こういうのが好きなのかも
トレーラーにサファリ26インチスーツケース(グローブトロッター)、荷台脇に306プレストップ(ビリンガム)、荷台上に革トランク(メーカー不詳)と、振り返るといつの間にやら英国レトロに寄っていた…とハタと気が付きました。
気に入ったカバンで旅に出たいという思いを形にしただけなのですが、自然とこうなっていました(笑)。雨・汚れは想定していないお洒落カバン達ですから、キノの旅みたいなアテの無い放浪というよりはちょっとしたバカンスの雰囲気ではないかと思います。
日本の風景に似合うロードホッパーというのはメーカーのイチオシ(公式サイトの写真も古い建物や風景をバックに撮影されたものが多い)ですが、英国モノも似合ってしまうのがまた不思議です。純正マフラーがキャブトンタイプであることに関係があるのかも知れません。キャブトンマフラーのお手本はイギリスのアリエル社のバイクと言われており、英国車に多く採用されてきました。それで英国の雰囲気を感じさせるのかも知れません。
そこでカバンの他にも何かアイテムを取り入れて、英国レトロちっくなコーディネイトを考えてみました。
英国カントリースタイルの代表的なグッズにワックス(オイル)ジャケットがあげられます。綿の布地にワックスを塗り込むことで防水・防風機能をもたせたもので、最も有名なメーカーがバブァーです。
100年以上の歴史の途中でワックスを改良し、様々なモデルを産み出し、英国王室のロイヤルワラントを3つも受けたアウトドアウェアの超メジャーブランドです。
しかしながらワックスを塗ったジャケットはカビが生えるという弱点があります。2020年夏にはタンスがカビだらけになった経験から、そんなリスキーなジャケットに大金をはたく覚悟はありません。調べてみるとワックスを使わないモデルもあるというので、2021年3月23日バブァー渋谷店(2022年2月27日閉店)へ行って見てきました。
そこで好感触を得たので翌日ネット(楽天)で購入してしまいました。だって店頭在庫には気に入った色(セージ)が無かったんだもん(笑)。
Oversize Bedale Peached(サイズ38)
バブァーのノンワックス生地の一つがピーチスキンです。綿・ナイロン・ポリエステルの3種混紡で起毛処理をしてあり、見た目手触りがややワックスが抜け気味になった生地に似ています。桃の表面に似ていることからピーチスキンの名前が付いたとか。
バブァーの一番の売れ筋とも言われるビデイル(BEDALE)という型は乗馬用に開発されたそうで、以下の特徴はバイクにも向いています。
・腕を入れやすく肩を動かしやすいラグランスリーブを採用
・立ってお尻が隠れ、座ってお尻で裾を踏まないくらいの着丈
・馬やバイクに跨っても腰周りは動きやすいサイドベンツ装備
・前両側に付いてるポケットは手袋も入る大きめサイズ
この商品はビデイルのオーバーサイズモデルで、通常より着丈をほぼ変えずに2サイズ大きめのルーズフィットに作られており、僕にとって横幅ワイドはまさに願ったり叶ったりです。お値段が37,400円となかなかで、決断するには気合が少々必要だったのですが、バブァー渋谷の店員さんも次に作るのか入荷するのかは保証できないと言う特別モデルとのこと。この言葉こそが思い切って買ってしまう動機になりました。
一方で日本人向けの細身(SL:スリムフィット)モデルもあり、実はこっちの方が近年の売れ筋商品だそうですが、僕にとっては論外(笑)です。細身を僕のお腹に合わせたらサイズが大きくなる?そうしたらきっと着丈が長くてお尻で裾を踏んづけちゃうことでしょう。
ネガティブな点をあげると袖口がスナップボタンで留めるだけなところです。通常あるいはSLモデルの袖口はゴムシャーリングのリブになっていて風の進入を防ぐので、ピーチスキンは機能低下と言えます。まぁ許容範囲内かな?
