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新治堰に行ってきました

和竿の会にゲスト参加しました

2012-12-24

 さる事情から千葉県茂原市に行かねばなるまいと、新治堰に行ってきました。

 今回の釣行前に和竿を使ってみようと閃きました。所有している唯一の和竿は極軟の9尺ですので、盛期の大型魚が揃う場所では怖くて使えません。中・小型魚が中心で、しかも冬場くらいしか出番が無いので、積極的に場所選びをしないと、いつまで経っても出番がきません。
 そろそろ使いたいなぁ、バラケ&グルテンのバランスの底釣りでのんびり一日を過ごせればいいなぁ…という目論見で、せっかくならばまだ行ったことのない釣り場も良いかも?と閃いたのが新治堰です。
 週刊へらニュースインフォメーションコーナーで以前より目にしていたのですが、ここ新治堰では月に一度和竿で遊ぼう会という会が開催されています。それならば和竿に向いた魚体サイズなんじゃないの?と行き先を決めた次第です。

 浦和の自宅を出発したのは4時半を回っていました。高速道路をひた走り、6時半開場の20分ほど前に到着しました。しかし茂原は遠いですねぇ。

 料金を払おうかと事務所と思われる建物に入ると、7~8人ほどの人が居て、談笑されています。開場まで時間があるからね…とテレビを見ながら待っていると、次々と人がやってきて挨拶されています。どうやら例会があるのかな?と思っていたら、ちょうど今日が月に一度の和竿愛好会による和竿で遊ぼう会の日とのこと。12月の告知はへらニュースでも見なかったので知らなかったのですが、なんという偶然でしょうか。
 しかも今回は江戸川区のへら鮒専門釣具店柴舟さんの企画により和竿作者の至連(しれん)さんと世志彦(よしひこ)さんが関西から、地元千葉の白道(はくどう)さんが参加されるというマニア垂涎の特別編だったのです。

 一緒に釣りませんか?とお誘いを頂いたので、ゲスト参加させて頂くことになりました。ゲスト会費は4,000円(昼食代込み)です。
 くじを引いて下さい、と言われてひいて開くと49番。これが釣り座の番号です。朝礼ではバランスの底釣り限定、10枚リミットの入れ替え無しの総重量制、との説明がありました。10枚も釣れるかなぁ?

 釣り場はこじんまりとした池に桟橋を掛けてへらぶな釣り場として整備したものです。へらぶな釣りでは堰と呼ばれる農業用の溜め池、ブラックバス釣りで千葉の館山周辺や大多喜周辺の池巡りをした時によく見かけたタイプの池ですね。

 参加者はおよそ15人。中央の桟橋の40番から55番の釣り座を使います。49番は中央やや奥といったところ。左に白道さん、右に幹事長さんが座られました。

岸に向かって撃て!
釣り座からの風景(8:33)

 正面が抜けていない風景はへらぶな釣りでは久しぶりに見ました。この釣り座は桟橋から岸に向かって打つポイントで、16尺でちょうど岸際のかけあがりに届く距離です。

 釣りの準備を始めます。この道具を使うために遠くまでやってきたのですよ。

川口の竿師、寿光作
僕のお宝です

 実は以前に同じ作者の玉の柄を中古釣具屋さんで発見し、破格の値段だったので即、購入し、竿、竿掛、玉の柄と3点セットになりました。今回使ってみようと思い立ち、昨日急遽北浦和のシバタ釣具店で玉網を購入して、本日デビューです。

お揃いになりました
玉網も玉の柄の色あい、籐巻きにあわせて選びました

 手持ちの仕掛けを繋ぐと、道糸がちょっと短いです。11月の例会で長い下ハリスのチョウチンウドンセットに使ったものなので、この際だからと仕掛けを作ります。
 道糸0.6号、ハリス上下ともフロロ0.35号30-35cm、ハリはガマカツT1クワセマスター3号、ウキはリコーサーバンスさみだれハイテクトップ底釣り用12号を付けました。
 えさはよく分らないので、ペレ底単品とグルテンα21単品を作りました。これで、両ダンゴ、両グルテン、セットに対応します。

 右隣の幹事長は17尺の竿で早々に絞っています。ちょっと使ってみます?と言って、魚が掛かっているにも関わらず、竿を手渡してくれます。受け取ってみるとコンコンと魚が暴れる様子が手に伝わります。この感触が和竿の魅力なんですね。
 しかし竿を倒すとその重さがずっしり感じられます。長い和竿を扱うのは大変でしょう。

 一方、こちらははっきり言ってウキが動きません。というのも、池に渡した桟橋の上からぎっしり並んで岸の浅い方へ撃つので、岸に追い立てるような状況になってしまいました。日が当たって水温が温まりやすい北岸を、カケアガリに沿って動くへらぶなを狙う、一番理に適った方法です。
 ただしキモはぴったり合った長さの竿で直撃すること。9尺しか持っていない僕は岸を撃てませんので、桟橋下を狙う格好になります。両ダンゴもカチカチの小えさで鬼待ち、あるいは両グルテンも繊維がハリのフトコロに残っていると仮定した鬼待ち、しか手立てが思い付きませんでした。

 そんなウキの動かない待ちの釣りに飽きてしまうのは、まぁ時間の問題です。左に座って居られるのは和竿作者の白道さんなので、この時とばかりにあれこれ質問…したいのはヤマヤマなんですが、釣りをしている人に話し掛けるのも憚られるので、邪魔にならない程度にお話しさせて頂きました。
 白道さんは話し掛ける度に、きちんと丁寧に返答してくれます。物腰が柔らかく、実直な方なんだなぁ、と伝わってくる紳士でした。

