シーバスやヒラメを狙ってみたい
K Bullet XD1204-#10 12' 4pcs : Ken Cube
#10-11 LA : WELLSTONE
XD1204 #10と#10-11 LA
2019年2月3日、自分へのお誕生日プレゼントと言い訳しながらヤフオクでポチッとやらかしました。フライ用の竿で、K-BulletのXD1204-#10です。長さ12フィートで10番ライン指定のスイッチロッド(両手でも片手でも投げられるように作られた竿)です。
既に廃版になっているので、ネットを流れてもあまり情報が出てきません。放置されていたページが引っかかったので、記述を残しておきます。
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XD1204 - #10
北海道はもちろん、近年、本州でも釣ることが可能となってきたサケなどの大物を狙うために開発されたロッド。サケやカラフトマスを狙っている場合、突然に岸際を回遊する姿を目撃することは珍しくありません。その時でもショートレンジで正確に静かにフライをプレゼンテーションでき、なおかつ遠方でジャンプする姿を目撃しても、スピーディーにロングキャスティングができるアクションに仕上げてあります。高級なハイカーボンを使用して繊細なティップとパワフルなバットを融合させたニューコンセプトロッド。
適合ライン
シューティングヘッド#10ラインを先端より10m~12mカットし、ランニングラインに接続して使用します。ランニングラインは浮力があり水の抵抗の少ないエアロシューターの35lbをお勧めします。フルラインWF#10
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標準希望小売価格(定価)が78,750円と非常に高価な竿ですが、中古品を28,000円で購入しました。
XDの後継はSwitchシリーズで、5-6番指定の11フィートが2011年10月に発売されています。後に追加されたのは8番指定の10フィート6インチのみで、10番指定の竿はSwitchシリーズに引き継がれていません。ずっと気になっていたこの竿が、こなれた値段で中古市場に出てきたのは僥倖と言えるでしょう。
前記説明文にあるサケを狙う10番指定の竿ですが、多分売れなかったんだと思うんです。そもそもサケは北海道の沿岸部ならともかく、本州では釣獲調査でしかほぼあり得ないので釣り場と釣り人が少な過ぎて、竿がたくさん売れるはずがない。そんな状況下でSwitchシリーズへの後継が始まった2011年は東日本大震災の起こった年です。
僕のサケ釣りは木戸川や請戸川(福島県)が中心だったので、震災以降、川のサケ釣りはやっていません。他にも荒川(新潟県)や、久慈川・那珂川下流(茨城県)、鬼怒川・思川・渡良瀬川・那珂川上流(栃木県)と近県でサケ釣りがやれるところが近年増えていますが行ってません。というのも震災以降、サケ来遊の不振が続いているからです。はっきり言って釣れてません。
本州へのサケ来遊数
(クリックすると拡大します)
サケの放流数と来遊数及び回帰率の推移(北海道区水産研究所)より作成
ここでは本州へやってくるサケの数だけ、僕が初めて木戸川に行った2003年からの推移をまとめました。2009年以前は1,500万尾レベルだったものが、2010年が1,000万尾、以降はさらに半減、回復した年でも1,000万尾程度で、2021年は遂に63万尾と、まるで違う来遊数になってしまいました。
もちろん合計値だけでは各河川の状況を語れませんので、バンバン釣れる川がある、という人も居るかも知れません。福島原発事故のせいで木戸川・請戸川でサケ釣りができなくなった後、釣りに行こう!と魅力を感じる川を僕が見つけられないだけです。しかしながらサケ来遊不振の統計データを見ると、僕と同じように見つけられない人はたくさん居るかもね?とも思ってます。
そんなワケで折れてしまったダブルハンドロッドLOCHMOR-Z F14610-4の代わりを長らく入手しないままでいました。さらにこの頃以降発売されるダブルハンドロッドのほとんどがスペイキャスティング向けであり、シューティングヘッドをオーバーヘッドで投げる用途に向いたパワフルな先調子のものが少なくなった、という事情も重なります。
