通算3度目のモルジブ。GTに逢いに南の楽園へ。
7日目(9月5日)は釣り最終日となりました。Huvarafushi(フバラフシ)の港を出港して空港のあるHanimaadhoo(ハニマードゥー)へ戻るルートになります。いよいよ最後だねぇ、と皆で話すとあっという間にこの日がやってきた気がしてきます。
この日もやっぱり朝から釣り三昧でした。浩一郎さんは「グランドカーニバルが来ない。」とこれまでの釣れ方に若干の不満を感じている様子です。「充分釣れているんですけどねぇ。」と山口さんと話すも「いや。ハマった時はこんなモンやないで。」とのことでした。
この日最初のGT。
この時はこれでも充分釣れている、とホントに思ってました。
午前中でIhavandhippolhu(イハバンディッポル)環礁を離れ、HAA ALIFU(ハーアリフ)環礁の方へ戻ってきました。最初に着いたMaarandhoo(マーランドゥー)島でエビを購入するため停泊します。
Maarandhoo(マーランドゥー)島
とても綺麗な海と砂浜
現地の船(ドーニと呼ばれる)の船倉。エビやハタが何匹も入ってました。
上には服が見えますね。海上で何日か生活するスタイルなんだろうと思います。
Dhidhdhoo(ディッドゥー)で手配していたエビが届き、漁船が横付けされます。漁船は5人以上いたでしょうか?船の大きさの割には人が乗っていました。
みんなでガヤガヤ言いながら、大きなエビ(でかいイセエビサイズ。色がカラフルだった)を2匹、ハタ(ファナと呼ばれる)を1匹買いました。値段は忘れてしまいましたが、(日本人感覚で)かなり安かった記憶があります。
普段これらはリゾートのホテルに売るんだそうです。というのもモルディブの人達はエビやハタを食べないそうです。海底に絡んで生活している生物は避けられるんだそうで、イスラムの教えによるものらしいです。
確かにモルディブの人は浮魚を好んで食べるようで、この後ファルークが流していたルアーに食ってきたハガツオを「BONITO(ボニート)!」と叫んで大事そうにキッチンに持って行きましたし、前回ツムブリを2本釣った僕を「RAINBOW RUNNER!You are a good dinner fisherman!」と笑っていました。
日本人の感覚ではやっぱりツムブリやハガツオよりはエビやハタの方が喜びますよね。
さて買い物の後は昼食。それが終わってHAA ALIFU(ハーアリフ)環礁のインリーフを巡って行きました。
なにやら塔のような建物があるUtheemu(ウティーム)という島の前に来た時、ファルークが「This is most historical island in maldive.」(多分こんな感じ)と説明をしてくれました。「What's history in this island?」(あってる?)と聞き返すと、ファルークはこの島の話をしてくれました。英語のヒアリングは僕が最も苦手とするところですが、なんとか必死に聞きました。
Utheemu(ウティーム)
この左側に塔のような建物がありました。
昔この島にモルディブ最初の人達がやってきて暮らし始めたんだそうです。Special three familyと言ってましたから3家族だったのだと思います。ここから他の島へ移り住んでいったのでモルディブの起源となる島なんだそうです。
当初のモルディブは現地土着の宗教だったのでしょうが、まずヒンズー教が入ってきたんだそうです。この北の端にモルディブの起源の島があることからも分かるように、外界との接触はスリランカ(セイロン島)やインドと言った北からのアプローチだったのだろうと思います。
その後イスラム教が入ってきて、モルディブはイスラムの島となります。イスラム統治が続いた後、16世紀の大航海時代にポルトガルがやってきます。(ファルークはポーチガと言っていたので最初分かりませんでした。ポルトガルっていかにも日本語読みですもんね。)このポルトガルとは激しい戦いが起きて、たくさんの人々が死んだ、その結果独立を勝ち取った、というようなことを言ってました。
モルジブは17世紀以降、インド洋でハバをきかせたオランダ、そしてそのオランダを破ったイギリスの保護下に置かれることになり、1965年イギリスから独立することになるのですが、このあたりはファルークの話の中にあったかどうかは分かりません。聞き取れなかったし、覚えてません。
この釣行記を書く段になって東方観光局というサイトで調べました。こうやって調べてみればすぐ分かるのですが、どうしてかこんなことを言ってるヤツもいます。いつフランス領になっちゃったんでしょうね?
