3本めはへら竿に挑戦!
以前フル先生に見せて頂いた10尺のへら竿があります。アルンディナリア・アマビリス(Arundinaria amabilis:バンブーフライロッドの材料となる竹、いわゆるトンキンケーン)の六角貼り合わせ、メタルフェルールによる2本継、テーパーはハーディのパラコナだそうです。要はバンブーフライロッドをそのままへら竿にしちゃったもの。
トップガイドだけが付いてあり、ここに道糸を結ぶのだとか。恐るべきは先生の研究心です。変態的発想としては人後に落ちないと自覚する僕でさえ竹片貼り合わせの六角でへら竿を作ろうとは思いませんでした。
ところが手にとってみると猛烈に重いのです。テンポよくえさを打ち返し…なんてやってると手首が壊れそうです。とにかく軽くしないととても使えそうにありません。僕だったらどうするかなとアレコレ考えてみると、次第に楽しくなってくるものですね、妄想が(笑)。
とにかく軽くしないと使えない
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単純に短くする
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野釣りでは短竿の出番が少ない
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管理釣り場なら短竿が使える?
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規定最短は8尺のところが多い
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8尺に決定
などとツラツラと考えているうちにすっかり作るモードに入っちゃっている自分に気が付きました(笑)。そんなわけで3本めのバンブーロッド製作はへら竿に挑戦します。
2007年5月にへらぶな釣りに入門したばかりの初心者なのですが、昨今の様子を見てみると、管理釣り場では大型魚を中心に放流しており、尺モノは決して珍しくありません。夏場には50kg超の釣果を出す人も珍しくないと聞きます(僕は釣ったことないけど)ので竹竿では一日持たないとか、もはや釣り場の状況が竹竿の限界性能を超えてしまったと言われることも珍しくありません。
しかし和竿で用いる竹に比べて繊維(パワーファイバー)の密度が濃く、層が厚いと言われるアルンディナリア・アマビリスであれば、一日めいっぱい使える竿ができるかも知れません。目標は管理釣り場のメーター両ダンゴで尺べらを一日中バンバン釣っても問題ない竿です。
管理釣り場のメーター両ダンゴの短竿は、硬めのいわゆる引ける竿が定石です。浅いタナでへらを掛けると左右に走りやすいのですが、釣り座の左右に人が居るのが管理釣り場の常です。へらが散ったり、両隣に迷惑を掛けることを避けるため、走らせないようにそうなっているのですが、ぐいっと竿を引いて寄せるのは僕の好みではありません。
軽くハリのあるカーボンロッドでは魚に違和感を感じさせ過ぎてしまうようで、魚との引っ張り合いになるようです。竿を立てているだけでへらを上(水面)へと誘導し、沖でポカッと浮かせられる竿が理想です。そのためには竹の低い弾性が活きるんじゃないかな?と思っています。
一方の野釣りでは魚影が濃く、大型のへらが釣れるところもありますが、さすがに短竿では使える状況が限られます。どうしても長竿の出番が多くなるので、最初の一本は管理釣り場・釣り堀用8尺として作成します。のっこみの大助用短竿なんてのも面白そうですけど、それはまたの機会に。
アルンディナリア・アマビリスの新たな可能性を追求するとココロザシを高く掲げつつ、実際はただ面白がって遊んでいるだけというのは、損得抜きのアマチュアにのみ許される特権です。また阿呆なコトをやっているなぁと笑って頂ければ幸いです。
その2へ続く
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