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海キャンプツーリングの相棒に

8番8本継フライロッドで遊びたい
TRIP Salt 890-8 9ft 8wt 8pcs : ECHO

TRIP Salt 890-8(ECHO)

 そもそもパックロッドが好きなのですが、バイクに再び乗り始めて釣ーリングをするようになると、さらにパックロッドへの偏愛が強くなってきました。7本継5番指定のフリクエントフライヤー(オービス)を持ってアチコチに出掛けると、さらに高番手の竿が気になり始めたのです。

 さらに高番手のパックロッドは、8番5本継のSAS 908/5(スコット)を長らく愛用してきました。仕舞寸法が60cmでスーツケースに入ることから各種遠征にも連れ出してきましたが、ケースの寸法が66cmで、バイクに積載できるもっと仕舞寸法の短い竿が欲しい!と欲が出てきたのです。できれば海辺のキャンプツーリングで遊べる竿が理想です。

 バイクへの積載物は、車体左右へのはみ出しを極力少なくするため、竿ケースもテントもカバンも寸法を最長60cmを目安に抑えるよう心掛けてきました。さらに60cmからもっと短くなるとバッグの中にスポンと入れられるので、パッキング時の選択肢が広がり非常に助かります。

 アレコレと探しているうちに白羽の矢を立てたのは、エコー(ECHO)のトリップ ソルト(TRIP Salt)890-8です。9フィートの長さで8番ライン指定。なんと8本継!仕舞寸法は15インチ(約38cm)!実にマニア心をくすぐる仕様ではありませんか。
 2017年頃の発売だったと思うのですが、雑誌の広告で見かけてこれ、良さそうだなぁと気になっていたのです。

 発売から3年くらいが経過した2020年年末、そろそろ僕が焦り始めます(苦笑)。これまでの経験がこの手の変わり種竿は早々に製造終了になって短命に終わることが多いぞ?と警告するのです。いずれと思っているうちに手に入れられなくなったモノがなんと多いことか。

 ついに12月26日、トラウトフィッシャーという秋田県大館市にあるショップのネット販売で購入してしまいました。あちこち探した中で一番安かったとはいえ37,500円(税込)はなかなかのお値段で、後からあの時、よく思い切ったな…僕と感心してしまいます。
 ところが円高インフレが急激に進行した2024年5月末時点では44,550円(税込)になっていたので、あの時、よく思い切ったな…よくやった僕としみじみ思います(苦笑)。

 当初ウェブショップの画面から注文したものの、1か月ほど音沙汰がありませんでした。問い合わせると在庫が無いと言われ、その後入荷するまで3か月ほど掛かりました。おかしいなぁ…?在庫が無ければ売り切れあるいは入荷待ちと表示されて注文できないものじゃないの…?
 急ぎの用事や釣行予定は無かったので、のんびりと待っていたら届きました。入荷・発送の連絡をくれた際の店のご主人は、電話口で申し訳なさそうに謝ってましたね。

TRIP Salt 890-8(ECHO)
トリップ ソルト(TRIP Salt) 890-8

 ロッドソックス(竿袋)が付属し、これに入れたままコーデュラケースに収納できます。ケースの長さは46cmと実にコンパクトですが、継ぎ(ピース)が増えた分、ケースの径が太くなるのは仕方ないところです。バイクの積載においては『細くても長い』よりは『太くても短い』の方がマシと個人的には思ってます。
 最もよく使うマルチレインザック(デグナー)の中にもスポン!と縦に収まると、積載の方法がもう一つ増えて大変助かるのです。

TRIP salt 890-8(ECHO)
ブランクの色は青

 ブランクの青は海を意識したもの。本国のサイトにある動画の中で言ってました(笑)。
 他にも情報が載っているのですが、中でも興味深いのはエコーのカーボンロッドの中では最もアクション(調子)がミディアム寄り(胴調子に近い)ことです。

TRIP Salt 890-8(ECHO)
ACTION(調子)とPOWER(強さ)の比較表

 投げる際に穂先を曲げて『つまんで落とす』ようなイメージではなく、竿全体を曲げて投げる竿ですね。僕はイイカゲンに投げるとウィンドノッドができやすいけど、ワイドループを作りやすく、空気抵抗のあるフライや重いフライを投げやすい調子との認識でいます。