ちなみにファルークに「ミーマス(ボーンフィッシュの現地名)って知ってるか?」と聞いたら「I know. Bonefish!」と返事が返ってきました。
フライフィッシングのターゲットになっていること、干潮時に干潟に降りてやる(しかない)ことも話してくれました。彼曰くまだあまりやる人は少ないそうです。
この後通ったMathi FaruとDhonakulhiの間の綺麗な水路で「オーツカさん。このあたりはボーンフィッシュが釣れるよ。」(英語で)と教えてくれました。
そんなモルディブの歴史や文化にちょっぴり触れたところで、このUtheemu(ウティーム)の沖合でカーペンターのアバサをポッピングしているとドバン!と出てきました。
エイッ!エイッ!と合わせるとフッキングしたようです。この1本だけは絶対獲りたい!という気持ちが湧いてきて、スターンへ移動しファイト開始です。
サイズは大きく無いですが、Utheemu(ウティーム)のGTを無事獲りました。
モルディブの歴史的な島をバックに
記念撮影できる幸せを感じることができた1本。
さてはてUtheemu(ウティーム)を離れて、アウトリーフに出て流していきます。
次第に風が強く、波が打ちつけるようなハードな海況になってきました。ず~っと流していくと灯台を過ぎたあたりから1キャスト1ヒットになってきました。
投げればドカン!次の人がデッキに立って投げればドカン!GTをキャッチしてバウのデッキに戻ると、みんなファイトしているので、休む間もなく投げるとまたもやドカン!まさにGT千本ノック。これぞ浩一郎さんの言ったグランドカーニバル。
まわりのクルーは大ハシャギ。アングラーはもうヘロヘロ。このグランドカーニバル、なんと僕だけで8本のGTをキャッチしました。
途中でヤマシタのハワイアンフックが抜けてカーペンターのアバサを持って行かれてしまいました。仕方ないので、シーフロッグに替えてもやっぱりドカン!と出てきます。
グランドカーニバルではいちいち写真を撮っていられません。
今回1番大きいと思ったこれだけは撮りました。
このグランドカーニバル、4人で何匹のGTを釣ったかさっぱり分かりません。30本くらい?もうダメ~カンニンしてぇ~というほどGTを釣りまくる、これぞモルディブってところを最後の最後で見せてくれました。
船長。大変お世話になりました。
グランドカーニバルが終わると日が傾き始め、Hanimaadhoo(ハニマードゥー)へ向けて船は進みます。いよいよ旅も終わりとデッキに立つと夕日が当たってインド洋がキラキラ光っています。あ~ええ旅やったなぁとシミジミします。Hanimaadhoo(ハニマードゥー)の空港沖の浅瀬に入る前に山口さんが最後の1本を仕留めて大団円でした。
釣果はGTだけの総数で146本。内訳は僕が29本。浩一郎さん、好勝くん、山口さんがそれぞれ39本。山口さんのGTが多分最大で35kg前後ではないかと。好勝くんの最大GTも多分30kgUP。カスミ、ラインマス(バラフエ)はちゃんと数えてないけど20本ずつくらいは釣ってます。珍しいところでは山口さんがイソマグロを、好勝くんがギンガメアジを釣りました。
帰国してのちの評判で聞いても、近年のモルディブではやっぱり出色の釣果とのことです。
空港沖の浅瀬で停泊。ここは沖泊まりになりました。雨が振り出して後片付けを終える頃に最後の晩餐。昼間買ったエビとハタを調理してくれました。エビはボイルしてオリーブオイルと炒めたガーリックを合わせたソースをつけていただきます。美味い!ハタはグリルでした。ちょっと生焼けのトコロがありましたが、ちゃんと火の通っていたトコロはこれまた美味かった!です。
毎晩、夕食後のんびりビールを飲みながらみんなで釣りやいろんな話をした楽しい時間もこれで最後です。明日は帰りと思うと名残惜しいですが、素晴らしい旅を満喫できました。
その8へ続く
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