最良の機会を得て最狂の企画が動き出す
3月も終わりに近づいた忙しい時期ですが、アトリエに行ってきました。通算12回目になり、いよいよ作業も大詰めを迎えました。
10時に到着すると、今日のメンバーはエノさんがいらしており、それからフクさんがいらっしゃいました。
3回めの塗装の乾燥中にドライイングモーターから転げ落ちるという悲運を味わった竿ですが、先生の復旧作業により綺麗な表面に仕上げて頂きました。
若干表面にムラがあるので、ブランクの表面をスポンジ研磨剤で磨きます。見てすぐ分かるムラや窪みは#320~#600に相当する極細目(スーパーファイン)で取り除き、#800~#1000の極極細目(ウルトラファイン)を全体的にざっと当てると表面の光沢がくすんでアラが分かるようになります。最後は#1200~#1500の超極細目(マイクロファイン)を掛けると綺麗になりました。
このままでは表面がくすんだままですから、コンパウンドで磨いて仕上げます。布にとってゴシゴシやるとみるみるうちに光沢が出て光り出しました。おぉすげぇな、コレ。
午前中はティップ(穂先)部分の磨き作業だけで終わってしまいました。磨き作業ってキリが無いんですよね。やればやるほど終われなくなっちゃうんです…。
お昼はうどんをご馳走になりました。きょうもまたたっぷり美味しく頂きました。あぁ食べ過ぎかも…。ありがとうございました。
午後はバット(手元)に取り掛かります。気泡やムラを見つけてはこんちくしょ~とムキになってようやく磨き終えるとピカピカに仕上がりました。ムフフ…と一人悦に入っていると、ちょうどタカさんがいらっしゃいました。
タカさんはちょうど7フィート2番のレナード・キャッツキルを参考に作った竿を使ったところで、すごくいいです。理想の竿でした。振ってみます?とおっしゃるので、アトリエの前の路上で試投会が始まりました。
タカさんの竿は1番ラインを乗せた細い竿なんですが、ティップが良く動く竿で実用充分。魚を掛けてもしっかりしてるんですよと仰る通り、見た目よりもちゃんとパワーがあり、若干の風なら全然問題ありません。ライトラインの竿としては僕も好きなタイプで、投げさせてもらって僕も作りたくなりました。欲すぃ、これ。
投げちゃったが最後、僕の竿も投げたくなってしまって、イソイソと取り出してしまいました。こんなこともあろうかと、ちゃんとリールにWF9Fのバスバグテーパーを巻いて持ってきているあたりが怪しい(笑)のですが、3ヶ月は乾燥させないとウレタンが割れてきますよとの先生の忠告もどこ吹く風で試し振りしちゃいました。
投げてみてビックリ、WF9Fのバスバグテーパーだけではまさにムチのよう。ビュンビュン風切音はするし、ターンが強過ぎてバチンバチンと音がするほどです。こんな竿使ったことない…とみんなが驚くほどのビッグロッドです。
それでは…とブレイデッドリーダー5ft+12lbナイロン1ft+フルーツカクテル2番の本気システムにすると途端にターンオーバーしなくなる…。どれだけバスバグの空気抵抗が大きいかまざまざと見せ付けられました。
最近じゃフルーツカクテルも2番サイズは滅法見なくなり、ショップを覗いても6番とか10番とかばかりです。2番となれば、トップのプラグで例えるなら1ozクラスと言えましょう。
しかしこれが投げられる竿が欲しかったのです。ロールキャストで水面から引き剥がし、一発で投げたいのです。ロングキャストもタイトループもいらないから、ストレス無く扱いたいのです。16lbティペットにしてDTを試してみるかなぁ?
ロールキャストも難しいし、キャスティングアークを広く取って、ある程度ラインを出してからでないと気持ちよく飛んでいきません。やはり手強い。はっきり言って誰にでも扱える竿(というかフライ)ではありません。見境無く誰にでもこれ投げてみてとはもう言いません。使い方のコツを掴まないと、なんだこりゃ?としか思えないジャジャ馬ですわ。
さて課題の残る試投は終わり、エクステンションバットの加工に取り掛かります。前回アトリエで削り出した各パーツは家に持ち帰り、エポキシ接着剤で接着しました。
さらに竹片とコルクリングの間に隙間が空いていましたので木工パテで隙間を埋めました。これを再び旋盤にセットして、綺麗に仕上げ削りをします。
気に入った形になったら紙テープでマスキングをして、ウレタン塗料を塗り重ねます。竹片の部分は弱いので傷防止です。
この後気泡を取り除き、2回以上は塗って仕上げたいと思います。
ブランクを切った余りでフェルールプラグを作ります。ブランクの出来栄えから見て、使えそうなのがティップ側のお尻なので太さがギリギリです。
ノギスでメスフェルールの内径を測ると5.85mmでしたので、6mm径まで削って紙やすりで調整することにします。紙テープでキズが付かないようにして、オスフェルールの長さを測って削る目印を付けたら、いざ旋盤へGo!
…ちょっと削り過ぎてしまいました。径が平均5.8mm。バリをカッターで切り落として差し込んでみると、少し緩い目です。塗料を塗ってコンパウンドで磨いてピッタリに合わせるようにします。
この後、スレッドを巻いて塗装をして仕上げる予定です。
若干のパーツ類、ウレタン塗装の乾燥・硬化がありますが、ここからは自宅に持ち帰って続きをやりますから、とりあえずは一段落です。
一応完成ということで写真を撮って頂きました。
撮影の前に夕食をご馳走になりました。五穀ごはんに野菜スープ、餃子のメニューはヘルシー、美味しいの太鼓判でした。いつもいつもありがとうございます。
例の如く話に花が咲いて20時になってしまい、あわてて撮影をして帰宅するという有様です。今日も遅くまでご迷惑をお掛けしまして、ありがとうございました。
パーツ類ができたら各部の詳細を紹介しながら完成報告をしたいと思います。それは次回の講釈で(笑)。
その20へ続く
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