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釣り納めに行ってきました

中の島センターで両ウドンの底釣りに挑戦

2009-12-31

 12月30日の鮎川湖釣行で新調したシマノ翼21尺になんとか入魂できたのですが、ハリ掛かりした魚が1枚だけ!では2009年の締め括りとするにはいささか物足りません。
 このままでは納まらん!と最後の悪あがきを何にしようかとアレコレ考えたのですが、荷物が届く予定だったので朝早くから遠くに出掛けることができません。近くで楽しめる釣りと考えると朝霞ガーデンも考えたのですが、やっぱり近所でのへらぶな釣りにしました。

 幸い近所にはいくつかの池がありますが、以前に彼女と室内金魚釣りに行った中の島センターに行くことにしました。へらぶな釣りでは初めての場所です。
 ここはウナギやナマズの自家養殖をされているとのことで、食堂には名物メニューとしてナマズ天重があると聞いていました。あまりお目に掛かれない食材なのでこれを食べたら釣りが貧果でも達成感があるだろうとの弱気な目論見での場所選択でもあります。

 自宅を9時過ぎに出発し、到着したのが9時30分頃。室内釣り堀の受付で釣り料金と昼食代を支払い、奥のへらぶな釣り場へと進みます。
 見渡すと結構人が入っています。この日の天気予報は冷たい北西の季節風が猛烈に吹くという荒れ模様です。それもあって風が防げる箱池の選択なのですが、奥の池のさらに奥は風が抜けて寒いです。結局中央の桟橋事務所向きの道路から3席めに入りました。

ここはあまり風が当たりませんでした
釣り座からの景色です

 一席空けた右隣のおじさんに隣に入れさせてもらっていいですか?と尋ねると、どうぞと返事を頂きました。その際にどんな釣りをしているのかな?と覗くと、15尺くらいの長竿での両ウドンの底釣りをやっているようです。
 実は23日の川越FCでの釣り以来、両ウドンの底釣りに入門してみようと準備を進めていましたので、これ幸いと実践することにしました。
 子供の頃へらぶなってウドンで釣るらしいでと聞いて育った浪花男ですので、へらぶな釣り入門以来、ずっと気になっていた釣り方なのです。これをやらずしてへら師を名乗ってはイケナイという気さえしてくるのが刷り込みというものでしょうか(笑)。

 まずは極軟9尺を繋ぎ、前回使った仕掛けで底が取れるかを確認します。ちょうどチョウチンの位置で底が取れます。良かった!これでオッケー!と仕掛けを作ります。
 今回はいろんな試みをしようと昨日の鮎川湖釣行の帰り道に購入した道具を取り出します。道糸が東レ将鱗へらスーパープロプラス道糸0.4号、ハリスが東レ将鱗へらスーパープロプラスハリス0.2号30-38cmの超細仕掛けです。特にこの0.2号のハリスを極軟9尺で扱い切れるのか?を検証したいと思います。

 ハリは上下ともオーナーのアクト3号、ウキはこれもまた昨日購入したばかりのリコーサーバンス社のさみだれウドン用ソリッドトップ1号です。
 えさは魚信の4mm径ポンプ出しです。ポーションミルクに浸してタッパーに入れて持ってきました。まぶし粉はよく分からないので粒戦細粒を使います。

 ウキのえさ落ちを3目盛り沈めで設定し、上ハリトントンのタナでウキ下を調整した後、釣りを開始したのが10時30分頃でした。
 ウドンに粒戦細粒をまぶして振り込むとウキが一目盛りほどしか馴染みません。小えさの両ウドンではナジミが出るか不安だから8cmも段差をとったのに、それでもこの浅いナジミはどう考えてもおかしい!と改めて水深を探ると、風下になる左側へ行くと1~2目盛り分浅くなっているようです。

 やや右に落とし込みながら、少しずつウキ下を浅くして2~3目盛り馴染むように調整します。調整しながら十数投しているうちに、ウキがモヤモヤとサワリを出し始めました。よしよし。
 しかしなかなか鋭いアタリが出ません。寒いしウドンの底釣りだからアタリが弱いんだろう、とわずかな違和感でも積極的にあわせていきました。打ち返しが多くなれば寄せ効果も期待できます。

 モヤモヤが続いた後、しばらくして一節ほどツン!と引き込む鋭いアタリが出たのであわせてみると、スレ掛かりでした。左右に暴れて上がってきたのは尺近い良型です。箱池だからもっと小さいのかと思ったら、そうでもないのね…。竿が心配だな、こりゃ。
 盛期なら絶対食ってるアタリでしょ?という動きでスレ掛かりが3回続きました。やっぱりタナが深い?と次第に浅く調節していくと、瞬く間に時間が過ぎて11時30分を回りました。お昼ゴハンのアナウンスが掛かり始めてどうにかゴハンまでには1枚獲りたいなぁと切なる願望が出てきます(笑)。

 ポンプ出しのウドンがやや太くなってしまったことと、意外にへらの型が良いこと、風流れが出ているようなので、ハリをアクト4号に変えてみました。しっかりハリ先を出して刺すようにしたら、目盛りの半分だけがムズっと引き込まれるアタリが出ました。
 よっしゃ!これ!とあわせると、ギュン!と竿が絞られます。またスレかしら?と左に強く走る魚を何とか止めて浮かせると、随分太った立派な魚が浮いてきました。デカっ!こんなの居るの?と思わず口走ってしまうような魚を無事取り込んで、両ウドンの底釣りでの初モノを獲りました。

この竿でこの釣りをやってみたかったんです
中の島センターのへらの初物が釣れました(11:43)