TRIP Salt 890-8(ECHO)
ハンドル部分(グリップ+エンドグリップ)

TRIP salt 890-8(ECHO)
グリップ

 グリップはフルウェルズと呼ばれる形で、8番の竿ではよく見かけるタイプです。安定して強い力を入れやすいけど、繊細な操作はあまり得意ではないのが、このタイプに対する僕の印象です。
 中でもこれは結構グラマー(笑)というか、太いところと細いところの差が大きくメリハリの効いた印象がします。グラマーなタイプは人を選ぶけど手に合うととても使い易く、寸胴タイプは万人に合いやすいけど「もうちょっとココが…」と不満も出やすい気がします。

TRIP salt 890-8(ECHO)
エクステンションバット

 エクステンションバット(ファイティングバット)は大物とのやりとりを想定したもので、これがあると雰囲気が一気に海の竿になりますね。角と底に圧縮コルクを使っているのが現代的です。これ強くて欠けにくいとかメリットあるのかな?

TRIP Salt 890-8(ECHO)
リールシート

 リールシートは黒のアルマイト(アノダイズ)処理済のアルミ製で錆にも強そうです。よく見るとリールシートに白い点が2つ(ドットマーク)が打ってあります。(写真の赤丸)
 またアップロックのスクリューがダブルリング(輪が二個)になっています。リールをガッチリ止めるためのソルト用竿の仕様ですね。

TRIP Salt 890-8(ECHO)
アップロック側のフードに溝が刻んであります

 ここにリールの足が入りますよ、気を付けてねという目印ですね。溝のあるフードは珍しくありませんが、目印を打ってあるリールシートは初めて見ました。最近の竿は普通なのかな?

TRIP Salt 890-8(ECHO)
ストリッピングガイドを両面から

 ストリッピングガイドは低摩擦セラミック製とのこと。足にPBと刻印が入っています(写真の赤丸)。ガイドの製造元がPacific Bay社なんでしょうね。カタログを見たところModel-Tじゃないかな?もう一つ上のガイドまでこのリング入りのガイドで、それより上はダブルフットのスネークガイドです。

TRIP Salt 890-8(ECHO)
スネークガイド

 海用ロッドだけあってスネークガイドの線径は太目でしっかりとしたものです。

TRIP Salt 890-8(ECHO)
トップガイド

 トップガイドもワイヤータイプです。こちらも大きめのものが採用されています。

TRIP Salt 890-8(ECHO)
フェルール(竿の継ぎ部分)

 フェルールはカーボンロッドでは最も一般的な逆並継です。この写真では左の太い竿先側の部品がメスで、右の細い竿尻側の部品がオスになります。白い点(マーク)同士を合わせるとガイドの向きが合うようになってます。
 前後に振る回数が圧倒的に多いフライロッドは、フェルールワックスを塗って抜け防止をしてから継ぐのが鉄則です。継ぎが増えればその分スポン!と継ぎ目から抜けるリスクが増えますから。しかし繋ぐ時には計7か所にフェルールワックスを塗るのがちょっと面倒かも(苦笑)。

trip_lamson
trip saltとLiteSpeed-3

 組み合わせるリールはLiteSpeed-3(LAMSON)を考えています。ラインは既に長らくScientific Angler'sのMastery WF-8F SaltWaterTaperを巻きっぱなしで何度か使っています。シンキングラインは使うかな?

 海辺のキャンプ場に泊まって、その近くでやれそうな8番ロッドを使う釣りを考えてみます。河口ならシーバス。港ならアジやメバル。砂浜に出られるキャンプ場ならヒラメやマゴチ、といったところでしょうか。
 過去には浜名湖の渚園キャンプ場で泊まって、敷地から海へウェーディングしてクロダイを狙ったことがありました。この時は車でしたが、次回はバイクでの計画も当然アリです。

 もちろんバイク釣ーリングに限定せずとも、通常の釣りの予備や遠征用のパックロッドとして大活躍して貰うつもりでいますし、フリクエントフライヤーのように2本継や3本継を押しのけてしまうメインロッドとなってくれるのも大歓迎です。

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