2度目の釣ーリングは奥日光・湯川へ
2017年5月のバイクで釣り(釣ーリング)がとても楽しかったので、再び釣行計画を立てました。近年お気に入りの6月の第一週の週末に奥日光・湯川でブルックトラウトを釣る企画をバイクでやってみます。先週も湯川に釣行しましたので、道順だけはバッチリです(笑)。
湯川への釣行の際に注意すべき点はいろは坂を越えていくことです。ここは名にしおう特級のワインディングロードで、ここをバイクで走りたいから釣ーリングにしたのですが、久しぶりにバイクに戻ってきたおっさんリターンライダーにはちょっと荷が重いかも知れません。
この難所を乗り越えるためホンダのNC750X-DCT-LDというバイクを用意しました。クラッチレバーが無いオートマチックで、バイクが適切なギアを選んでくれるDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)機構を搭載しています。最新技術の力を借りて問題を解決するのが、初めてツーリングしたあの頃(25年前)とは違うオトナの発想です(笑)。
しかもこのバイク、通常ガソリンタンクがある位置が収納スペースになっているのです。オプションでトップケースを付けたので、サイドバッグを併用すれば、とんでもない積載能力を発揮してくれるハズで、釣ーリング用途のド本命と目星を付けていました。
ここが収納スペースになっているんです
かくして2017年6月2日の夜にバイクをレンタルし、道具の車載のため自宅へ向かいます。
走り出した当初の感想はクラッチレバーが無いからなんだか落ち着かないでした(笑)。やっぱり普段あるものが無いとなんとなくこれでええのんかな?と思ってしまいますね。
しかしながら、操作自体はビッグスクーターとほぼ同じ。ちゃんとガシャっとギアチェンジの音が聞こえるので、まさにクラッチ操作の省略です。こりゃスゲー!あまりに楽なもんだから、帰り道にスーパーで晩御飯のお惣菜を買って帰っちゃいました。
トップケースって素晴らしい
車載の事前準備としてサイドバッグには釣りに必要なものは竿以外のほぼ全て詰め込んでおきました。前回の釣ーリングでコツを掴み、その上、今回は使わないと割り切ったモノが結構あったためです。一個20リットルの容量がありますので、丁寧に入れれば、ウェーディングシューズ、チェストハイのナイロンウェーダー、メッシュのフライベスト、ランディングネット(小)など、ちゃんと入りました。
相当の収能力です
タンデムシートにバッグに入らないコットとロッドケースをロープで固定したら、収納スペースとトップケースにはほとんど何も入れずにすみました。このスペースはお土産積み放題?何この贅沢な使い方(笑)。
やっぱり積載に結構な時間を要し、就寝が遅くなってしまったのですが、翌朝4時に起きて、5時前に自宅を出発します。既に明るくなっているのがバイクの運転にはありがたい時季ですが、どういうわけだか風がエラく冷たいです。
外環道、東北道、日光道と走って、いろは坂下のコンビニで休憩するころには、Gジャン着用にも関わらず、身体がガチガチに固まってしまいました。缶コーヒーと日向ぼっこで身体を温めないことには、まともにいろは坂など走れないほどでした。
ここまで走ってきた感想としては、750ccの排気量だけあって高速道路の走行は余力アリ。追越車線に入っての制限速度+αでの加速も充分です。スズキのVストローム650ABS(2014年式)に比べると、足付きは少し良好ですが、フロントスクリーンの防風能力はやや落ちるかな?と言ったところです。
しかしいろは坂を無事に越えねば、DCT機構は本当に使えると言えません。いざ出発。
坂の入り口で遅い四輪車をパスした後は、抜いていったのは四輪車が1台、スーパースポーツのバイクが2台。後ろから煽られることもなく、普通に流すペースで登った結果、特段気を遣うケースは無し。ノッキングも無く、ほぼ適切なギアを選んで走ってくれました。戦場ヶ原の直線も気持ちよく、8時前に湯滝の駐車場に到着しました。
レストハウスで遊漁券と飲み物を購入し、釣りの準備に取り掛かります。来る途中が寒かったのでフリースジャケットを着込んで、前回の釣ーリングと同じお手製の竿を取り出します。
湯滝レストハウス脇の遊歩道から川に入ります。先週は小滝までをウェットフライで釣り下りましたので、今回はいきなり小田代橋までテクテク歩いて、そこから釣りのぼることにします。実は小滝より下流に入るのは初めてです。
小田代橋です(8:43)
橋の袂から川におりて様子を見ると、飛んでいる虫は少ないようです。まだ釣っている人も少ないみたいだし…と、夢見がちに8番サイズのテントウィングカディスをティペットに結びます。
ブレイデッドリーダーは大きなフライでも易々と飛ばしてくれます。気持ちよく釣り上っていきますが、魚が出る気配はありません。というか大きな虫が流れてないので、デカいフライは違和感バリバリな気がしてきます。
湯川の景色は何度来てもいいなぁ
しばらく遡り、とあるカーブに差し掛かると、ピチャッ!と魚が跳ねる音がしました。小さいとは思うけど、水面にヤル気のある魚が出てくるのはチャンスです。しばらく様子を伺っていると、また魚がライズ(水面に流れる虫を浮き上がって食べること)しました。う~む、やらかしやがったな!