 そんなこんなで2時間くらい頑張って、ウキの方は異常なし。それでは…と両ウドンの底釣りに切り替えます。
 ところがグラスムクトップのウキを入れたケースを忘れてしまいました。オーマイゴッド!仕方が無いので、仕掛けはそのままでいきます。ウドンは野本釣具店の速攻黄ウドンを標準水量の130ccで作りました。まぶし粉はあらびきM.V.Pです。

 今度はドンドンえさを打ち返していきます。空アワセではウドンが切れませんので、サワリが出るまではウドンは大粒のまぶし粉の運び役と割り切って、底にまぶし粉をバラ撒く積極策でいきました。
 さらに桟橋下に隠れていると思われる魚を狙うのが一番カタいと思われるので、8尺の方が良いんだろうな…と思いつつ、前のめりにならないように、というか少しエラそうに胸を張るくらいのイキオイで、竿をあまり前に出さないように釣りました(笑)。

 10時を回る頃になると、背中に当たる太陽の日差しが暖かかったです。少し落ち付いてきた風は相変わらず冷たいのが厳しいです。風が回っているのか右や左にウキが流れます。
 11時になるとお昼ゴハンの時間になります。事務所があまり広くないため、1班2班に分けて食事となりました。ここで本日唯一にして無二の機会が訪れます。右隣の幹事長、さらに右隣の会長、左隣の白道さん、と1班で食事に行かれましたので、人災が少なくなったのです。
 9尺竿で釣るにはここしかない、とえさをドンドン打ち返します。とにかく魚が来てくれないことには…。

お味噌汁が染み渡ります
お昼のお弁当は温かい味噌汁付き(11:37)

 結局、この作戦は、皆さんが帰ってくるまでにアタリが出せず。お昼の暖かい時間にカラツンになったアタリが2回出ました。スレアタリっぽかったです。他に1回スレ掛かりがありました。

 13時30分を回って、ついに心が折れてしまいました。9尺では好転が望めないと判断し、沖撃ち(岸近く撃ち)へ変更します。せめて1枚くらいは釣らせて帰らせて。
 16尺の和竿は持っていないので、征興弧弦 輝水(かがやき)を出します。右隣の幹事長は和竿お貸ししますよと言って頂いたのですが、16尺の和竿なんて振ったことが無いし、岸に向かって打つのではカカリが不安です。お借りして折ったりしたら大変ですので、フラシに入れないから、と断って自分の竿でやります。

 仕掛けは道糸0.6号、ハリス上下ともフロロ0.35号30-37cm、ハリ上下ともガマカツのT1クワセマスター3号、ウキはくし玉の13号、細パイプトップの細身のものです。

 岸近くに振り込むと、風が流れを作って右に左に流されます。ところが早々にサワリが出始めて、9尺の手前とは大違いです。ツン!と入ったアタリを捉えるとスレ掛かりでしたが、これは幸先が良さそうです。

 次こそは!とハッキリ出たアタリをあわせると、グイグイと竿を絞る感触が伝わります。口に掛かってくれよ~と引き寄せると…。

キミだったか~
マブナが釣れました

 いよいよ終了の時間である15時30分が近づいてきました。野釣りならいざ知らず、管理でボウズなんて悔しくって帰れやしない。何としてでも一枚獲る!と双眼鏡でウキを凝視します。
 フラッとウキが揺らめいたところをハッシ!とあわせると、ようやく今日の初物が釣れました。長かった…、良かった…。

 なんとか1枚釣れました。ボウズでお帰りにならなくて良かった、と心から安心しました。どれだけホッとしたかと言うと、うっかり写真撮影を忘れてそのままフラシに入れてしまったほど(フラシに入れないから、と言っていたのに)です。ごめんなさい。和竿の会なのにカーボン竿で釣った魚をフラシに入れてしまいました。写真がありませんが、ちゃんと一枚釣ったんですよ。

 最後に事務所で閉会式です。うっかり入れた一枚をちゃんと検量してもらって15位と順位まで頂きました。小さい魚一枚きりですのでもちろん最下位ですが、着外とか失格扱いじゃないところに優しい配慮を頂きました。
 ゲスト参加ということで、会長さんが丁寧に対応してくれて、一言ご挨拶する機会を頂ききました。飛び入り参加にも関わらず、皆さん、非常に暖かく迎えてくれて、あれこれと面倒を見て頂いてありがとうございました、と御礼させて頂きました。

ごめんなさい。カーボンなのに
商品まで頂きました

 和竿の釣り心地の良さ(といっても一本しか知りませんが)はとても気に入っていますので、他の竿も…という気持ちも無いでは無いのですが、道楽すると大変な世界が待っていますのであえて避けていた、というのが本当のところです。
 竹という素材云々より他に作っていない、あるいは入手困難な特徴を備えたものでも注文ならば作って貰えるという点が、僕が感じる最大の魅力です。今、両ウドンの底釣りがマイブームで、ダイワの孤月峰9尺を愛用しているのですが、ちょっと沖を狙える11尺くらいのウドン竿が欲しいです。カーボンの竿でというと、メジャーどころで他にはガマカツの至硬峰。ともに生産終了品で品薄です。そもそも不人気のジャンルですので今後新製品が出るのかどうか?先週の阪奈園では僕の他に3本くらい孤月峰を見掛けたんだけどなぁ。
 用途が明確だから、店や作者が相談に乗ってくれると助かりますし、使ったらイメージと違っていた…ってコトは避けられます。装飾などは分らないので外見は作者の得意な仕様でおまかせ。空アワセでウドンが切れて、細ハリスをいたわってくれる竿をって発注してみたいモンです。まぁ先立つものがね…。

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