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Oh! My Rod!

バス用スチールロッドのレストア記

1999-2-7

出会い

 1999年2月6日に代々木のカディスで一本、竿を衝動買いしてしまいました。その竿の名はHeddon製のPal。約1.5mのバス用ベイトロッドで、委託販売の値札に1950年から60年代の物と書かれていました。この竿の何がウリかってぇとですね、素材がなんと鉄!そうスチールロッドなんです。

 いや~。ウワサには聞いてもいたし、目の当たりにしたことも当然あったわけなんですが、実際に手にとって見るとシビレました。本当に鉄で釣竿を作ることができるんだ…と。
 それにアクションもなかなか自分好みで、なんだがとっても気に入ってしまいました。今までヴィンテージだとか、オールドタックルなんてモンにはあまり興味がなく、グレン&グリーンが欲しい!なんて言ってたぐらいだから、ガキの頃欲しかったあの竿系の古い物ぐらいしか関心がなかったんです。(まだ募集中!情報求む!)

 またなんでそんな物を買ったのかと言うとですね、実は安かった!からなんです。(^^) なんと¥8,000-ナリ。
 ま、状態がかなり悪く、ガイドのスレッドの塗料がはげていたり、グリップのコルクが少し欠けていたりで、安いなりの理由があるわけなんですが。
 でも、これを見ていたらムクムクとガイドを巻きなおしたりしてリペアしたら充分使えるやんけなどと思い、安いし気に入ったし買っちゃった、と。そんな次第です。

 もともとコレクターでもないのでリペアをしてガンガン使ってやります。オリジナルからまるっきり別物になっちゃうかも? 気分次第で修復作業をやり、随時進行状況を報告したいと思います。

1999-2-8

相方

 そうRodとくればReelでしょう。Bread & Butter、Heads & Tails、ゴホンといえば龍角散 (ビックリ!一発変換!)より明らかですね。
 すなわちHeddon Palに付けるリールがない。厳密に言えばCulcutta201XTとか、Ambassadeur4500CSとか、PhantomSS-15ACならあります。でもキンキラキンだったり、重かったり、付かなかったりするので、新しくこの竿用に買うことにしました。

 とはいえ¥8,000-の竿だからあまり高いのは買いません。不釣り合いは不縁の元。金も無いし。で買ってきました。いいのがあったんだな、コレが。
 その名はHeddon Pal P-41(Silver)。同じ会社同じ名前。これで相性の悪かろうハズが無い! 購入したのはバスポンドでした。店長に聞くとやっぱり同じ1950~60年代の物だろうと。そうだよね。普通竿のシリーズ名がバンタムなら、リールがスコーピオンってことはないよねぇ。やっぱリールもバンタムでしょう。

 と、いうことで早速くっつけてみました。やっぱりピッタリあいます。当然といえば当然なんですけどね。心なしかリールシートの後ろ気味のポジションになっているような気もしたけど、握ってみるとピッタシ、サミングポジション。
 ダイレクトドライブなので機構が簡単らしく、かなり軽いです。スチールの竿なのにリールが軽いせいかかなりバランスがいい。 もともと軽い竿ではあったんだけど、持った感じはベビートーピードでも投げよっか、って雰囲気です。結構ご満悦。機関も好調。これで¥14,000-は安い! Rod&Reelで¥22,000-。結構お買い得な買い物だと思います。

 すっかり年代物なタックルになっちゃったけど、まぁ安いもんだし釣り合いも取れました。いい相方を持ったことで竿もゴキゲンでしょう。

1999-2-18

外観

 レストアをする竿を紹介しましょう。これを眺めながら、リペアの計画を練っていきます。
 まずは全景、といきたかったのですが、忘れっちゃいました。写真は部分ばっかりです。長さが1.5m位(5ft?)しかないので、ガイド数が4つです。ホンマに大丈夫かいな?ブランクにラインが当たらへんか?と思ってしまいます。ガイドの数を増やすことも考えなきゃならんでしょうか?

