トップ釣行記

福島バスバギング遠征

成人用紙おむつの威力を身体を張って試してみた

2008-11-03

その3 遠征2日め

 遠征2日めの朝は5時30分に目覚ましをセットしていたものの、もうちょっと寝るかな…と言って二度寝してしまいました。目が覚めたのはチェックアウトのお時間ですというフロントからの電話で、時計を見ると10時になっていました。あちゃ~。

 今日は昨日と違う溜池へ行きます。以前に様子を見にきたことがあるだけですが、フロートチューブで1日掛けて回れるかどうかという大きい池です。
 10時30分頃に到着して池の様子を覗うと、この池も若干減水しているようですが、昨日の池の単調な泥の斜面の岸際と違って水際に植物があります。
 今日はフライでやれそうだなと目星を付けると、今まさに二人乗りのジョンボートで出船するところの先行者が居てもまず間違いなくバッティングしませんから気になりません。
 むしろドンヨリとした曇り空の方が気になります。秋は冷たい雨になるのが通常ですから、今から降ると確実にサーフェスゲームはお手上げ状態になります。お願いだから降らないで欲しいなぁ。

ドンヨリと曇ってます
釣り場の景色

 今日も成人用紙おむつをしっかり装着し、フロートチューブとフライロッドを抱えて水際に行くと、岸近くで小魚がピチャピチャやっています。
 おお!昨日の池は生命反応といえばたった一回のバイトと一匹見つけたアメリカザリガニだけだったのに、この池は良さそう、と期待を胸に入水します。
 水に浮かぶと気付いたのですが、アオコが発生しているようです。後ろ向きに進むのでV字にアオコの粒子を掻き分けた航跡が丸見えです。う~む。これはどうだろう…?
 今日も水温を計ってみると、昨日より少し高い16.5℃でした。池が大きいから水温が下がるのが遅れるのかな?

まだ水面で出る水温でしょ?
16.5℃でした

 TMC8089の#6サイズのバスバグを結んで、木の下や倒木の脇などに投げ込んでいきますが、昨日に引き続きさっぱり魚のアタックがありません。フロートチューブでそっと近づくと魚の姿が見えることが珍しくないのですが、昨日も今日もさっぱり魚の姿が見えません。う~ん水面近くに魚がいないのかな?
 12時を回ってもウンともスンともいいません。池の奥の方にあるいかにもな倒木をネチっこく狙ってみても魚っけはなし。沖の方で時折バカでかい音でバシャーン!と魚が跳ねる音が聞こえるのみです。おかしいなぁ。だいたい溜池にボラがいるわけあるまいし、何であんなに大きい魚が派手に跳ねるんだ?

 先行者のジョンボートとすれ違ったので釣れました?と聞いてみるとダメですねとの返事。う~む、ルアーでも厳しいのか。
 先行のジョンボートがやってきた方向を見ると、減水して現れたと思われる馬の背状の岬が見えます。秋の岬…定番だな。行ってみるか。

ココがアツかったけど…
減水して現れた?馬の背です

 近づいていくと岸際で小魚が跳ねています。静かに観察していると時折バスと思われる魚がバシャバシャ!と岸際へ小魚を追い込んで、野生の王国チックな捕食シーンを繰り広げています。小魚を追いかけ回していたのか!道理でバスバグで釣れないわけだ!

 ケースの中からマジックミノー(イワイミノー、スーパーミノーとも言う。以下マジックミノー)を取り出し、ティペットを2フィートほどに伸ばして結びます。これを投げると、うまくいけばバスバグでの無反応がウソのように一発で食ってきます。やっぱコレだ~!
 しかしながらこの釣りにはいくつかの問題点があって結局バスを釣り上げることができませんでした。

 第1の問題はキャストの距離が足りないこと。150cmほどの自作ショートロッドは15mくらいまでのショートレンジ専用設計なのでフラッシング(バスが岸と水面を利用して小魚を追い詰めること)しているところまで届かないのです。
 フロートチューブで近寄ってもヨチヨチの鈍足なので既に移動していることがほとんど。慌てて行くと水掻きの音が出て魚が警戒し逃げてしまうようです。とにかくじっと静かにして待ち、近くで魚が捕食モードに入った時に投げる他ありませんが、チャンスが少な過ぎるっちゅうねん!

 第2はロングキャストできないことによるのですがバスを誘うためにフライを引っ張る距離が足りないこと。
 そもそもマジックミノーの前提はボートの上に立って釣るのです。クリアウォーターでワカサギを食うバスを狙うために作られたこのフライは、ボート上に立つことで視点が高くなり地形や魚の姿を遠くから見通し、小魚やバスを散らさないよう離れたところから長い距離を投げ、フライを引っ張って誘います。
 引っ張る距離が短いと効果が発揮されにくく、窮屈なフロートチューブ上では引っ張る動作(ストリップ)の幅が制限されます。目線が水面に近く迫力のあるファイトを楽しめるフロートチューブ最大の魅力は遠くを見通せないデメリットになります。

 第3の問題はそもそもマジックミノーはハリ掛かりの確率が低いこと。タイミングが合って投げることができれば、高い確率で食ってくるのですが、これがことごとくハリに掛からない!
 これは前述したフライを引っ張る距離によります。バスに長い距離を激しく追い掛けさせることでハリ掛かりの悪さをカバーするのです。それでもやはりフッキングの確率は低く、たくさんの人が色々な試みをしているようです。

 マジックミノーが悪いということではなくて、そのタクティクス(戦略)のもつ性格によるものです。マジックミノーは基本的にロングキャストしてナンボの側面があるのです。一方でピンスポットにそっと近づいてコントロール良くショートキャストし、短いフライの移動距離で食わせるのがフロートチューブの特徴です。

 これまで何回か試してみて以上の理由からフロートチューブ+ショートロッドはマジックミノーと相性が悪いことは分かっていたので、出番の可能性がある時は9フィートのロッドを選ぶのですが、まさか溜池でマジックミノーのパターンがハマるとは思ってなかったので、今回は車載すらしてませんでした。

 2時間以上も頑張ったところ10回近くバイトがあったのですが、ハリ掛かりは1回だけ。千載一遇のチャンスはバラしてしまいました。トホホ…。どうやらバスのサイズが小さいようです。そもそもハリ掛かりしにくい魚達だったのね…とシオシオのパァになって馬の背のポイントを離れます。

 大きく移動して対岸へ移ると15時になっていました。そろそろあがる時間が気になる頃なので、帰りながら岸際を撃っていきます。引っ張って誘う釣りができないので、浮かべて食ってくる魚との出会いを祈る釣りです。バスバグよりは確率が高いでしょう。
 それでもフックセットの問題が残るのですが、2回出てどうにか1回掛けることが出来ました。良かった~!ボウズにならなくて済みました。

おちびちゃん、よく食ったね
ようやく釣れたぁ(15:46)

 16時になりこの日の釣りは終了です。

 成人用紙おむつは途中上陸できる場所があったので、今日の活躍の機会はありませんでした。とはいえ昨日一回実戦運用したことでぐっと安心感が高まりましたし、今後は必携アイテムに昇格決定です。まだ残りが余ってるし。
 マジックミノーの釣りに関しては上記にまとめた他にも興味深いことがあって、まだまだ研究の余地があります。
 50cmUPを目標にしたものの釣果は25cmのおちびちゃん1匹と芳しくありませんでしたが、釣果以外の点で収穫もあったし楽しい遠征でした。

Copyright (C) びぃ,2008-11-03,All-Rights Reserved.