どう見ても小さい虫を食べていますので、サイズを合わせて20番?18番?サイズのCDCパターンに替えます。6Xのティペットではラインアイに通らないので、7Xを3ftほど継ぎ足してから結びました。
早速フライを流してみますが反応がありません。ここはしつこく粘らず、一旦フライを上げてライズを待ちます。
あらためてフライにフロータントを施して、いつでも投げられるように静かに待っていると、続けて2匹別の場所でライズしました。いよいよ魚たちの注目が水面に集まってきたな…と、再びチャレンジします。バブルレーンに乗せて流してやると、すーっと魚が浮いてきてパクッと食べてくれました。
先週に比べるとかわいいサイズですが、ようやくドライで一本、しかもライズを狙って獲れたので格別です。
写真を撮ってリリースするところですが、今回はストマックポンプを使ってみようと思います。いつも持って歩いているのに使ったことが無いのです。10年くらい前に初めて買って、一度も使わずにゴムが劣化して買い替えたというブツを初めて使います。
テレビでやってるのを見たのはこんな感じだっけ…と何度か試みると、小さい黒い塊が吸い込まれました。
下手がやると魚も弱っちゃうかな?と心配していましたが、元気よく流れに帰って行きました。さてはてお楽しみの胃の内容物は…?
黒いアカムシのようなヤツと抜け殻くらい、他はよく分からんがとにかくロクに食ってない、と言ったところでしょうか。ここから次のフライを考える…というよりは、これから虫の羽化が始まることに期待、という感想ですね。
2匹めはどうかな…?としばらく様子を見るものの、ライズがありません。どうやら本当にワンチャンスだったみたい。さらに上流へと歩いていきます。
湯川らしい倒木の景色
この日は釣り人がたくさん居ました。どこに入ると邪魔にならずに済むかな?と悩むくらいです。すれ違う人に様子を聞くと、多かったのが小さい魚の姿は見えるけど毛ばりに食いついてこないという意見。10匹くらい釣れましたという人も居ましたが、総じて魚の活性はまだまだなのかな?と言ったところでしょうか。たくさんの釣り人に驚いている可能性も大いにありますが(笑)。
小滝の下で遊歩道から川を見ると、時折ふらっと浮き上がるなかなかのサイズの魚が見えました。下流から入り、フライを丹念に流すのですが釣れませんでした。水面の虫を食べてるわけじゃなさそうだったのでどうやら営業部長か。やられた。
真ん中あたりで浮いたり沈んだり
12時30分を回り川からあがりました。お腹も空いたのでレストハウスに直行し、鮎の炭火塩焼きを頂きます。
こんがり焼けています
焼けあがりました
食べている最中に近くで談笑していたフライの釣り人グループの一人が僕の竿を見て、それ4本継ぎですか?と訊ねてきました。はい。バイクで来てるんでと答えると、ふ~んと納得された素振りでした。
最近のフライロッドは4本以上の継ぎ数が増えてきました。バンブーロッドでは一部ビルダーが積極的に取り組んでいるようですが、まだ伝統的な2本・3本継ぎが多いと思います。僕もバイク釣行のために切ったくらいですから(笑)そこまで話しませんでしたが。
駐車場に戻ってくると、ハーレーダビッドソンの5台グループが隣のスペースにやってきました。皆さん寒い寒いの連呼です。お昼になっても風はまだ冷たいようです。
14時頃、帰路につきます。バイクの返却時間が19時なので、釣ーリングのこのプランだとイブニングがやれないのが悩みのタネですが、ガッツリ釣りをするなら、やっぱり車に限ります。
帰り道の寒さ対策にフリースを着込んで出発し、赤沼茶屋でアンケート用紙を投函するもお土産が手薄だったので、中禅寺湖畔でお菓子を購入します。中禅寺湖は湖面にウサギが跳ね、観光船が運航中止になっていました。
いろは坂を下りていくと車が多くて流れが渋いです。流すというより、前後の車に気を遣うようなペースでした。それでも時折ギアを落としたい箇所があったので、通常のペースなら頻繁にシフトダウンを使いたいと思ったでしょう。この点は左ハンドルのスイッチボックスにあるシフトチェンジボタンが使い良かったです。
そのまま日光道へ入り、日光口PAで休憩します。温かいコーヒーを飲みながら日向ぼっこすると、あっという間に温かくなってきました。風を遮る日向なら半袖で充分なんですから、今日の風の冷たさといったら異常です。
標高が下がってきたことを考慮し、中に来ていたフリースを脱いで走り出し、日光道から東北道へ。いつもの如く東北道羽生PA(上り)の鬼平江戸処へ寄り道しましたが、結構混んでいます。帰り道に思いのほか時間が掛かっているので、遅いお昼ゴハンは諦め、温かい缶紅茶をすすりながら、話題のきな粉スムージーの売り場を確認するだけで、出発が17時半になってしまいました。
ウワサのきな粉スムージー
既に大人気なのか?
