最良の機会を得て最狂の企画が動き出す
2009年もつつがなく明けまして、今年もバンブーロッド製作を続けて参ります。先生、会員各位、この製作記をご覧の皆様、本年もよろしくお願いします。
2009年1回め、通算5回めの製作活動は1月11日(日)になりました。
今日の工程はいよいよやってまいりました、最もバンブーロッドビルディングらしい象徴的な工程です。プレーニングフォームとカンナを使って最終的な寸法まで削り出す本削りの工程です。
削り出す竹片が細いと作業が難しいとのことで、最初にバット(手元側)から作業します。
まずはプレーニングの設定をします。写真の白い紙に記されたデータはフォームの三角の溝の深さを記したものです。これがアメリカ生まれの製作方法なので、単位がインチになっています。あらかじめミリに変換してあります。
しかしながらプレーニングフォームには幅を広げるネジと狭めるネジがあり、このネジがやっぱりインチ単位で配置されているのですよ。やっぱりインチとミリが混在してしまいますので、先生もインチメジャーを使っていました。チクショー!さっさとメートル法に改宗しろよぉ!
最初にネジを緩めて幅を広げたら、溝にデプスゲージを当てて、ネジ一ヶ所ずつ幅を調整して三角の溝の深さを調節していきます。小数点以下2位まで測れるので、0.01mm広めにセットします。
全て調節したら、端から数値ピッタリに合わせますが、どこか一ヶ所を調節すれば他が狂ってしまいます。アルミのフォームは締め付け過ぎると撓むそうなので、締め付け過ぎないように注意しながら根気良くあわせていきます。
たっぷり3回は調節を繰り返して、ようやくぴったりにあわせました。いよいよフォームの溝に竹片を乗せて、カンナで削っていきます。
こんな感じで乗せます
洋カンナは押して削ります。普段見かける和カンナは引いて削りますね。カンナの刃を調節するのはなかなか難しく、刃の出し具合は経験と勘とのお言葉を先生より頂きました(笑)。
右ききの僕は右手でカンナを持ち、左手で竹片を押さえます。三角の溝にぴったりはまるまで竹片の2辺(表皮側は削りません)を削っていきます。
当然カンナがけの基本であるスムーズに一気に押して(和カンナ:ひいて)削るのが理想ですが、8フィート(約240cm)の半分約120cmの長さがあるので竹片を一気に削るのは困難です。上背のない日本人では1ヒロの長さが短いのでなおのことです。
さらに三角の溝にぴったりはまるまで削るということは押さえにくくなるのですよ。こりゃあ結構コツと力が必要な重労働だワイ、と汗をかきかき削っていきます。
この日も10時30分頃、アトリエに付いて、ノンビリお喋り。あっという間にお昼になってウドンの昼食を頂いたら、タバコで一服しながらやっぱりお喋り。休憩の合間に作業をしているような具合なので、午後を使って晩ゴハン迄にようやく4本削った、といったいつものスローペースでした。
晩ゴハンのカレーライスを美味しく頂いた(いつもありがとうございます)後に21時までバッチリ作業して、ようやく6本削り終えました。
アルコールランプを使った曲がり直しがうまくいってなかったので竹がよじれて綺麗に削れなかったり、節削りでエグっていたので竹の幅が足りず隙間ができそうだったり、スクレッピングが平らになっていなかったので竹がいびつな三角になりそうだったり、とこれまでの不具合のツケがまとめてやってくる大ピンチに見舞われましたが、先生にかなり修正して頂きました。
最後にテープで6本の竹片を貼り合わせて隙間ができていなければ、まずはちゃんと削れたことになります。先生が貼り合わせてチェックしている時は、テストの採点を待つ生徒のような心持ち(笑)でしたが、まぁいいでしょうと言ってもらった時はホッとしましたね。
その9へ続く
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