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和竿を使ってみたくてハゼ釣りへ

鶴見の新明丸に乗ってきました

2013-10-06

 2011年の12月に和竿を1本購入してしまいました。川口和竿の竿昭作9尺5寸中通しハゼ竿です。これを使ってみたいと以前より機会を伺っておりました。
 中通しハゼ竿であれば、船に乗りたいところです。情報収集してみると、意外にハゼの乗合船というのはやっていないもの。屋形船のハゼ天ぷら船などは見つかるのですが、仕立てになってしまいます。
 そこで見つけたのが、神奈川県鶴見から出る新明丸(しんみょうまる)。10月からショートタイムハゼとして、7時45分出船、14時帰着のメニューを始めています。
 これなら京浜東北線一本で行けるし、運転しないでいいから楽そうだし、家に帰ってきても調理の時間がとれそう、と出掛けることにしました。

 思えばずいぶん久しぶりの電車釣行です。2007年にシロギス釣りに久比里へ行って以来ですので、6年ぶり?今回はカートを使用せず、大振りの防水バッグに荷物を詰め込んで、竿を一本手で持ち歩くことにしました。
 というのも、今回はハゼが対象なので、獲物はジップロックに詰めてしまえるので、クーラーが不要かな?と。電車でおよそ1時間の行程ですので、寄り道しなければ大丈夫だろう、と。そうするとカートは不要です。釣りの間は邪魔ですから。
 持ち物は、空気を入れるタイプの座布団、腰巻きタイプのライフジャケット、カッパ上下、小物ケース、竿掛け、といったところですので、非常にシンプル。竿さえ持っていなければ、普通の街歩きに見えるかも知れません。

 そんなこんなで6時前の電車に乗り、鶴見駅を降りて、駅前のコンビニでゴハンを調達し、商店街を抜けると鶴見川に掛かる潮見橋の袂の新明丸に到着しました。ホント街中です…。
 店でハゼお願いしますと料金を支払い、乗船名簿に記入すると、8番の番号札をくれました。8人めのお客なのでしょう。乗船場所を尋ねると、鶴見川を少し下ったところの桟橋とのこと。テクテク歩いて、桟橋に留めてある船に乗り込んでみると、お客さんが7人居ます。
 空いているのが左舷オモテだったので、胴の間に掛かって一段低くなる場所に釣り座を決めました。

川沿いは住宅地
出船前(7:30)

 準備をしていると、船長が乗り込んできました。挨拶をすると、僕の竿を見るなりちょっと見せてと手に取ります。どうやら和竿がお好きな様子です。糸を引っ張って竿の曲がりを確認し、オモリは3号か4号。3号の方がいいかも知れないとアドバイスをくれます。理由は?と聞くと重いと胴に入ってコヅきにくいでしょ?とのことでした。今日は雨の後だし、流れが速くてアタリが取りにくいよ。あまり釣れないかも?とも言っていました。

う~ん。道楽だなぁ
準備万端!

 その後、左隣に一人お客さんが来ました。釣りの準備を始めると、竿を2本取り出しています。手馴れた常連さんなんだな?と思っていると、その竿の竿袋には見慣れたシマノ峰匠18尺の文字が書いてあるではありませんか。
 それ、へらぶな竿ですよね?僕も同じもの使ってますと思わず声を掛けてしまいました。するとうん。中通しに改造したんだ。これがちょうどいいんだよとのこと。へぇ~。そうなんだ。

 糸巻きの柱(クイとか言います)が3本立っていて、中通しになっています。へらぶな竿特有の膨らんだ握りがありませんから、手元を少し詰めて、綿糸を巻いて握りにしています。従って握り付近のパワーは幾分落ちているでしょう。
 とはいえ、シマノ峰匠18尺はへらぶな竿の中でも硬い先調子の竿です。僕はアワせた時にウドンがハリから切れる竿をという理由で購入したのですが、お隣さんは穂先を詰めて中通しにしているはずです。これはかなりビンビンの先調子になっているのではないかと思います。そんな竿がハゼ釣りに最適とは…???

 船は河岸を払って、鶴見川に掛かる橋をくぐって下流へ進みます。でも海には出ないで、河口周辺の運河で止まりました。当然流れがあって波は無し。これは海釣りとは言えないなぁ、江戸川放水路より波が無いので、川釣りだな、などと思っていたら、釣り開始の合図がアナウンスされます。

 今日の仕掛けは、竿はもちろん竿昭作ハゼ中通し竿9尺5寸。道糸は購入時に巻いてあった黒染めの糸。たぶん1.5号くらいでは?極小のスナップサルカンを通して、全遊動にします。スナップサルカンにはナス型3号オモリを付け、道糸の先には極小のハリス止めを結びます。ハリス0.8号付き袖バリ5号を10cmにも満たない見当で付けました。

 えさのアオイソメをハリに付けて第1投。水深が竿の長さより若干深いようです。糸巻きから3回ほど糸を外して、底まで落としてやります。トントンと底をこづくと、早速ブルっと魚信が伝わります。さっと竿を立てると、プルプルとハゼの引く感触が!これがとっても気持ちいい!
 思わずオホホ~とニンマリしてしまいます。道糸を手繰って取り込むと、待望の第1号は良型でした。

気持ちいいい!
初物釣れました(8:10)

 なるほど。これはマニアが居るはずだワイ、と思わず納得の感触です。もちろんハゼという魚の個性に負うところが大きいのですが、その魚のアタリとヒキをいかに気持ちよく味わうか、という点に特化したのが、ハゼ和竿なのですね。面白~い!楽し~い!気に入った~コレ!