抜群のプロポーションです
測ると意外に全長は31cmと短いものの、
背中が張ってデップリ太ってデカく見える良いへらです

 最近入ったばかりの新べらなのでしょう。ズシッと重みの掛かる今年一番男前の魚体でした。こんな魚が掛かるのでは、この竿では実際のところ荷が重いです。しかしこの魚を掛けて0.2号ハリスが切れないとは…。最近の糸が強くなったとはいえ、0.4号ハリスでコイをあげたりと、この竿の能力に再び驚いてしまいました。良くできた竿というのはこんなに凄いのか。

 竿全体が大きく半月に曲がって魚のヒキを吸収し、細い糸をいたわりつつも結局あげてしまうこの竿の作者は川口の方です。キャリアの後期はへら竿に専心し、本場紀州に学んだという作者もここ中の島センターで底釣りを嗜んだかも知れません。そう考えると細仕掛けにならざるを得ない冬の釣りこそ、この竿の最適な使い方なのでは?大きく撓んで決して振り込みのし易い竿ではないので、回転の速い浅ダナの宙釣りにも向きません。じっくり待つ底釣りこそ、最高の仕事をしてくれるのではなかろうか?と思いました。

 なんだか宝物を見つけたような心持ちになったところで、ちょうどお昼ゴハンの呼び出しが掛かり、なんとか一枚釣ってお昼休みとなりました。
 食堂に行くと、本日の隠し本命(笑)であるナマズ天重が鎮座しておりました。いただきま~す。

これが食べれればボウズでもいいと思ってました(笑)
これがウワサのナマズ天重です

 これまでにナマズを食べたこともあるのですが、ほんのり甘い白身はなかなかの美味。天重のタレも甘いのですが、この味付けの中にこの身の甘さは他で経験したことがない珍しい味わいでした。ご馳走様でした。

 さてお昼ゴハンもすんで釣り座に戻ってきました。両ウドンの底釣りを再開します。
 しばらくえさを打ってなかったから、まめに打ち返して魚を寄せなきゃ…と手返しを早くすることを心がけると、数投でサワリが出始めます。箱池だから魚影が濃いのでしょう。あまり雑にえさ打ちすると、却って上ずらせてしまいそうな程です。

 サワリが出たので集中してウキを凝視していると、またもやモヤっとしたアタリというか違和感が出ます。コレをハッシ!とあわせると、元気なへらが右へ左へと走り回ってくれました。

痩せているから旧べらなんでしょうね
2枚めの方が1枚めより長さがありました。でも目方は少ない(笑)(12:42)

これも立派な魚体でした
3枚めは銀色の新べらでした(12:51)

 サワリが出て続けて釣るとやはり魚が薄くなってしまうようです。アタリを待ってしまうことも原因なのでしょう。次第に魚っけが無くなると我に返って、えさの打ち返しをやり直します。
 するとまたサワリが出てきます。結局これの繰り返しなんでしょうね。ツン!と綺麗に入ったアタリを合わせるとスレになるのですが、唯一明確なアタリでハリ掛かりしたのが、最後の一枚になった4枚めでした。

ちゃんとハリ掛かりしたんですよ
自己最小記録!(13:29)

 この後はあわせどもあわせどもスレ掛かり(といっても数枚ですが)になりました。そもそもサワリが少なくなっていったことと、次第に風が出てきたのです。15時前になって、座っている釣り座が日陰になってしまい、急速に寒さを感じるようになりました。終了時刻まで1時間程ありますから、ここは日向を求めて釣り座移動をします。対岸となる事務所側の中央に釣り座を構えました。

やっぱり冬の太陽の光って偉大です(笑)
釣り座を移動しました(15:02)

 ところがやはり天気予報の通り、風がどんどん強くなり、大荒れの状態になってきました。ウドン用のウキはあまりオモリを背負わないものですから、風でドンドン流されてしまいます。ここが潮時と早上がりとしました。

 とにかくチクっと入る良いアタリがことごとくスレ掛かりしました。食いアタリがムズっとした小さいものばかり。やはり冬の両ウドンの底釣りはアタリが小さいのでしょう。後から考えるとハリス寸が30-38cmとやや長かった&段差が大き過ぎたかも知れません。
 しかしそれ以上に感じたのはウキの目盛りが大雑把過ぎ。トップの長さが100mmなのですが、全部で9つに色分けされています。

9目盛りなのが分かりますか?
リコーサーバンス社のさみだれウドン用ソリッドトップ1号
(クリックすると拡大します)

 冬の小さなアタリを獲るウキなのですから、もうちょっと目盛りが細かくてもいいと感じました。実際半目盛りがムズっと動いただけのアタリが食いアタリだったのですから。
 トップだけ塗り直して貰えないかな?なんなら自分でやってみるか?と本気で考えました。多分ボディの最大径5mm、カーボン足60mmなどのその他の作りはいいと思うんです。トップの目盛りだけが気に食わないのです。

 帰りに金太郎釣具川口店フィッシュ・オン カサハラに寄り道して、ちょうど良いウキが無いか探してみました。
 ひろし工房特細仕立 ミスティブルー・PC2号がなかなか格好良くてイケてるかな?とは思ったのですが、お値段が高いのとトップ径が太いので×。関東ではやる人が少ない両ウドンの底釣りですから、こんな用途に専門特化したウキはあまり無いのでしょうね。

 一方で竿の方はと言うと、良いアタリばかりを獲って5枚以上スレ取りしましたが、0.2号ハリスが切れることは一度もありませんでした。というか思い返すと、2009年はこの竿で何度か釣行しているのですが、ハリス切れは記憶にありません。これって凄いな。
 もしかすると作者の意図に迫る手掛かりを掴んだ…?ような気になりました。釣果は4枚と芳しくありませんでしたが、2009年の最後に心に残る良い釣りができました。冬の間はもうしばらく両ウドンの底釣りを続けてやってみたいと思います。

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