東北道、外環道と通って帰宅したのは18時を過ぎてしまいました。早速荷ほどきをして、バイクを返しに走り出したらリザーブサインが着いています。途中でガス欠なんてカンベンしてよ~?
なんとかガソリンスタンドに飛び込むと、給油の途中に返却時間の19時になりそうだったので、あわてて電話し、無事返却した時は5分ほどオーバーしてました(笑)。
今回の釣ーリング、走行距離が341kmで、給油量が11.07リットルでした。燃費は30.8km/リットルと素晴らしい結果を出してくれました。しかしタンク容量が14リットルのはず。3リットル残しでリザーブ点灯はちょっと微妙です。下手すりゃリザーブ出てから90kmくらい走れちゃう?ドキドキして損した気分(苦笑)。
前回のVストロームがタンク容量20リットルで燃費27km/リットルだったから、航続距離として500kmくらい行けちゃうはずです。このバイクだといっても450kmくらいでしょうか。ここがちょっとネックです。
というのも、このバイクは給油方法に特徴があって、タンデムシートを跳ね上げて、その下にある給油口から給油するのです。
僕の使っているサイドバッグは、ハーネス(接続具)をシートに巻き付けて縛って留めるタイプなので、給油する際にはタンデムシートが上げられず、一旦サイドバッグを外さなければなりません。これは面倒。事前に対策ハーネスを作ったのですが、キャリアステーの形状から今回使えませんでした。レンタルバイクは事前に現物合わせができないのが辛いトコロです。
スクリーンの防風性能の差で高速を延々走って遠くまで行くにはVストローム650ABS(スズキ)の方が速いと思います。大型免許区分のバイクで高速道路を走り続けるならどれだけ身体に風が当たるかで出せるスピードが決まるのです。あのバイクは最高速が速いとか馬力がナントカと言うのはガキの戯言で、限界性能なんて使わないし使えません。一瞬頑張ってスピードを出してもナンボも続かないのですよ。もう年だし(笑)
一方で走っていく程に楽なのはNC750X-DCT-LDの方です。渋滞や信号のストップ&ゴーでクラッチレバーを握らないのはデカい。左手の握力が~!ってなっていた解決策がそのままコレです。
クラッチ操作が無きゃバイクじゃないとか言う人も居るでしょう。僕もクルマにMTの操作する愉しみは求めない。それならバイクの方が楽しいって思うので、その意見は分かります。でもクルマのパドルシフトと同じですよ、コレ。パドルシフトが操作する愉しみだっていうなら、DCTのシフトチェンジボタンだって立派な操作する愉しみですわ。全然アリです。
あまりに楽で、付いたあだ名がスーパーカブ・ナナハンだとか。操作はさもありなんですが、スーパーの駐車場でもうちょっと小さくて軽いなら、そう呼んでもいいかもね…と思いました。230kgの車体だけにエンジン切っての取り回しが重いんですよね。ハヤブサに比べればこのバイクはかなりマシですが、やっぱり重いものは重い。
これまで大型4台借りて痛感したのは極力取り回さないように停めるのが大型車に乗る際の注意点?特に前下がりは絶対に避けろです。
前述の通り、積載力にはまだまだ余裕があります。次回はキャンプ道具も追加して、ちょっと遠出の一泊釣ーリングはどうだろう?と考えています。サイドバッグのハーネス対策が課題ですけどね。
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