トップ創作日誌

バスバギング用
バンブーロッド製作記

最良の機会を得て最狂の企画が動き出す

2008-11-23

はじめに

 2008年も少ないながらフロートチューブ+バスバギングで楽しい釣りができました。近年すっかりお気に入りになったスタイルです。
 そのためのロッドは自作M's Fathomフラデバの経験からショートロッドなら低反発低弾性の素材が合っているかも?との思いが強く、かねてよりこの釣り用の竿にはバンブーが合うのではないか?と考えていました。

 ShakespeareのSPRING BROOKというBass Weightとの表記のある8フィート6インチ、3本継ぎのバンブーロッドを持って2006年にはフロートチューブで浮かんでみたのですが、重くてとても振り続けられるものではなく、もっと短くてもいいから軽い竿でないと手首が壊れてしまうというのが率直な感想でした。

約180gもあります
ShakespeareのSPRING BROOK

 それ以後もバスバギングに向いたバンブーロッドの情報収集を続けていましたが、Phillipson購入のきっかけとなったChartreus Popperというサイトで紹介されているポール・ヤング(Paul・H・Young)のTexas Generalという8フィート8番、2本継ぎの竿のテーパーチャート(設計図)をネットで見つけたのみでした。

 なおChartreus Popperで紹介されたヤングのカタログによると8ft6inのモデルもあったようで、サイト管理者Masahiroさんがお持ちのロッドは特注品とのことです。
 そもそもヤングは顧客からの特別な注文にも快く応じたそうですから、長さ違いは珍しくないようです。別のページで見つけたテーパーチャートでは8ft6in#7とか9ft#8もあるので、どれが正規ラインナップかさっぱり分かりません。ヤング自身が様々な試行錯誤を繰り返す人物だったようです。

 このテーパーチャートをもとにプロのビルダーに製作を依頼すれば素晴らしい出来栄えの竿が手に入るでしょうが、性能(特に重さ)で満足のいくものかどうか分かりません。5-1/4oz(約150g)だそうですからまだゴツい予感がしますし、何度も設計を変えて依頼できるほどの経済的余裕もありません。
 この技術でメシを食ってるプロに向かってとにかくこのテーパーが使える設計かどうか知りたいんだ…。多分1本では決まらないから、見栄えは簡素簡略で良いから安く仕上げてくれとお願いすれば、薄利で手間ばかり掛かる嫌な客の典型(笑)です。

 ところが2008年11月16日、Old River Kawagoeというアトリエを主宰するフルさんという方が、バンブーロッドのビルディング(製作)スクールを開催しており、ヤフオクで参加者を募集しているのを見つけました。これなら自分でバスバギング専用バンブーロッドが作れる!と応募することにしました。
 そこでは2本目3本目を製作する方も居て、もし僕が最初にこのTexas Generalをもとに一本作って満足できなかったとしても、そこから改良を加えていくことができるだろう、と思ったのでした。

 無事落札(?)し、連絡を取りあったところ、23日の10時にアトリエにお邪魔することになりました。ところが道が渋滞して30分程遅刻し、所在地が分からず、家の前の道にまで出迎えて頂きました。ご迷惑をお掛けしまして申し訳ありません。
 お茶を頂きながらお支払とご挨拶の後、Texas GeneralのテーパーチャートとSPRING BROOK、M's Fathomを取り出し、色々な話をしながら打ち合わせをしました。
 フルさんの明るく朗らかな人柄に引き込まれつつ話に華が咲き、あっという間に時間が過ぎてしまいました。僕のような異端の徒のド阿呆な企み(笑)にもヘンな顔一つせず理解を示して頂きました。

 最終的にはTMC8089の#2フックに巻いたバスバグを気持ちよく投げられて、一日のんびりゆるく扱える竿を作りたいのが希望です。軽くするためのショートロッド化などの工夫は全然オッケー大歓迎です。
 とはいえ初めてのバンブーロッド製作ですので、Texas Generalのテーパーチャートをいじってあれこれやるのはどうか?と相談したところ、やはり最初の一本はテーパーチャート通りに作って、しっかり自分の基準とした方が良いとのことでした。
 こうしてフロートチューブでバスバギング用バンブーフライロッド製作という最狂の企画は、最良の機会を得て動き出したのです。

その2へ続く

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