帰省のついでに阪本池へ
大阪帰省のついでにお休みを貰って平日釣行の機会を得ました。とはいえ大荷物を抱えて移動できないので、実家に近いところで手軽にやれる釣りを探しました。寒い時期で釣り物が限られる中、ウドン池へ行ってみようと思い付きました。
ウドン池とは関西に多いウドン餌のみ使用可能なへらぶな釣り堀のことです。その多くは床釣り(関西では底を床:トコと呼びます)専用となっています。古くから続くスタイルであり、僕が子供の頃はへらぶなってウドンで釣るんやで~なんてことを聞いたものです。釣り具屋さんでビン詰めのウドンを買った記憶もありますし、アルミのウドン切り箱も持ってました。今、思い起こせば、当時は使い方を良く判っていなかったのですね。
さいたまに住むようになってへらぶな釣りを始めたため、大阪のウドン池での釣りの経験がありません。子供のお小遣いでは有料釣り場になんて行けませんでしたからね。そこで子供の頃の仇をオトナになってとってやる企画第*弾(笑)となったわけです。
実家からへらぶな釣りに行くのは2007年8月25日の若竹池釣行の経験があるのですが、とにかく注意すべきは荷物をどれだけ少なくできるか?事前に宅配便で送るので、入念な絞り込みが必要です。
特にかさばるのがえさです。たくさんの袋はとても持てないので荷物をシンプルにするためにも両ウドンの釣りは最適です。材料・道具も発送し前夜に作ります。
今回は野本釣具店の速攻黄うどんを使います。1袋に対し標準水量の130ccより多めの140ccで作りました。冬場ということで柔らかめが良いかと。
プロフェッショナルウドンメーカーで絞りますが、付属の小さいノズルは径が2.7mmなので、2リットルペットボトルの底に落として細目に仕上げました。タッパーに入れて持っていけばとてもコンパクトです。まぶし粉は同じく野本釣具店の底そのまんまを準備しました。
竿ケースを省略し、竿は9尺一本きり、竿掛け、玉の柄も一本ものと厳選した3本をロッドベルトでまとめて持ち運びます。もちろんへらバッグもなし。大きめの防水トートバッグに道具を詰めました。
肝心の釣り場をどうしようかとネットで検索したところ、枚方市に阪本池というウドン池を見つけました。
実家の車を借りて9時頃出発しました。途中渋滞に遭ったり、道に迷ったりしながらも10時過ぎに到着しました。
とりあえず荷物を持たずにお願いしますと事務所の中に入ると、おばあさんがうちはへらぶなよ。道具ある?うどんの床釣りだけよ。大丈夫?と返答してくれます。どうやら貸竿でちょっと釣りして暇潰し…とフラッと入ってきたお客さんかと思ったみたい。
もう時間が遅いから…と100円おまけして貰って、荷物を持って中に入ります。桟橋の事務所に近いところから、東向きに4人、西向きに1人、お客さんが釣っています。
この池初めてなんです。どこがいいですかね?とご主人に聞くと東向きがいいね、30番だと底が良いかな?とお勧めされました。上バリトントンよりもズラシをかけた方がいいと示した指先は3cmほど。だから小さいアタリをとることになるよ。大きめのアタリは意外とダメだねとのことでした。
トタンの壁に竹の波除け、正しい箱池の姿ですね。これまで行ったことのあるところで言えば、弁天閣に似た感じです。
早速準備を始めます。竿はダイワ孤月峰9尺です。2011年11月27日に中古で購入したこの竿を使ってみたい、というのも今回の釣行を両ウドンの底釣りにした動機の一つです。
道糸はPE0.3号にしました。細いウキ=軽いオモリを使う繊細な釣りですので、風流れを避けるための細い道糸を、との選択です。ところが従来のウキ止めゴムが止まらないので、木綿糸でトンボを作ります。板オモリも細いシリコンチューブを通してから巻いて、これも動かないようにトンボで止めました。
ハリスは0.2号30-35cm、ハリは上下ともコム2号、これは以前当サイトをご覧になった方から紹介して頂いた雑誌記事の内容を参考にしました。
ウキはリコーサーバンスのさみだれソリッドトップウドン用1号(トップ塗り直し済)を付けました。
この組み合わせ、これまでに使ったことがあるのはウキとハリスのみという挑戦っぷりです(笑)。
釣り座の角木の幅が広かったので、竿掛けの万力と玉受けの万力を入れ替えるなど、準備に時間が掛かってしまいました。釣り始めたのは11時になっていたでしょうか。
えさを振り込んで3投め、ウキがモヤッと動き始めます。魚が居るんじゃ~ん、とドキドキしながら次のアタリにハッシとあわせると弱い手応えが伝わります。あれれ?
