折れた海用フライロッドを使って再生!
またもや作業が止まってしまいました。暖かい時期には釣りに行ってしまうので寒い時期にならないと作業が進まないのが悪い癖です。
東京湾のフグカットウ釣りは8~10号のオモリを使います。採用したグラスソリッドの穂先はかなり細く、穂先の先端の径は1mm未満です。
細く弱いので、傷などによる折損が心配です。またグラスソリッドは繰り返しの曲げ伸ばしで表面のはく離が起こるため、補強のために穂先に総糸巻きを行います。
穂先に糸を巻き付けることで丈夫になることの他に、自重が重くなるため、竿の反発スピードが遅くなります。小さいアタリをとるためには、ゆっくり曲がってゆっくり戻る方がアタリをとりやすい、とする意見もあります。総糸巻き後に塗装、あるいは塗料を削ることで、若干の調子の調整ができることもメリットとしてあげられます。
この竿は視認性を上げるため穂先を白くしますが、あまり白い部分が長いと却って目立ちません。このグラスソリッドは45cmと長いので、根元側25cmを黒にして、穂先側20cmを白にします。
グラスソリッドの糸巻きの前に下地に塗料を塗ります。糸滑り防止と、白い部分は白の発色を良くするため。黒い部分は白い穂先に黒糸を巻くと隙間(下手さ加減)が目立ちますのでアラ隠しです。サンコー商会の高級うるし(人工うるし)で塗りました。
根元側25cmをツヤ消し黒で塗ったら、充分に乾燥したら耐水ペーパーの1000番で軽くさらって、塗りムラを削り、糸滑りを防止するためのアシを付けました。
いよいよ糸を巻きます。細い穂先ですので使用する糸も細いものが理想です。調達したのはポリエステルのミシン糸100番、フジックスの巻きロックという商品です。
糸が巻けたら、上から塗料を塗ってホツレを防止します。黒糸は下地塗装と同じ人工うるしのツヤ消し黒です。これはG-Loomisのブランクがツヤ消し黒なので、同じイメージにしたかったからです。
まずは黒糸から
糸目が見えると隙間が目に付くので、薄めにした塗料を2回塗ったら、すこしましになりました。
ここまでやって作業が止まってしまいました。長い中断の後、再開したのは2019年1月3日です。
穂先先端の白糸を巻いていきます。100番の糸では細すぎるとのアドバイスを受けたので、GUDEBRODのAスレッドの白に切り替えました。トップガイドのパイプの中に隠れる穂先先端はナイロン糸の引き抜きで仕上げられないのでゼリー状瞬間接着剤で止めました。
巻き終えたら黒糸と同様に蛍光塗料の白でホツレ防止の塗装をしました。
白を塗りました
ここまでの作業は、2本継の手元に直接グラス穂先を接着して作業を行ってきたので、継の無いノベ竿(ワンピースロッド)の状態でした。ダブルハンドのパックロッド製作の際に、印籠継ぎの加工をお願いしたブルーヘロンに、再び印籠継ぎ加工をお願いしました。
これだけ長いモノは宅急便も扱ってくれませんし、太いバットに繊細なティップという変わった竿なので、発送中に折れるリスクが怖いです。梱包に悩むくらいなら…と、2019年2月9日、ブルーヘロンの岩田さんのお宅へ直接持ち込んで依頼しました。
岩田さんが出掛けた4ピースのグラスロッドを見せて頂きましたが、僕の依頼の1ピース竿を2ピースに改造する一か所だけの加工であれば造作もないんだろうなぁ~と思わせる、さすがのプロの綺麗な仕上がりでした。
お宅ではコーヒーをご馳走になり、アレコレとフライフィッシングのお話しをさせて頂きました。ありがとうございました。
2月14日には作業が完了したので発送しましたとの連絡を頂き、16日に受け取ることができました。作業代が3,000円、送料が1,577円の計4,577円でした。いや、めっちゃお得でしょ、これ。
切って挿し込んだフェルールプラグです
少し挿し込みが残るようにしてあります
これで釣りに持ち出せる現実的な携行性を得ることができました。作業性も上がることでしょう。完成に向けて大きな前進となりました。
その4へ続く(予定)
Copyright (C) びぃ,2019-02-16,All-Rights Reserved.