そうこうするうちに10年が過ぎ去り、2018年11月の朱鞠内湖イトウ遠征で久しぶりのダブルハンドの出番か?と色めき立ったのですが、胤舜15フィート(約450cm)の3本継の仕舞寸法がヤマト運輸の宅急便取り扱い制限(170cm)に引っかかると断られ、発送できなかったのは痛恨の極みでした。昔のダブルハンドロッドに4本継は少なく、この竿は貴重なモデルだったと思い知ることになります。
サケ・マス類だけでは機会が足りない。海、特に河口や砂浜からのシーバスやヒラメなどもターゲットに含めないとモトが取れない、というかダブルハンドロッドを楽しむ機会さえ得られないと再認識し、LOCHMOR-Zの代替は重視しないで、むしろ海へシフトしていくべきだ、と強く感じました。
前掲説明文のいざという時に短い距離を片手で投げる用途は目論見に入れません。あれから10歳齢をとって長い竿を振り切れなくなったのだから、両手で短い竿を投げようと考え、やや短い竿、宅急便でも断られない4本継ぎ、程よいお値段、と全ての要素が揃ったのです。
ところが、海でのフライフィッシングをなかなか実践できず、デビューは購入から7か月が経過した種子島遠征でした。この時使ったランニングラインWetcel ShootingLine .035の巻き癖が全然取れないので、だいぶ抑え目で投げたのですが、オッチャンにはそれぐらい力が抜けた方が後々無理が来なくていいようです(苦笑)。
この竿の初モノ
この時、組み合わせたリールが#10-11LA(Wellstone)です。シングルハンドのEUFLEX GS SaltWater 9012-4(TIEMCO)と組み合わせてシイラ釣りが定番の組み合わせなのですが、シイラ釣りではバンブーに出番をとられて、あまり登場できていません。とても気に入っているリールなので、この竿にも使いたかったのです。
逐一使うラインを巻き替えるのが面倒だし、2種類のラインを準備するのであれば、替えスプールのあるCouse #11-12を使えばラクなんですが、Couseをストックヤードにして巻き替えをどうにかこなしてでも、とWellstoneを偏愛してます。
沈めたストリーマーにはアタリが1度きりだったのに対し、イワイミノーではメッキを釣ることができました。この釣行では遅ればせながらイワイミノーの力を再認識し、特にシーバス狙いではフローティングラインも用意したいと思いました。
シーバス釣りではルアーでも足元まで追ってきて食うことが多いため、できるだけ足元まできちんとフライを引きたい、そうなるとシューティングシステムではなく、継ぎ目のないフルラインが良いな…と思い、寒い時季でもゴワゴワにならない寒冷期ソルト用のWF10Fを探します。
日本橋のサバロでCold SaltWater(AIRFLO)のフローティングWF10番を買ってきました。
コールドウォーターです
これが真夏でもイケてMastery WF10F(SWT)に巻き替えなくてよいとラクなんだけどなぁ。でも、そんな横着すると潮抜き不良でスプールが錆びちゃうかも?やっぱり替えスプールのあるCouse #11-12で対応するのがスマートなのですが…(笑)。
サケを重視せず本流もほとんどやらず、シーバス・ヒラメにシフトするとなれば、ぶっちゃけ8番でも、というか8番の方がいいかも知れません。皆さん同様に思うからXD10番の後継が無いんじゃないですかね?
それでも僕が10番に拘ったのは、いずれの日にかGTを獲りたいと思うからです。海に入ってリーフの端やカケアガリまで立ち込んで行って、ポッパーをパコパコ云わせてドカン!と出したい。そんなコトを夢見始めて、はや20年が経ってしまいました。
再びモルディブに行く時が来るだろうか?突き刺す日差しの下、延々とポッピングを続けられるだろうか?シングルハンドの9フィート12番を振り続けるのは、五十肩の僕には無理な相談です。日々感じる体力の衰えと、心の奥底に澱のように溜まっている夢との間に、どうにか見出したい均衡点がこの竿だったのです。
ポチっとやらかした自分への誕生日プレゼントですが、アラフィフなどと呼ばれる頃には、齢を取るって素敵なコトねと無邪気に云ってられない、少しフクザツな気持ちになりますね。
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