 気に入ってドンドン釣っていきます。幸いハゼの魚影は濃いようで、えさを付けて放り込むと、すぐにアタリを出してくれます。糸を手繰る動作も新鮮なもの。まぁイカ釣りのような長い胴突き仕掛けを扱うことを思えば、そんな難しいものじゃありません。

 ホイホイと釣り進んで20匹くらいは釣ったでしょうか。9時30分を過ぎるころから、途端にアタリが遠くなりました。たまにプルプルっと感じても、魚が掛からないのです。どうしたこっちゃ?

どうして目玉を出すのかな?
これだけ釣れても、まだ欲深い(笑)(10:06)

 釣れない時は釣ってる人に見習うべしとは古今東西の偉大な先人が言い残した鉄則です。左の常連さんは、とんでもないハイペースで釣っているのです。じーっと釣りを観察して、何か得られるものが無いかと探ります。

 よく見ると、竿先に魚信が出ていません。プルプルと震えたりしないで、ホイホイと釣り上げているのです。どうやらプルプルと伝わるようでは遅い?
 ハゼ釣りのキモはノリとかモタレで釣ると聞きます。活性が高いうちはプルプルでも良いが、渋くなったら早い違和感であわせないといけないようです。
 ものは試しとオモリが引っかかったような違和感であわせてみると、ハゼが掛かり始めました。これか!う~む。1時間くらい足踏みしたぞ。

 お隣さんは左右二本の竿を交互にリズム良く誘っています。単調で一定の動きの中だからこそ、その間に割って入る違和感を感じとり易くなっているのか。なるほど。
 そして、オモリを少しだけ跳ね上げるような先調子だからこそ、違和感を感じてあわせが効きやすくなっているんだ、と理解しました。さらに水深が約4mくらいなので、18尺を詰めて、多分16尺くらいになっている竿だと、道糸を手で手繰る必要もなく、竿を立てるだけで、ハゼが取り込めます。そういうことか~。

 その後は、オモリが少し重く感じたら積極的にあわせて、再びペースが上がってきました。しかしながら、そうした違和感を感じて釣るなら、確かに先調子の竿が釣り易いです。コヅくというか、オモリを竿先で少しだけ跳ね上げる感じが良いと思います。この竿だと、ヒキ味を楽しむために、少し胴に入ってしまうのです。

 それならば、と道具入れに入っていた2.5号のナス型オモリに変更します。流れが強いものの、船長が船を操船してくれるので、あまり流されませんし、なんなら流してしまってもヨイ、と。始終トントンとコヅいているので、ハゼの目の前に行く機会が多いくらいでいいや、と割り切ります。

 お昼頃、またハゼの活性があがってきたのか、よいポイントに入ったのか、プルプルというアタリが増え、ハリ掛かりするようになってきました。それならシビアに掛けに行く必要もないか?と、少し待ちの時間をとって(といっても3秒くらい)、プルプル→あわせ→クンクンと気持ちいいヒキ、の釣り味優先のサイクルで狙っていきました。やっぱりこっちの方が気持ちいいなぁ。

 13時30分頃、終了の時間となり、後片付けを始めます。左の常連さんはなんと300匹超!。いやはや恐れ入りました。
 船長さんは、僕のオケを見て100匹いったんじゃない?と言ってくれましたが、ジップロックに移しながら数えると、82匹でした。

もうちょっと…ですね
今日の釣果です

 船長さんは釣り難かったでしょ?オモリ重くした?と尋ねましたが2.5号にしました。船長のアドバイス通り、コヅき易いようにと思ってと返答したら、軽くしたの?と驚いていました。おかげさまで、ハゼの数釣りのキモに少しだけ触れたような気がしました。

 お店で船長さんに数えたら82匹でしたと告げると、初めての釣り、初めての竿で、1本でそれだけ釣れれば上出来だよとお褒めの言葉を頂きました。左隣の常連さんも数を釣るなら、同じ竿の2本が一番。バランス良くコヅくことが大事だよと言ってました。う~ん、本気でやるなら峰匠18尺をもう一本買って改造するか…いやいやウドン釣りに使うんだから(笑)。

 家に帰って、彼女とたくさんのハゼを捌きました。これがあるから数釣りもタイヘンだよね~といいながら、ハゼごはん、ハゼの煮物、ハゼのフライ(オイスター&ガーリックソース)サラダ乗せ、を作って美味しく頂きました。

ごちそうさまでした
今日の釣果です

 次回は料理にも時間を掛けて、お雑煮の出汁用の丸干しとか佃煮を作ってみたいところです。もちろん天ぷらも。江戸前の魚のド定番の料理も味わってみたいところですね。

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