最良の機会を得て最狂の企画が動き出す
製作に取り掛かります。最初に先生に竹を見立ててもらって丸竹から六分割された竹片の節削りから始めます。
本来の作業工程であれば丸竹の分割からになります。今回はすっかりお喋りが過ぎてしまいました(笑)ので、既に先生が割った竹片からのスタートとなりました。
2009.2.7 丸竹の分割の様子を追加しました。
なおポール・ヤングの代名詞とも言えるフレイム仕上げは、丸竹のまま行う処理なので今回は採用しません。材料の竹は充分に乾燥が行われているので、特に行う必要がないとのことです。
Texas Generalのテーパーで僕に使える竿ができるのか?が最大の関心であって、外見まで似たレプリカを作るワケではありませんので当然異論はありません。中にはフレイム仕上げを好む人もいるそうです。
竹ってこんなに曲がっているんですよ
竹片の節は8~9箇所くらいあるでしょうか。これを一つずつ削り取っていきます。ところが竹は節で曲がっているし、左端の竹片のように横倒しになるものもあるし、で取るだけでも大変です。まさに格闘。
残り10個になったころお昼休みとなり、昼食をご馳走になりました。ありがとうございました。初めての工程ということもあって丁寧にやったんですが、ちょっと遅過ぎです(苦笑)。
続く工程は竹への目印入れです。
節を4cmずつずらすスパイラルで竹を固定し、各セクション4ft+切りしろ(リーフェイ)2inを含めた長さにカット位置をマジックで書き込みます。その後竹片に番号目印を書き込むのですが、やはり竹がまっすぐ綺麗に並ぶわけもありません。
採寸した位置がずれないように足で踏みつけて、どうにか書き込む作業はまたもや格闘!バンブーロッド製作を独りでやるのは大変ですなぁ。
次に目印に沿ってノコギリで竹片を切ります。今度はノコギリの歯が竹に挟まって動かない…。切り口を広げるように持って切るんですとのアドバイスでようやく切り落とせます。逐一課題が発生するなぁ。
竹片をさらにタテに割る竹割の工程の前に、テーパーチャートから各セクションの最大幅を計算します。アメリカ人の設計値を参考にするので単位がインチなのです。ちくしょ~。オマイらさっさとメートルに改宗しろよ~。
ここでバンブーロッド作製支援ソフトtakerodを使って、数値を入力しストレス曲線を見ると先生が胴から曲がりそうな竿だねと一言。怪しげ(笑)な解析結果が出ました。
Chartreus Popperでの評価がロッド全体でパワーを稼ぐパラボリックアクションとのことだったので、竿の性格を見事に分析しているようです。
Texas Generalのストレス曲線
さてトップセクションで4mm、バットセクションで6mmと最大幅が計算されました。この幅より細くならないように竹をさらに裂いていきます。この時の模様はアリテイに言うと自分で写真を撮るほど余裕が無かったのです。
結果トップセクションを5分割、バットセクションを4分割するのですが、この竹割がまた難しいこと!油断すると一方の竹片がみるみる細くなってしまうのでコンチクショー!とばかりに竹を押さえてカッターの刃をこじっていきます。
全て終わる頃にはどうにか竹の特徴が分かり始め、出来の如何はさておき楽しい工程だと感じました。僕ぁ好きですよ、この作業。
竹割の終わった竹を持って
今日の作業はここまで。竹割の途中に夕食もご馳走になって、21時に近づいていました。お喋りに華が咲きまくって全然進まなかった初日でした。
まぁ実戦投入は水温むGW明けくらいでしょうから、ゆっくりのんびりやります。冬のうちに出来ちゃったら絶対テストをやりたくなるのでフロートチューブで凍えてしまいます(笑)。
バンブーロッド製作以外の話もたくさんして、先生・ご家族・スタッフの皆様にも暖かく迎えて下さいました。特に一家団欒の食事は既に人生の半分近くを独り暮らしに費やしてきた者には眩しく、暖かく、かつたいへん美味しゅうございました。
まさに同好会のような雰囲気の中、楽しく製作作業ができて感謝感激です。次回を今から待ちわびております。
その3へ続く
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