3本めはへら竿に挑戦!
完成させてしまいました。あまりに間が伸びてしまい、ポツポツとしか作業をしなかったため、製作記にまとめにくいなぁ…と思っていたのです。
では、写真とともに詳細を。
今回の課題であったスプライススウェルの握りです。ル・グラン・ソワールのHardi 704 paraに惚れ込んで挑戦しました。教えを乞うた原田さんはその後真竹を用いた原田竹竿に移行されています。
素材は花梨です。少しは格好良く仕上がったかしら?かなり小振りに作りました。
焼印を発注して、自ら押してみましたが、少しズレちゃいました。銘は『から竹』。もちろんトンキンケーン(アルンディナリア・アマビリス)で製作しているところから。
竿尻。ロッドエンドの部品です。フライではあまり凝りようの無い箇所。へら竿は凝るトコです。今回はオランダ水牛の角というハンコ用の材料をヤフオクで入手しました。これを旋盤で成型して接着剤で貼り付けました。
握りの直上、スウェル部分です。ここが綺麗にできるかがキモです。実際あまり綺麗にできませんでした。まぁそこはアマチュアの初挑戦ですから(笑)。
作成途中は見せた全ての人にスレッドを巻かないのか?と訊かれましたが、僕には全く意味が分かりませんでした。ここにスレッドを巻いて隠してしまえと言う人の気が知れません。これを作る意味が無くなる、それが美学と言い切ってしまいます。
スレッド(巻き糸)はシルク(絹糸)の白100番です。通常へら竿の巻きといえば黒い漆を塗るのが定番ですが、今回はフレックスコートでコーティングした際に透けて竹の地肌が見えるので、竹素材をアピールして、一本棒の延べ竿に見えるデザインにします。
デザインはへら竿の伝統的な意匠である笛巻き。二本の巻きが並びます。ルアーやフライロッドのガイド無し、といった感じになります。それなら巻かなくても…という意見もあるかも知れませんが、補強の意味で巻いてます。昔のインターミディエイトラップ(段巻き)と同じですね。
竿の塗装(バーニッシュ)はカシューのスーパークリアをドブ漬け(ディッピング)です。
3本継ぎの竿ですが、継ぎは逆印籠継ぎ(スピゴットフェルール)にしました。穂先の後端にグラスファイバーの印籠芯を差し込んであります。この印籠芯が竿に対してまっすぐになっていません。印籠芯を削った時に、先細のテーパー状にしたようで、曲がって接着してしまったのです。従って、竿を継ぐと、ここからカクッと曲がってしまいます。
芯の寸法が短いので、作成途中には全ての人から穂先が抜かれるだろうと言われましたが、実際の釣行の結果、13枚釣って、穂先を抜かれることはありませんでした。意外と大丈夫。
しかしながら、継ぎの部分は難しいです。緻密な工作の精度が要求されることを改めて知りました。少し緩いので、釣行の際にはローソクを垂らしてぎゅっと押し込みました。
印籠芯が刺さるメス側は穴を空けています。ブランクの中心に穴を空ける加工が一番の難所です。今回はフル先生の技量をお借りしました。僕では到底自信が無いし、印籠芯の加工の問題と合わせて、次回作は根本から考え方というか工法を変えるつもりです。
口割れ防止にニッケルのわっかを嵌め込んでいます。ここから割れるのが一番怖いトラブルですから。併せて口巻きをシルク(絹糸)の白100番で巻き上げています。これも割れ防止です
へら竿の穂先の先端は道糸を結び付けられるよう、蛇口もしくはリリアンを取り付けるのが通常です。昨今のカーボンロッドでは道糸絡みを避けるため、リリアン部分が回転する部品が付いています。
今回はニッシン製のスーパーローリングトップを接着しました。道糸が絡まないための技術を凝らした工夫があるのなら積極的に取り入れたいと思います。
上州屋浦和店で見つけた径1.5mmを1,417円で購入しました。カシューのドブ漬け(ディッピング)で仕上げた塗膜を削って、接着剤で接着しました。
どんな竿になったかはこちらで覗いてみて下さい。
その7へ続く
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