思いのほかウキが動く理由は、どうやらこの小魚達のようです。続けてえさを振り込むとやはりウキが動きます。へらが寄ったらジャミもおとなしくなるだろうと、ジャミのアタリもどんどんあわせて、えさを振り込む回数を増やす作戦にします。
ジャミがツンツン、フワフワとウキを動かしては空振りが続きます。その中で一節落とす良いアタリをあわせると、ようやくへらぶながハリ掛かりしました。
浅い池のせいか沖に右に左にと元気に走り回ります。儚げな0.2号ハリスに、竿先2分くらいしか曲がらない極端な竿、おっかなびっくりで取り込むと尺近い良型のへらでした。
へらぶなが寄り始めたかな?そろそろジャミがおとなしくなるかな?と思ったら、相変わらずウキがツンツン、ピクピクと動きます。とにかくドンドンあわせていって、その中にへらぶなが混じってくるようになれば良いかな?と割り切ります。ところがなかなか本命が釣れません。
12時19分に釣れた2枚めは2節ほど鋭く力強く引き込まれるアタリを出しました。やっぱり釣れる時は良いアタリですね。
次は約30分後の53分と本当にジャミアタリの合間にポロポロと釣れる感じでした。
この3枚めを釣って暖かいコーヒーを買って休憩をした時におばあさんに釣果を聞かれました。3枚だけですと答えると、初めて来て午前中に3枚ならまずまずよ。うちは良型を入れてるから数は出ないわよと合格点を頂きました。
14時頃から地合がくるから頑張ってねと言われ、じゃあ10枚を目標にしますと答えて、釣り座に戻って再開です。
再開すると第一投で4枚めが釣れました。あれ?床休めになっちゃった?
これまで打ったえさのおかげでへらぶなが溜まっているのかな?釣れ続くのかな?と思いきや、アタリが出ても釣れません。5枚めまでには20分掛かりました。
そろそろ地合と言われた14時だよな…と期待するも、却ってウキが動かなくなってきました。一時間以上も間が空いてしまいました。いかん!このままでは目標に届かない!
やはり0.2号ハリスはトラブルが多く、巻いておいた数少ないストックを使いきってしまいましたので0.3号に替え、長さを上下とも5cmずつ伸ばして35-40cmにします。と同時にズラシを掛けていってジャミによるウキの動きを少なくします。
これまでジャミがウキを動かすので上バリトントンくらいに設定していたのですが、どうやら肝心のへらぶなが食ってこないようです。警戒心が強いのかな?ハリス寸の延長とズラシで口を使ってくれるかも?との目論見です。
ズラシを掛けていったせいで、ウキのトップのナジミが浅くなり、えさ落ち目盛りの下(両バリの重さが掛かってない目盛)まで出るようになりました。サワリはジャミのツンツンしたものが無くなり、モヤモヤと緩慢に動くものだけになったので、へらぶなが喰ったと思われる鋭いもののみを待ちます。
サワリそのものは少なくなったので心が折れそうになりますが、そこは我慢と自分に言い聞かせて待つと、一節ツン!と入るキレイなアタリが出ました。
2時間近く経ってようやく釣れました。地合と言われた14時台がダメだったので、何かが決定的にダメだったのでしょう。最初に貰ったアドバイスに戻ってズラシを掛けていったのが良かったのでは?
しかしこんなブレーキがあったのでは目標の10枚は難しいかな?と思っていたらなんと!
キャー!0.3号ハリスで一荷なんてやめてー!とハラハラしましたが、どうにか取り込めて一安心です。
他のお客さんがみんな帰っていよいよ僕一人になりました。そろそろ終了の時間だよね…と思っていたら、ウキの動きが俄然良くなってきました。早めにトップが戻ってきて、えさ落ち目盛が出てきます。来るぞ来るぞと集中すると、カチッ!と音が出そうな一目盛落とす良いアタリが出ました。
閉店間際のサービスタイムか?これなら目標のツ抜けもイケるかも?と次を振り込みます。やっぱり同じようにウキが動いて、気持ち良いアタリが出ました。やったー!連続ヒットで目標達成!
この10枚めを釣った後、ご主人が飼育用ペレットを撒き始めました。もう終了ですね?と声を掛けたら16時までだけどまだまだ大丈夫だよ。サービス残業だなんておっしゃるので慌てて終了しました(笑)。
片づけた後事務所で暖かいお茶を頂きながら、おばあさんの話を伺いました。昭和43年からやっているが当時周りは林や畑しかなかった。旦那さんの後を受けてやっているが、こうした池はめっきり少なくなってしまった…、などなど。常連さんと集まって四方山話をするちょっとした社交場にもなっているのでしょうね。近所にこうした池があるのはシアワセなことです。
楽しかったです。帰省する機会があったらまた来ます。それまでお達者でとお礼を述べて、帰宅したのでした。
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