また撥水機能は気持ち程度しかないそうです。バブァーによくあるタータンチェックの裏地も付いていません。ワックスモデルに比べると薄く軽くて、街着の春秋モノって感じです。
カビが好んで大発生するワックス生地よりはナンボかマシと思って選びましたが、春秋のキャンプで羽織るのにピッタリと意外と使いでがあって、とても気に入っています。
イギリスの古いバイクにまつわるイメージとしては、乗馬用っぽい革張りのハーフキャップに飛行機乗りっぽいゴーグルでしょうか。僕がバイクに乗り始めた90年代以降にもSR400(ヤマハ)やGB250 CLUBMAN(ホンダ)乗りを中心にハーフキャップ+ゴーグルは時折見られましたが、ヘルメットメーカーがハーフキャップは125cc未満のバイクでご使用下さいと自主規制する(乗車用ヘルメットであれば違反ではない)ステッカーを貼りだして以降、今日では随分と数が減りました。
そんな中、ダムトラックスからバンディットという合成皮革を貼り付けたヘルメットが、ゴーグル付き8,291円で発売されています。お求めやすい価格だし面白いかも?と、2021年3月25日にYahoo!ショッピングで茶色を購入してみました。
やったことないんですけど、乗馬に挑戦するならコレ持っていこうかしら?ってな雰囲気です。気に入りました。
早速、被って走ると耳当てを付けていても、風切り音が結構大きいです。特に60km/hを超えると途端に騒がしくなる印象を受け、とても高速道路を走る気になりません。
冬場は顔が寒いし、雨は直接肌に当たるし、と天候要因に弱いとあっては旅には向きません。元よりコスプレ目的(笑)ですからご近所をブラリと走る際に使っています。
ゴーグルは意外と好印象です。普段メガネを掛けるからか、視界にゴーグルのフレームがあることにもそれほど違和感を感じませんでした。ただ2021年夏からコンタクトレンズの装用を控えているので、しばらく出番がありません。
あまりゴリゴリのキメキメにするとコスプレ感が強くなるので、ハーレーカルチャーに英国風と言うか、アイテムを取り入れてみた程度にします。ちょっと外しを狙ったら意外と似合うでしょ?と街のお洒落さんみたいに言ってみたいものですね(苦笑)。
2022年11月、ヤフオクでバブァーのフライフィッシングジャケットを見つけました。これ、バイクに乗って釣りに行くのに最適じゃん!と落札しました。
バブァーの定番商品ラインアップに無いBEAMSの別注品です。出品時にこんな説明文が書かれていました。
---ここから---
待望の復活を果たした、Barbour(バブァー)の名作Fly Fishing Jacket(フライフィッシングジャケット)の別注第2弾。洗い加工を施したコットンクロスを採用し、快適な着心地を実現しました。
機能的なポケットやDリング、ロッドループはそのままに着脱式フードを加えアップデート。また、胸のフライ(毛針)パッドはボアの素材感にこだわりオリジナルモデルを忠実に再現。さらに、袖口のフェイクレザートリムや、襟の内側に配した細畝のコーデュロイ生地によりヘリテージムードを高めています。
シルエットのアレンジを容易にする、フロントのダブルジップと、ウエストのドローコードはベーシックながら見逃せないディテール。ショート丈を活かしたレイヤードスタイルを楽しめる1着です。
---ここまで---
このジャケットはスペイ(Spey)というモデルをベースにしており、同じ形をしています。スペイジャケットは川の流れの中に立ち込む(ウェーディング)際に裾が水に濡れないよう極端に着丈が短くなっている釣り用モデルです。
名前の由来はスペイ川。スコットランド(イギリス北部)の川で、大西洋サケ(アトランティックサーモン)の釣りが有名です。サケが遡ってくるのは秋、肌寒くなる頃で、川に立ち込むと当然寒いです。よってこのジャケットは中にセーターなどを着込めるように身幅が広いデザインになってます。
ところが身幅が広すぎると脇や裾が風でバタバタとなびいて邪魔だし、うるさくて疲れるので、スペイジャケットはバイクに向いていないんです。バブァーのバイク用ジャケットであるインターナショナルジャケットを見ても、腰にベルトが付いていて、バタ付き防止に絞れるようになっています。
