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加太の船に乗ってマダイ釣りへ

幼い頃のカタキ討ちシリーズ第3弾

2008-09-15

 14日の和歌山チヌルアーの夜が明け、翌15日は和歌山・加太から船に乗ってマダイ釣りに行きます。タイ尽くし(笑)です。
 今回お世話になるのは清海丸。実はこの船長、釣り船がお休みの時にライギョに釣りに行くという趣味をお持ちです。ぜひ詳細を教えて頂きたく、つきましては一度お客として船にお邪魔せねば…という次第です。

 もちろんイヤイヤ乗るわけではなく、むしろ是非にも挑戦しなければならない釣りなのであります。以前6月に和歌山へカヌーを持って釣行した際には、残念ながら強風で釣行できなかったのですが、実は加太のマダイにはそれ以前からの因縁があるのです。 

 あれは小学生の頃。父親が僕と弟を伴って、和歌山・加太へ船釣りに連れて行ってくれたことがあったのです。しかし3人とも船に酔って早々にダウン。ほとんど釣りにならずに上がってしまった悲しい思い出があるのです。
 恐らくこの事実を知っている人は父と僕の他にはいないはず。こんな恥ずかしいコトおくびにも出せやしません。深い記憶の淵に沈めてしまっていました。
 しかしここで白状したのは決意の表れです。もはやあの頃のオレとは違うのであります。

 前夜に武部くんの家に泊めてもらって、集合時刻の朝5時にあわせて15分前に出発します。近い!羨ましい!結局5分くらい遅れてしまったのですが、船長も同じ時刻に着きました。
 乗船したのち船長とのんびり世間話。いつも慌てて出て行くことはなくてゆったりしているらしいです。

 今回の道具は武部くんにおまかせです。竿はダイワのリーディングX****と書いてあるオレンジのものでした。リールもダイワのシーボーグという小型バッテリーの電動リール、ラインはPEの3号が巻いてあるとのことでした。
 仕掛けは船長が準備してくれたもの。7本ハリの胴付き仕掛けです。ハリは小さくてチヌ1号程度でしょうか。ハリスはやや太くてフロロの3~4号くらいじゃないかと思います。長さは矢引き程度。幹糸のハリス間が2mくらいあったんじゃないでしょうか。これに長細く切ったビニールをチョン掛けにします。ウワサに聞いた加太ならではのビニール仕掛けです。

仕掛けの全長は20m近くになります
これがウワサのビニール仕掛け

こんなのに食いついてくるんだね
こんな感じで引っ掛けます

 船は加太の港を出て、淡路島との間にある地の島・沖の島周辺に進みます。この海域は大阪湾の南の出入り口。紀伊半島と淡路島の間に挟まれた紀淡海峡は潮流が速く、タイの好漁場として古くから有名です。
 淡路島は北端の明石海峡・西端の鳴門海峡も潮流が速く、タイで名高い好漁場ばかりです。この海域だけでなく、やっぱ釣りをするなら和歌山やね。僕も住みたい。

船がいっぱい出ています
地の島です

地の島は無人島。沖の島は渡船施設があります
奥に見えるのが沖の島。二つ合わせて友が島と呼びます。

 曇った天候の中、釣り開始です。ハリの数が多いため、仕掛けが絡まないように注意しながら下ろすと水深は約40~50mくらいです。底に付いたらゆっくりリールを巻いて仕掛けを引き上げます。仕掛けの全長が長いため、水深の半分の20mくらい巻き上げたらまた底まで落として巻いてくる、の繰り返しです。コマセ(撒き餌)も使わないシンプルな釣り。船長さんは竿・リールを使わないビシマ仕掛けでやっています。

ビシマ仕掛け

 グミとも呼ばれる。道糸に小さな鉛のオモリを付けたもの。潮の速い海域で使われる。えさに近い部分のオモリを軽くすることができるので、えさを自然に漂わせることができるのが利点。
 リールは使えないので必然的に手釣り。前掲仕掛けの写真で、船べりに竹が見えるのはオモリの付いた糸を手繰る時に引っ掛からないようにするためのもの。
 関東近郊では鴨居や大原などで使われる。このあたりは面白い話がありますよ。

武部くんの釣姿
さぁて釣れるかな?

 開始当初はアジがポツポツと掛かる程度だったのですが、次第にアタリが出てきます。この釣りのポイントはあわせないことです。
 タイがビニールを齧る感触が伝わってきたら、しっかり食いつくまでそのままゆっくりリールを巻き続けるのです。これがなかなかに焦れてしまうのです。
 慌ててあわせてしまってタイに齧られてしまったものの、今度こそ!とアタリが出ると、思わずお願い!食い込んで!ガツン!ときてよ~などとお祈りモードです。ブルブル震える竿先を見た武部くんがまだまだぁ!などと笑って言う中、ついにギュン!と引き絞るヒキがやってきました。
 ゆっくり上げていいからね、じっくり楽しんでとのお言葉に甘えて、出て行く糸もあまり抑えず、たっぷりヒキを堪能してしまいました。18m+仕掛分の水深で掛けたはずなのに、リールのカウンターを見ると23mの表示が。数分やりとりしているのに5mも糸を出されてしまいました。

 いい加減、ちょっと糸を巻かないといけないかな?と思った頃、ようやく魚が浮いてきました。青物(メジロ)じゃない?なんていいながら青い魚体がぎらっと光ってポカッと浮いてきたのは結構なサイズのマダイでした。

71cmありました
やったぁ!

 タイも大きいと捌くのが大変だよね…なんて言ってた後に限って、嬉し困っちゃうサイズが釣れたりするもんです。こんな立派なタイ、家族3人で食べきれないよ、困っちゃうなぁとニコニコしながら言ってました。

 この日は12時前まで釣り続け、40cmくらいの食べ頃のタイをもう1尾追加。丸々と太った美味しそうなアジも釣れました。
 武部くんはアジとハマチを数本。タイは釣れませんでしたが、それもこれも遠来の客に潮上の釣り座を譲ってくれたせい。無事立派なタイを釣って、幼い頃のカタキ討ちが果たせました。ありがとう。

2人の釣果
この日の釣果です

 加太の港に戻ると、船長が生簀から魚をあげて締めてくれました。船長はワイヤーを取り出して神経締めを施してくれます。商売柄ウワサには聞いていた鮮度保持の秘技ですが、実際に見たのは初めて。う~ん、勉強になるなぁ。

船長ありがとうございました
秘奥技!神経締め!

 タイ釣りの後は、船長に同行して頂いてライギョ釣りです。ところが出発する頃から生憎の雨が降り出してしまいました。有望な池を4ヶ所回ってくれたのですが、最初の池で船長に1回バイトがあったのみでした。夏には既に攻められてスレてしまうから今度はGWにおいで。このあたりはいっぱい池があるからと言って頂きました。

 最後に雨が止んだところを見計らって、武部くんと二人で昨晩のルアーでチヌのリベンジです。18時前に到着し、19時過ぎまで頑張ったのですがアタリも無し。ちょうど満潮時で潮の動きが無かったようです。
 大きなタイも釣れたことだし、あまり欲張ってもいけません。充分過ぎるお土産を持って実家への帰途に着いたのでした。

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