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磯のグレ釣りに挑戦してみる

八丈島で磯フカセ釣りに入門

2010-04-18

その2

 いよいよこの日は渡船で八丈小島の磯に渡ります。朝5時半に集合すると、他の宿泊客の皆さんは既に準備万端。慌てて準備を整えて、車に乗って八重根港へと向かいます。
 到着したのは優宝丸という船の前でした。既にたくさんの人が集まっています。ざっと見ても30人くらいはいます。おいおい、ちょっと多過ぎないかい?定員って何人よ…。
 船に荷物を積み込んでアサギクのお兄さんと船長が話しているのを聞いたら、早アガリのお一人さんは…と話してます。あ!それ僕のこと。アサギクのお兄さんから「シモダテ」と言うところになりました。少し歩くかも知れませんと教わりました。全然知らないので初心者向きのところでとお願いしていたので、全てお任せです。

 船が出港するとすぐに波飛沫が掛かってしまいます。昨日からの風はまだ強く、波も少しあります。八丈小島に近づくまでに頭からふんだんにシャワーを浴びてしまいました。
 船は「一の根」から「横瀬」「小地根」「コウダテ」と渡って、どんどんお客さんが降りていきます。他の渡船もあるため、船が付けられそうな場所には既にお客さんが取り付いていっぱいです。

 船内には一人でお越しの人と香港からお越しの5人組と僕が残りました。船長はもう降ろすところがないと言ってシモダテに向かいます。溶岩帯が流れ出して出来たのか、ノコギリの歯のような断崖が並ぶこの場所はまさに映画の上映前の1シーンといった感じ。すごいトコだなぁと思っていると、船長がシモダテは付けられないと言って、人工的に作られた船の揚降用スロープのような場所へ廻します。やっぱり(笑)。

 船長は一人でお越しのお客さんにここ(鳥打港)で降ろすから。シモダテ行ったコトある?と尋ねます。このお客さんがあると答えると、じゃあ気を付けてよ。上がったことが無いと無理だけど、なんとか二人までならやれるから。滑りやすいスロープの左側を通って上がって歩いて行って。まだ潮位が高くて波を被るから、高いところで(潮位が下がるのを)待ってからやって。焦っちゃダメだよ。とやけに丁寧な注意事項を飛ばしてます。

 このお客さんを降ろしてから、僕に向かってお客さんは?と聞いてきます。アサギクの早アガリの初心者一人ですと答えるとココの予定だよ?と言って困惑顔です。
 僕は何考えてんだ?コイツ。早アガリの客に潮が下げるまで待たなきゃできないポイントを割り振るなよ…と思いながら、経験の無い人が行けるところじゃない、ってさっきのお客さんに言ってたでしょ?僕には無理ですからと答えると、台湾からお越しの5人組と一緒に「三十根」(サンジュウネ)で降りることになりました。ホントに降ろすところが無くてシモダテへ行けって言うなら、港へ帰れって言うつもりでした。

 三十根で降りると、台湾からお越しの5人組が早速船着きから磯端に取り付いて、海の様子を見ています。この日は風が海側から島へ向かって強く吹いているので、僕はこの人達の後ろを通っていきなり一番島寄りの風下へ入ります。とにもかくにも風を背に受けられるところへ真っ先に入るのはもはやヘラ師の習性(笑)でもあります。
 海を覗き込んでいる人達を振り返りながら、ここなら右斜め後ろからの風になるけど一番マシ。いいよね?早アガリだからカンベンしてよと釣り座を決めました。

便利な世の中になりましたね
googleの航空写真から作成
(横長の写真はクリックすると拡大表示します)

さてはて
解説するとこうなります

例え沖磯の経験が無くとも…ね
釣り座からの風景

 遠投すれば前方に広がる八丈小島の岸へ向けて流せます。他の人はこの写真の右斜め後ろに並ぶ感じになります。ちょうど僕の足元まで沈み根があるのが見え、ここから右側には見えません。
 案の定と言ったところか、先に準備を終えて釣り始めた右斜め後ろの人は足元狙いですが、当然僕の足元までしか流せません。

 ゆっくり準備を整えます。竿はダイワのリバティクラブ磯風2号5.3mという入門用の安価なものを購入しました。リールは同じくダイワのTD-X 3000iA SaltWater3000番。普段シーバスやシイラに使っているものです。もちろんレバーブレーキなどありません。
 道糸はVARIVASVermax磯ストロングタイプ5号。多分100mも巻けていません。ハリスはダイワのディーフロンアルファ5号2ヒロ。ハリはオーナーのカットグレ9号。ウキはSZMブランドの磯響Type2。オモリ負荷Bを選びました。ウキ下は約3ヒロで始めます。

 沈み根の周りに魚を集めるようにマキエを撒きながら、5投くらいしたところでウキがすーっと沈んでいきます。あわせようと竿を上げた瞬間、ガツン!と衝撃が伝わって糸が走り出します。同時にドラグがビャー!と音を出し、あ!ドラグ設定忘れてた!と思った瞬間、プツッと切れてしまいました。あ~!やらかしたぁ!

 ドラグを強く締め込んで、ハリを結び直します。さっき掛かったところを…と重点的に流してみますが、次が続きません。う~ん、痛恨の一発だったか…?
 少しずつ場所を替えて流してみると、付けえさの確認のために上げた竿に妙な感触が伝わります。あれ?

