トップ創作日誌

バスバギング用
バンブーロッド製作記

最良の機会を得て最狂の企画が動き出す

2009-2-1

ハンドルの検討

 まだ決めていなかったのがハンドル、リールシートなどです。リールをフルーガー・メダリスト1495 1/2DAにしようかと思っていたのですが、フットが厚いことで有名(?)なこのリールでは金具を選びますし、そもそも#8ライン用リールではどんなものでも結構重くなります。
 重いリールをしっかり固定するもの…と普通に考えれば、特にリールシート金具はアップロックスクリューがベストな選択です。実際自作グラスソリッドロッドM's Fathomでもアップロックスクリュー+アルミスペーサーにしました。

 ところがChartreuse Popperの管理人MASAHIROさんのTexas Generalの写真を見ると、ハンドルはリッツタイプのグリップにコルクのスペーサー。リング&ポケットというシンプルな構成になっています。

 MASAHIROさんはScott+Hardyの頁でハーディーのJET SETがアップロックだったことを考えると、このシートを考案したのもJon E Tarantinoではないかと推測されています。Key TaccataさんのJETをめぐるいくつかの断章 その3 Glaskona では64年カタログ掲載のGlaskonaがアップロックスクリュー+ダブルリングとなっています。この頃に登場したのであれば、4~50年代のTexas Generalがアップロックでないのは道理です。

 当時の工作技術ではスクリューリングは一般的でなかった(あるいは実現できなかった)?とか、小規模だったヤングロッドカンパニーでは技術やコスト等の面で採用できなかった?とか、ヤングはそもそもスクリューロック方式など眼中に無かった?などとアレコレ妄想してしまいますね(笑)。

 先生にはコルクスペーサーにポケット&リングではしっかりリールが固定されるか心配とアドバイスを頂きました。実際僕も不安に思います。
 そもそもTexas Generalの完全レプリカを作りたいワケではなく、むしろそのテーパーデザインに興味があるところですから、僕の好みで決めたいと思います。

 そこで実物を見ながら考えないとね、と羽生にあるうらしま堂渡辺釣具店に行って参りました。他にも買いたいものがあったのでちょうど良い機会でした。

 ここでガンブラックの染色剤を発見しました。サンプルの染色済み金具を見ると渋い色合いで気に入ってしまいました。アルミの金具は軽くて錆び難く、ヤングの時代には新しい金属素材として注目を浴びていたのかも知れませんが、かなりピカピカに光ります。これで染めた金具ならバンブーの風合いに合うかな?と思ったのでした。

アルミもイケるとは!
ガンブラックの染色剤

 この染色剤、アルミも染まるとのことですが、アルマイト加工をしていると染まらないとのことです。この店で扱っているアップロックスクリューはアルマイト加工をしているため、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)で剥離しないといけないそうです。帰宅後ネットで調べるとパイプユニッシュでも剥離できるようです。
 ここは面倒(苛性ソーダはかなりの悪臭がするらしい)なので、より簡単に染まるニッケルシルバーを使った金具に決めました。

ちょっと黄色がかった色合いです
ニッケルシルバーのアップロックスクリューセット

 スペーサーはコルク。上のフードにもコルクを被せたアップロックスクリューにしました。せっかくアップロックスクリューにしたので、着脱式エクステンションバット(ファイティングバットとも)を使えないだろうかと店長さんに相談するとパシフィックベイのものを見せてくれましたが、これもアルミ製でした。
 色合いが合わなくなるからナットを埋め込んで自作します…と言ったら、ニッケルシルバーのシートエンドの金具(フタ)を加工してくれました。加工前のものを一個入れときますからイタズラに使ってくださいとおまけしてくれました。ありがとうございます。

 リールシートの下部にナットを埋め込み、穴を開けたシートエンドの金具でフタをします。エクステンションバットはステンボルトにコルクリングを貼って形成し、穴を通して着脱可能にすることにしました。次回までに部品集めと寸法取りをやらなくちゃ。

内径16mm、深さ9mmです
この中にナットを埋め込む予定です

 他の創作活動の部品やエノさんのリールシートも購入し、帰りにアトリエにお邪魔したらヤマさんとエノさんがちょうど作業を終えるところでした。エノさんに部品を渡すだけのつもりだったのに、ちょうど晩ゴハンのタイミング。美味しい麻婆豆腐までご馳走になってしまいました。
 何だかゴハンだけご馳走になりに行ったみたい…いつもいつもありがとうございます。

 さてこうなると残るはグリップです。当初はリッツかフルウエルにしようかと思っていたのですが、グリップにはベンチレーテッド方式だとか親指置き型(あ!これダウンロックスクリューだ…)だとか、アレコレと工夫を凝らしたことで有名なヤングです。
 ここはリスペクトやオマージュといった意味を込めて、イクシークやメガバスのARMSのようなハンドシェイプグリップ(エルゴノミクスグリップ)に挑戦してみたい気持ちが無いでも無い…(笑)。っていうかヤングだったら絶対一回は試しているだろ?って気がしますよねぇ。

 ただ問題はイクシークみたいにコルクで作ると欠けそうだし、ARMSのようにハードウッドで作ると間違いなく重過ぎるはず。ARMSコンプリートのようなマイルドな曲線にしてみっかなぁ?

これはメープルかローズウッドですな
Megabass ARMSサイトより拝借

 一昨日、サバロの店長さんには作り方教えますよと言ってもらったし、デコボコを柔らかく仕上げた人もいるようです。これだといい感じですねぇ。
 エルゴノミクスデザインでは汎用品として売り出しているものもあるよう(ネタ元)ですし、格好良くて使い良いデザインがあるんじゃないか?って思えてくるのです。

その13へ続く

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