フロートチューブでバスバギング用
高番手ショートバンブーロッドを求めて
この竿の製作にあたってはいろんな工夫を取り入れます。その一つが竹の中心部分を抜くホロービルドです。
一本めのTexasGeneralがとても重かったので、ポイントを軽快に撃っていくフロートチューブ用では少しでも竿を軽くしたい、と思っています。
またホロービルドの特徴は軽量化以上に反発力の向上です。チューブ状の竿が曲がる時、その断面は押し潰れたようになるので、元に戻ろうとする反発力が生まれるのです。以前カツオを掛けた時にもう少しバット部分のパワーが欲しいと思ったことも導入を決めた動機です。
スプリットをテーブルの上に置いてカンナでピス側の山を落とすように削っていきます。おっかなびっくり削っていたら、フル先生がもっとどんどん削って大丈夫ですよとバシバシ削って頂きました。
テーブルに新聞紙を敷き、ハブラシを使ってスプリットに接着剤を塗ります。バット側から作業を始め、貼り合わせたらバインダーでグルグルと圧着します。床にゴロゴロ転がして曲がりや捻れが無いことを確認したら、ティップセクションも同様に作業します。
まっすぐになったら吊るして乾燥させます。通常は24時間で硬化するそうです。念のため48時間とっておけば万全だそうです。
乾燥・硬化しました
バインディングした糸を取り除き、サンディングホルダーを使ってゴシゴシと接着剤を落とします。各面にヤスリ掛けをする回数を数えながら、いびつな竿にならないように気を付けます。
この竿はフロートチューブ上で使うため、水に強く雑な扱いにも耐えられる強さを求め、オイルフィニッシュにします。竿の塗装は桐油に漬け込んで竹の中心まで浸み込ませる含浸法(インプリグネイテッド)をとります。桐油は竹の色が変わりにくいそうです。
接着剤落としの翌日にはフル先生にチャポンと漬け込みをして頂きました。
グリップにも凝りたいと思います。今回採用するのはハンドシェイプカーヴィング。自分の手の形に削り出すグリップです。TexasGeneralの際にも導入を検討したのですが、ここで満を持しての挑戦です。
素材はイクシークのようなコルクも考えたのですが、いかんせんコルクリングがバカ高い!ということで花梨の木材を使用します。
30×30×300mmの花梨角材を東急ハンズで購入すると900円でお釣りがきました。余分はへら竿の握りに回しますので、コルクリングに比べると随分リーズナブルです。
これをバンドソーで150mmに切断しました。さらにフル先生にこの角材の中心に穴を空けられませんか?と相談したところ、見事綺麗に穴を空けて頂きました。フル先生の発想による魔法の工具で素晴らしい出来栄え。僕が10数年夢見て叶わなかった加工を見事に実現して頂きました。
ここからは地道に手の形に合わせて削り出していきます。気の遠くなるような作業ですが、気合と根性だけが友達です(笑)。
桐油に漬け込んだブランクは1か月が経ったので引き上げました。取り出してみると竹の色はほとんど変わっていません。しかし拭いても拭いてもジュワ~っと油が染み出してきます。表面はツヤが抑えられたシットリとした質感です。
これからは木綿の布で、油が染み出してくるのが止まるまで拭き取り作業を行い、止まったら桐油を軽く沁み込ませて磨く作業になります。
その4へ続く
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