トップ創作日誌

Bamboo meets へらぶな

3本めはへら竿に挑戦!

2009-12-23

切断・竹裂き

 最初の工程は通常通り竹を割る作業ですが、既に割った竹を用意して頂きましたので、竹を切る作業からになりました。8ftの3ピースですから約85cmの位置に切断線を描き、6片に目印の線を引きます。その後糸鋸でゴリゴリ切っていきます。
 切った竹片は3種に分けます。バットセクション(手元)を幅5mmに、ミッド(元上であり穂持でもある)とティップ(穂先)のセクションは幅4mmに裂きました。

節落とし

 最初の作業は意外に難しく、後々まで影響の出てしまう節落としです。ベルトサンダーで節を慎重に落としていきます。ところがやはり削りたいところ以外のところを削ってしまうのです。こうして削ってしまうと後々、スプリットの貼り合わせ後に隙間が出てしまうのです。何箇所かを誤って削ってしまい、またもや意気消沈のスタートになってしまいました。この作業キライ…。

2010-01-10

荒削り

 ミリングマシンによる荒削りの行程を行います。6片×3種の18本を対面幅約3.3mmに削りました。この作業では挿し入れた時にコバを斜めに削った竹片が一本、コバから裂けてしまった竹片が一本ありました。これまでこんなことは無かったのですが、挿し込み方が悪かったようです。高速回転する機械ですので、扱いには注意が必要です。ちょっと怖かった…。2本余計に作業して、どうにか削り終えました。

バインディング

 フル先生お手製のバインダーで6片の竹を向かい合わせて縛ります。綺麗に三角に削れているわけではないので、向かい合わせる作業に結構てこずりました。セロテープで仮止めしながら向かい合わせたのですが、本削りが終わった後の方がよっぽどラクですね。

2010-01-17

火入れ・糸解き

 火入れを行いました。寒い冬場ですのでオーブンの温度上昇に時間が掛かりました。火入れだけは夏場に限ります。とはいえオーブンに入れて待つだけですので、一番ラクな作業でもあります。
 火入れが終わったら手袋をして取り出し冷まします。冷めたら鋏でバインディングした糸を切って解きます。

握りの切り出し

 今回はスプライススウェルの握りに挑戦するので、ハードウッドを使います。東急ハンズで30mm×30mm×300mmの花梨の角材を買ってきました。これをバンドソーで122mmに切ります。簡単かつ綺麗に切れますのでバンドソーは大好きです(笑)。

エナメル剥がし

 一番汗をかく作業のエナメル剥がしをします。台削りカンナで表皮を剥ぎ取り、サンディングブロックで表面を削ります。この作業を終えると、節落としの際に角を落としてしまったアラが見えてきます。今回は控えめにしたにも関わらず、結構エグっていました。トホホ…。いつになっても上手になりません。
 汗をかきかき、ベルトサンダーなんてキライだー!と言いながら、ガシガシと削っていきました。この行程で手を抜いて、ベルトサンダーでエグった箇所をそのままにすると、プレーニングフォームを使った本削りで隙間が空いてしまうので、手を抜かずに削ります。
 とはいえタイヘンな作業なので、バット(手元)セクションの6本で一旦作業は終了です。

2010-01-31

握りの作成

 前回切り出した花梨の角材のコバに線を書きます。対角線を書いて中心を出し、一本の線を基準に60度傾いた線を分度器とポンチを使って引きます。
 角材のコバの中心に穴をあけます。穂先側になる方に3.0mm径のドリルでできるだけ深く開けます。竿尻側は4.0mm径のドリルで旋盤の工具を固定するための穴をあけます。
 穴が開いたら旋盤にセットして削ります。グリップ直上の対角幅が7mmです。ここから太くなるのですが、できるだけ細身にしたかったので、一番太い部分で17mmにしました。

小さめ細めです
削れました

2010-02-06

溝切り

 握りの表面に三角形のスプリットが入る三角形の溝を掘ります。機材はフライス盤。初めて使う道具です。ボール盤と旋盤を組み合わせたような機械です。

 この作業のために道具道楽で60度のV溝を掘るV溝トリマービットを購入しました。大日商というメーカーが製作しているもので5,095円でした。値段は日々変動しているみたい…。

 ビットにテープを貼ってこれ以上彫っちゃダメ目印を付けます。フライス盤にセットして、コバに書いた60度の線を繋ぐように表面に書いた線を目安に少しずつ花梨の木材を削っていきます。

おお!便利だこの道具
こんな感じです
(エノさん撮影。ありがとうございます)

 穂先側は緩やかなテーパー形状になっていますので、フライス盤のビット天地方向を手で調整しながら彫り過ぎないように進めます。

欲しいな…フライス盤
少しずつ削っていきます
(エノさん撮影。ありがとうございます)

 順調に60度のV溝を彫っていきます。ところが!いよいよ最終の6本めの、まさに仕上げといった段階で木材を固定している万力が緩んでしまい、欠けができてしまいました。オー!マイゴッド!

トホホです…
やっちゃったぁ…

 最後の最後でこんなミスを犯すなんて…。ガッカリです。やっぱ作り直しかなぁ?
 たくさんの本数を作るには向かない方法ですが、アプローチとしては間違ってないと思うのです。とりあえずこの失敗作を持って来週開かれるハンドクラフト展に行って、原田さんに教えを乞うかとうなだれて、この日の作業を終えました。

その4へ続く

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