ペースで20枚ほど釣っていました。午後の2時間だけで1日半分のヘラを釣った感じと笑っておられました。
 午後の釣れっぷりと精進湖の静かな雰囲気が良かったのか、初めてのボート釣りとのことですが、大変気に入ったご様子です。この後の用事を済ませて明日には帰らなきゃいけないけど、車が壊れたとか言って明日の日曜日も居続けちゃおうかな?とご満悦でした。
 三重県の桑名といえば揖斐川・木曽川の近くで一番愛知県に近い所です。とはいえ精進湖までたっぷり300kmくらいはあるでしょうから、行きも帰りも大変です。せっかく遠征にこられて満足して頂けると、精進湖の回し者でもないのに何故か嬉しいものですね。

ご縁が無い…
残念ながら写真もお名前もなし。桑名って焼きハマグリしか知らなかった僕

 さて、同宿の方が帰られた後、すっかり浅いタナの釣りになってしまったので、えさもガッテンの方がいいかな?と思って、ガッテン:水を4:1で作っていたのですが、14時14分に17枚めを釣ったのみで、どうにも芳しくありません。
 この日ずっと、どうにも上ずりがきつくてウキが馴染まず、フワフワするのみで良いアタリがでませんでした。後から思えばこの点を最重要視しなければいけなかったんだと思います。

 ガッテンが軽いようなので、えさを重くして上ずり対策を…とダンゴの底釣り夏を一掴み入れて、水で濡らした手で混ぜ込んでいきます。ガッテンは混ぜ込んでも粘りがある程度のところで止まるようなので、こういう時にちょうどいいですね。
 昨日70枚釣った人が柔らかく粘る小さなエサが良かったという情報を思い出し、粘りでえさを持たせて、柔らかくしてカラツンを防ぐ方向でいきます。アオられる状況で柔らかいえさを使うのはなかなか勇気が要りますが、ガッテンは目一杯練っても芯残りするえさだと聞いていますので、思い切ったヤワネバにもっていきます。

 するとこれがハマったのか、断然ペースが上がります。14時52分の18枚めを皮切りに13時34分までで26枚めとする9枚のへらを釣ることができました。なんだ、最初から情報通りやっておけばいいんじゃん。

いいヒキでした
マス風にいうとヒレピンの18枚め。(14:52)

 ところが好事魔多しというヤツで仕掛けが絡まってしまいました。浅いタナでアワセがカラ振りすると、仕掛けが絡まり易いというのはカッツケ釣り入門で身に沁みていたはずなのに…。力が入ると大きくアワセてしまうのですね。
 更に悪いことにコイを掛けたすぐ後にハサミを湖に落としてしまっていたのです。幸い0.8や0.4号という細い糸を使う釣りですから、何とか歯で噛み切って仕掛け作りはできたのですが…最近の糸って強いんですね。歯の方がダメになるかと思いました。
 子供の頃なんかはブチブチ噛み切っていましたが、あれは安物で品質が悪かったからできたのでしょう。40cmのへらぶなを上げてくる強度をまさに体感しました(笑)。

 仕掛けを作り変えて再びえさを打ち始めたのは16時過ぎになっていました。へらが散ってなければいいなぁと思っていたのですが、案の定ウキがなかなか動きません。へらがサワリを出し始めるまで15分くらい掛かったでしょうか。
 ようやくフワフワとサワリが出始めて、スパッ!と沈むアタリを取ると、ギュン!と竿を絞ってくれます。16時22分と1時間近く穴が開いたのですが、何とか追込みを掛けたい27枚めのへらぶなです。

どんどん行けー
ここから最後の追い込みを…の27枚め(16:22)

 再びへらが寄ってからは順調にアタリが出始めました。16時26分に28枚め、16時35分には29枚め、16時38分には連続ヒットで30枚め、16時48分には31枚め、16時51分にはまたもや連続ヒットで32枚めと怒涛の追い上げです。

よし
32枚め。自己記録更新は目前(16:51)

 追い上げてきたのはいいのですが、終了時刻の17時も迫ってきました。ここまできたら自己記録の33枚を更新したいなぁ。焦る気持ちが募るのですが、えさ落ち寸前でスパッと沈む良いアタリが出るもんですから、ジリジリしながら待つのが精神衛生上非常にヨロシクないです(笑)。
 16時56分に33枚めを釣って、時計を見ると17時になってしまいましたが、この時は数え間違いで実は32枚と思っていました。もうちょっともうちょっとと言いながら、自己タイ記録33枚め(と数え間違えていた34枚め)を17時6分、自己新記録34枚め(と数え間違えていた35枚め)を17時9分に釣って、どうにかこうにか漕ぎ付けました。やった~。
 しかし数え間違いがあるとイカン!と思って、念のためアガリベラとしてもう1枚釣って自己記録を2枚更新することにしました。少なく数え間違いをしているとは夢にも思わなかったのです。

 どうにか17時19分に35枚め(と数え間違えていた36枚め)を釣ることができたので、雲に霞む富士山をバックにアガリ1枚の写真を撮って終了です。

雲に霞んで見え難いなぁ…
富士山をバックに記念撮影(17:19)

 終了時間の17時を過ぎてしまいましたので慌てて片付けます。朝6時から飲まず食わずで釣りに没頭してしまいました。富士山を眺めることも動画の撮影もすっかり忘れて何もなし。アツくなり過ぎです。
 よっぽど力が入っていたのでしょうか、ボートから陸に上がると体中の間接がギシギシ言っています(笑)。

 後から写真を整理して実は合計36枚のへらぶなが釣れたと気付きました。序盤に試行錯誤し大外しをした割には終盤追い上げることができて自己記録の更新ができました。よかった。綺麗な富士山も見れたし、満足して帰途に着いたのでした。

今回の感想

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