幼い日の憧れを胸に和歌山の渓へ
GWは和歌山に遠征しライギョとチヌを狙った後、7日には休日を頂いて渓流でのフライフィッシングにしました。GW後の荒れた状況かも知れませんが、せっかく作ったバンブーロッドをもっと使いたいのです。
大阪に住んでいた頃は車もお金も無かったので渓流釣りは遠く憧れの的でした。これもまた幼い頃の仇討ちにも似た気持ちを胸に秘め、勇躍川へと向かいました。
朝7時に武部くんの家を出発し、入漁券を買ったり、道に迷ったりしながら入渓点に着いたのが9時頃でした。
一昨日から降り続く雨の影響が心配でしたが、水は澄んでいて増水もあまり感じられません。雨の日にバンブーロッドは…と迷いましたが、弱い雨が降ったりやんだりといった具合ですしこの竿を使うために来たんだからと竿を継ぎ、釣りを始めます。
入渓点からの景色です
(横長の写真はクリックすると拡大表示します)
雲というか霧というか、随分低いところにあります
入渓点が見えなくなるくらい釣り上がった頃、最初の魚からのご挨拶がありました。慌ててあわせると手元まで寄せた瞬間、身を翻してハリが外れてしまいました。あれ?今アマゴのパーマークが見えたよ…。ああ、何てこったい。
その後良さそうなポイントを見つけて出そうだね、今度は心の準備を…と思っていたら、パシャと思惑通りに出てくれました。よっしゃ!とあわせて手元に寄せると…あれ?
再び流すと2匹目もカワムツが出てくれて連続ヒットです。ここはカワムツの居場所らしい、と先へ進むと、なかなか次が出てきません。むむ~。
じっくり時間を掛けて釣り上がっていくと、滝が見えてきました。どうやら今日の一番のポイントのようです。一服しながら眺めてどうやって攻めたらいいのだろうか?と思案します。
右岸(向かって左手)の岩盤寄りに流れがあって本流となっています。深くなった滝壺から次第に浅くなる辺りなら魚はとどまってえさを待っていればいいだけの絶好の場所です。本命はココでしょう。真正面(下流)からやや離れて投げればよいのでは?
静かに寄っていくと、サッと魚が走る姿が見えました。影から察するになかなか大きそうです。ポイントと見立てた右岸の深いところから左岸下流の浅い場所まで泳いでいき、すぐに戻っていきました。少し僕に近づく方向ですので驚かせた感じではなさそうです。浅場に旨そうなムシでも見つけたかしら?そうならチャンスタイム?
出るなら一投めに違いないと心の準備をしながら、エルクヘアカディスを真正面に投げて流れにのせてやります。するとすぐにカポッ!とフライが咥えられました。よっしゃ!一発!と大きく合わせるとぐぐっと魚の引きが伝わります。
左右へ大きく泳ぎ回りながら抵抗しますが、流れに乗せて寄せ、ネットですくうとなかなか良いサイズです。覗き込むと朱点を散らした綺麗なアマゴがピチピチと暴れています。やった~!キミに逢いにきたのよ~。
初めて釣ったアマゴはメジャーを忘れたので手を当てて目測すると8寸(24cm)といったところ。全長うんぬんより鮮やかな体色に惹かれて魅入ってしまいます。しばし撮影会となってしまいました。
その後は続かず、滝壺の深いところをニンフで探ったりもしましたが、魚を釣ることはできませんでした。この滝はとても越えていけないので、ここで一旦入渓点まで下り、午前の部の終了とします。いい魚が出てくれたので足取りも軽いモンです。約2時間半掛けてじっくり釣り上がった区間も一気に下れば15分です。
車に戻って遅い昼食を取り、さらに上流を目指します。滝の上にはさらに三段の堰堤があったので、その上から再び川に下りて行きます。
堰堤直上から釣り上がっていきます。が、この区間はカワムツが一匹出ただけで魚が出ません。魚影が薄いのかな?誰かがイジめた後なのかな?とさらに釣り上がっていくと、またも堰堤に行きあたってしまいました。
ここも先ほどの滝と同じようにドコを攻めるべきか一服しながら思案します。右岸(向かって左)側の写真から切れてしまっている岩盤へ向けて流れています。ここにぶつかって流れ出す辺りが勝負!と距離を取って、フライを目立つようにエルクヘアカディス16番に結び直します。
ここだ!と思われる流れに乗るように投げて、ドキドキしながら流すとパシャ!とフライが吸い込まれました。大きく合わせると小さいながらも魚が掛かりました。手元まで引き寄せて取り込もうとすると、あれ?
まだ出ないかな?と投げると、思惑通り出てくれました。あわせると小さい魚だったので、ここもカワムツが溜まっているのか…と思っていたらアマゴでした。良かった~。
この堰堤下はこれにて終了です。さらに上に上がろうかとも思いましたが、次第に堰堤が増えて魚影が薄くなるのかも…?と思い、堰堤下流から道に上がると、釣り上がった区間を3分で下ってしまいました。時計を見ると17時前と暗くなるまで少し時間があります。ちょっと中途半端な時間になってしまったので、風景の撮影など。
もうちょっと釣りができるポイントがないかな?と上流へ向かうと川幅が細くなり、フライを振るには厳しい渓相になってしまいました。それなら帰りがけは?と下流へ向かいます。
遊漁区間の最下流は集落の中を流れています。その最下流の橋の上手から河原に下りていきます。
テクテクと歩きながらフライを投げていきます。少し浅いかな?と思っていると一回パシャッと魚が出てくれました。フッキングしなかったのでアマゴかどうかは分かりませんが。
上流の橋に差し掛かると、水深と流れが出てきて少し良い感じになってきました。
この辺りは結構念入りに流してみたのですが、残念ながら魚が出ることはありませんでした。18時30分になると次第にフライが見えにくくなってきました。あっと言う間に時間が過ぎてしまった感じです。日が暮れる前に川からあがりました。
本命のアマゴは2本だけでしたが別嬪さんに出会えて、ようやく長年の思いを遂げることができました。また機会を作って来たいなぁと、実家に向けて帰路に着きました。
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