ならば何故手を出したのか?実はこの商品のサイズが34なのです。前掲のオーバーサイズビデイルが38ですので、かなり小さいです。普段なら34は僕に合わないと見向きもしないところですが、記載された各部の寸法の着丈56.5cm、肩幅50.5cm、身幅59.5cm、袖丈59cmを睨んでいると、普段の釣り用シャツの上にジャストサイズで着れるんじゃないか?と思い当たりました。
思い切って購入し、ドキドキしながら着てみるとまさにジャストでした。ざっくりとゆったりと着るのがバブァーのイメージですが、ゆとりを削ったらバイクにもフライフィッシングにもピッタリになったという次第。もちろん中に分厚いセーターは着込めませんので、渓流釣りのベストシーズン専用にします。これは春から夏にかけてのバイクがとても気持ち良い時期でもあります。
この商品はバブァーの過去の名作の復刻をコンセプトに、2021年3月に第2弾として発売されました。前回は2011年春夏6月だったそうです。今回はアウトドアアパレルではないBEAMSの別注、水を弾くワックス加工ではなくビンテージ感の出るウォッシュ(洗い)加工を採用、あたりから察する通り、お洒落さんが着る街着です。釣りガチ勢が好む実用品ではありません。
こうした商品が発売されるのも、どうやら昨今スペイジャケットが街のお洒落さん達に支持されているらしいのです。どうして?
そもそもウェーディング(川に立ち込む)用のジャケットなら、合わせるズボンの正装はチェストハイウェーダー(胸の高さまである胴長靴)なんです。そんな特殊な服が何故受けてるんだろう?
本来はこのような着用感です
(ネットの拾い画です)
ウェーディング用ウェアって釣りの中でもニッチというか、使いどころがハッキリと一部分に限られているモノでして、衣類というよりは装備と呼ぶ方が実態に合っています。有り体に言うとチェストハイウェーダーと同様に釣り道具の一つですね。だのにファッション誌はこの不都合な真実をひた隠しに隠して、今、スペイジャケットが恰好良いと街のお洒落さん達に吹聴しているのですね…なんと罪深いことを。
このせいで中古のスペイジャケットの取引価格が高騰しています。みんな騙されないで!目を覚まして!それは川に立ち込むド阿呆が着る『ガチの釣り』用の上着なのよ!
1980年のスペイジャケット誕生の頃(前掲の本来の着用感の写真を参照)と違って、現行モデルは丈を若干伸ばしているらしいです。『ガチの釣り』用の上着を着て街を歩いたら、案の定何だか丈が短すぎるんじゃない?おかしいよね?と言われてバツが悪い、と。そりゃそうでしょーよ!
街で着てくれりゃたくさん売れて儲かるから丈を伸ばしちゃおうぜ。川に入ると裾が濡れる?釣り人なんて少ないんだからそんなの無視しとけ!って開発の経緯をひっくり返しちゃった、と。実際スペイは1997年に一度廃版になったモデルですしね。
ワックス加工からウォッシュ加工への変更も、街歩きの服に撥水は不要と判断したのでしょう。こちらはBEAMSが着心地と生地の質感のために行った別注モデルですから、文句を付ける筋ではありません。
むしろ、こうして街着になったからこそ短時間着用3回の程度良好品が出品されるワケで、定価49,500円の品が即決35,000円と相応の価格で入手できたのもありがたいコトです。スペイジャケットは2024年5月末時点で60,500円(税込)と高額ですから、英国スタイルのフライフィッシングとバイクツーリングを一着でこなせるかもしれない?なんてお遊びに、大金をはたいた後に思ってたんと違う…となっては目も当てられませんからね(苦笑)
実戦初投入の機会は2023年6月の栃木県奥日光の湯川でした。むしろ湯川で着たいと思ったからこそ買ったと言っても過言ではありません。
英国由来のフライフィッシングの聖地に相応しい?
釣果にこそ恵まれませんでしたが、装いにこだわると気分がアガります。服で遊んでウキウキ気分でバイクに乗って、来年の同じ時期にまたここに来て、同じように楽しみたいな…と思える遊びができるなら、それは上等ってものですよね。
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