あれれ?
ベラが釣れました(8:03)

 コイツが釣れると言うことはウキ下が長いということだな…と浅く調整していきますが、なかなか本命のグレが釣れません。というのもウキがシモる(潜ってしまう)のです。アタリか?と思ってあわせても悉く空振りです。う~ん、昨日も起きたな、この現象。
 とりあえずオモリを1サイズ落としたG1に替えてみると、気持ちシモりにくくなったかな?という程度です。ウキのオモリ負荷指定がおかしいわけではないみたい…。

 右斜め後ろから強く吹く風にウキが流されていきます。後から考えるに、風に吹かれた道糸がウキを引っ張っていたのではないかと思います。道糸を張ってしまうと誘導のウキ止めが上がってしまうのでアタリが出にくいかと思い、竿先を下げて道糸を水面に付けるようにしていました。ところが実はウキ近くの道糸は沈んでいて、海中に引きずり込むようにウキを引っ張っていたのではないかと思います。

 そんなワケで待望の一枚めはアタリがよく分かりませんでした。またもやシモったか?と思って竿を上げようと思ったら、ギュン!と竿先を絞り込んでいきました。
 慌てて竿を立てると強いヒキが伝わってきます。食ってくる時はこんなもんなのね…と、今度はドラグを締めて磯から魚を引き離しに掛かると、グレの姿が見えました。やった!

 ところが初めての磯での取り込みに往生しました。安物のタモ網の柄が風に吹かれてしなります。さらに潮の流れの影響を受けて、狙ったところに落ち着きません。何度も魚に走られては差し出し、を繰り返し、ようやくタモ網の中に入ってくれました。

初物釣れました
念願の磯でのグレです(8:44)

 サイズは40cmほどでしょうか。昨日のグレに比べると尾鰭が短く、エラの後端に黒い縁取りがありませんので口太ですね。しかしウワサに違わぬ強いヒキに満足です。
 さっそくタイドプール(潮溜り)に持っていってナイフで締めます。ここで宿でクーラーを借りることを忘れていたことに気付きました。仕方が無いのでそのままタイドプールに突っ込んでおきます。

 初物と格闘した後、釣りを再開します。さっき食ったのはあの辺りだったよな…と流すと、ジワーっとウキが沈んでいきます。こりゃあイったでしょ?とあわせるとズドン!と竿先が引き込まれます。ウソー!連続ヒットじゃ~ん!
 次もタモ入れで苦労しました。またもや何度も何度も掬おうとしては失敗しました。気付くと右隣の人が足元狙いで流しているウキがタモの近くに浮かんでいます。邪魔だよと言いましたが、伝わったのかどうなのか?すぐに仕掛けを上げてくれましたけどね。

 2枚めも同じようなサイズの口太でした。2枚めはどうしよう?キープするかな?でも2枚も持って帰ると食べきれないよな…と逡巡した挙句リリースしました。リリースした後あ!写真撮るの忘れた!と気付いたので、記念撮影はありません(笑)。

 次こそは写真撮影しないとね…と釣りを再開すると、またもやジワーっとウキが沈んでいきます。これもイったか?とあわせると、またもやヒットです。えー?3連荘?地合到来かぁ?
 水面に浮かせてきたところを見ると、先程の2枚と同じくらいのサイズのようです。40cmくらいが平均なのかな?豊かな海なんだね、と感心するも、またもやタモ入れで苦労するのはちょっと…。道糸、ハリスともに5号なので、ここはエイヤっと抜き上げてしまいました。

あ!切れちゃった
3枚めはセルフタイマーで自画撮りに挑戦しました(9:17)

 3枚釣ったところでもう満足です。朝ごはんを食べるのを忘れていたので、お腹を満たして人心地が付きました(笑)。ここでもクーラーと合わせて飲み物を準備するのを忘れたことに気付きました。夏磯じゃなくて良かった。

ご馳走さまでした
朝食は宿で準備してもらったおにぎりです

 ごはんも食べたし、今度は大きいのが欲しいかなぁ?と釣りを再開します。数度アタリもえさ取りも無い流しが続いて、地合を逃しちゃったかな?と思い始めた時、スーッとウキが沈んでいきます。ヨシ!とあわせるとギュン!と魚が竿を絞ります。ヨシヨシと沈み根がら離して浮かせたところ、先程と同じくらいのサイズ。躊躇うこと無く抜き上げると、ポロッとハリが外れて、コマセバッカンの中に落としてしまいました。

抜きあげたらコマセバッカンに落下しました
釣った時は分からなかったのですが
家に帰ってからイスズミと判明(9:38)

 尻尾を掴んで引き上げるとアレレ?違う魚だ。ナンだ?こりゃ。薄いシマシマがあるぞ。この魚は写真を撮って早々にリリースとなりました。
 家に帰ってからもしや?と検索するとイスズミと判明しました。名前は聞いていたのですが、テレビ番組ではわざわざイスズミの記念撮影などしませんから、姿は知らなかったのです。

 この後からウキが風に盛大に流され始め、釣れないというより釣りにならない状態になってしまいました。道糸を浮かせてメンディング(置き直し)をしたり、流されるままに流してみたり、と工夫するもまるで効果がありません。アッと言うに30分が過ぎ、10時を回ってしまいました。
 11時の早アガリに間に合わなかったら、帰りの飛行機に乗れなくなります。早めに終わるか…と道具を片付け始めたら、ガン玉が外れて完全フカセ仕掛けになっていたことが判明しました。あちゃ~。道理でウキが流されるハズだわい。これだから初心者はダメね~(笑)。

 実釣3時間程度と物足りなさは残りますが、磯釣り初挑戦でこれだけ釣れれば合格でしょうと終了し、帰りの渡船に乗り込んだのでした。

その3へ続く

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