 まずはガイドとその周りです。
 ガイドの形は昔のミルドラムっぽいです。こういう形が流行だったのか?今となってはクラッシックなスタイルですね。最近はFujiのばっかりになったから、いろいろな形の楽しみは無くなってしまいました。

topguide
トップガイドです。

 ガイドラップのスレッドはだいぶ剥がれていて、さすがこういうところに¥8,000-を感じさせます。(^^;) どうやらオリジナルは白いスレッドを巻いて、その上にクリーム色の塗料で下塗り。本塗装は白がメインで、縁取りに赤を塗っていた模様。こういう塗りはちょっと…。って思っちゃうのは私だけ? ここは赤のスレッドで縁取りの飾り巻きをして、塗りはクリアコーティングだけで仕上げたいと思っとります。

guide
ダブルフット(#2)ガイドです。

 1999年2月7日夕刻、新宿の風来堂にイギリスのSEYMO(セイモ)社製のガイドが売ってありました。こういう形のヤツで、リング部分はFujiだそうです。1セットで6個ほど入っており、¥4,000~¥7,000と決して安くはないです。これ買って取り替えるかな?と思ってます。

 蕨の佐々野釣具店には赤や緑のリングが付いたパーフェクション社製のガイドが置いてあって、これまたシビれました。最小サイズでも8mm径と大きいのです。フライのストリッピング用なので仕方ないけど、もっと小さいサイズのがあったら、ぜひ使ってみたいですね。

 
ブランク(バット部分)の様子

 ブランク本体の一部です。この色は正直言ってよくわからん。というのも元々こんな色だったのか、何か塗料が塗ってあったのか、それとも錆びてくすんでこんな色になったのか。う~ん。どんなものか。

 ここはピカピカの銀色にしちゃうのも何なので、とりあえず表面のクリア塗料を落として、このくすんだ色を地色にしちゃおと思います。コンパウンドかなんかで凸凹をとって、上から新しくクリアのコートをするだけで仕上げようか、と思ってます。コートも薄めでスチールの感触が残るようにするといいかなぁ?

 次はグリップです。いいです。ちょっと変わってるというか、これが普通なのかも知れないけどコルク部分にコーティングがしてあります。ニスかラッカーか何でしょう?コルク欠け防止だと思います。

pal
リールシートからグリップにかけて

pal

 現在のは薬品コーティングがしてあって中性洗剤で洗うとコーティングがとれてコルクが欠けやすくなると聞いたことがあります。とても目立つコーティング(^^)ですが、握った感触がホントしっくりくる。形がいいんでしょうか? ここに惚れたといっても過言じゃないです。

 それだけに悩んでます。というのも、やっぱりコルクの張り替えをするかどうか。この感触が多分なくなっちゃう。再現できるか自信が無い。上のコルク部分(アッパーグリップ)は技術的に難しく手間がかかりそう。やるならどっちもやらなきゃ不細工だし…。ここは手を付けないかも知れません。一番最後に回します。

 おまけでリール。絶妙の相方です。ダイレクトドライブなのでシンプル。クラッチもドラグもないので軽いです。これはリペアの必要なし。構造も簡単なのでバラして洗って油さして終わりです。ギアボックス部のサイドがねじ式でポロッと外れるのには驚きました。いいですね、簡単で。まずはバラして大掃除です。

pal
リール Heddon Pal P-41

pal

 問題はむしろラインでしょう。昔のラインなんて売ってないし使い物にもならんでしょう。とりあえず代替品としてPEを使います。あんまり細いと糸噛みするよ、と店長に脅されたので40lb以上(多分4号以上)を使おうと思っているんだけど、4号以上っていうとほとんど船釣り用でしょう。メーターマークの入ってないヤツ探さなきゃ。


リールを装着するとこんな感じです


 やっぱ良いです。見た目リール位置が下っぽい感じもしますが、握ってみるといいポジションです。サイズも大きくなく、日本人の手にもスッポリ入ります。ただリールシート(ブランクも^^)が鉄なので、冬場は地獄です。下手すると凍傷コースです。あったかい季節しか使いません。絶対。

その2へ続く

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