バス用スチールロッドのレストア記
スプレーによる下塗りができたので本塗装に移ります。竿の塗装こそがこの竿の最大の関門だったわけですが、うらしま堂渡辺釣具店のサイトで紹介されているしごき塗装を導入しました。
2006年1月のPacificBayのバスロッドブランクをライトジギングロッドへ改造では黒に、2006年12月のGTロッドをヘビージギングロッドへ改造では濃青に塗り、とりあえずは満足行く仕上がりを得られるようになりました。今回も同じ方法を採用します。
2008年12月20日には和竿師エノさんからストッキングを使った拭き上げ塗装の方法を教わりました。
今回はしごき塗装がラクかつ以前に成功した実績があるので、初挑戦は避けたいこととストッキングの調達に躊躇われるものを感じる(笑)という理由で採用は見合わせます。
しかしこの方法は竿の断面が真円でないとか節などの段差があるといったクセのあるブランクには大きな威力を発揮しそうです。いずれ挑戦することになるのは容易に想像できますね(笑)。
最初に1000番の耐水ペーパーで塗装面を軽く荒らして塗料の食い付きをよくします。
ブランクを万力でつかんで、地面に対して垂直になるように立てます。立てたらティッシュペーパーにノンシモンを含ませてブランクの汚れ・油分を拭き取ります。
ブランクを立てます
塗料ポット(ソケット)を準備します。ポリプロピレン製の容器とフタを切って作ります。ホームセンターの塗料コーナーで購入できます。釣具店では日本橋のサバロで扱っています。
中心に穴の空いたゴム板を挟み込みます。穴の径はティップより小さいものでなければ塗料がはみ出ます。
ゴムを挟みました
竿の先から挿し込んで、一番下の根元まで引き下げます。
ソケット準備オッケー
塗料はナガシマのネオウレタンクリヤーを使います。塗料カップに入れてよくかき混ぜたら、しばらく放置し熟成させます。このクリヤーはなかなか粘度があがらないんですよ。
黒や青の塗料は30分もすれば表面に膜ができるのですが、今回は1時間、掌で暖めてもややトロッとし始めたかな?という程度でした。本当はもっと粘度をあげた方が失敗しません。
静かにソケットに塗料を注ぎます。いらない紙やティッシュペーパーを近くにおいてソケット置き場を確保したら、ソケットを下から一気に引き上げて塗装します。
早く引き上げれば塗膜は厚く、ゆっくり上げれば薄くなります。どれくらいのスピードが良いのかは経験と勘としか言いようがありません。
今回は塗料の粘度がゆるい(水っぽくサラッとしている)ので、ゆっくり引き上げて塗膜を薄めにしました。
塗装したブランクはそのまま乾燥させます。余った塗料をティッシュペーパーなどに垂らして硬化具合の参考にします。
約48時間後に様子をみたら、無事硬化していました。
気になるのはレタリングシートを貼った箇所ですが、すぐに剥がれることはなさそうだけど、塗膜がやや薄いかな?という印象でした。もう一丁!と言いたくなる仕上がりなので、2回めの塗装に移ります。2回めも工程は同じです。
相変わらずクリアーは粘度があがらず、熟成のため2時間待ってもサラサラでした。仕方が無いので2回めもトラブル回避のためゆっくりソケットを上げたので、やっぱり塗膜が薄くなってしまいました。だって速く上げると塗料がドバッとこぼれそうなんだもん。
まぁ塗装の基本は薄く数多く重ねて塗るですからヨシとしましょう。もうちょっとソケットのスピードを上げてさらに2回塗装しました。
結局4回クリアーを塗り重ねました。あっさりさっぱりの仕上げにも関わらず、結構手間と時間が掛かった工程になってしまいました。
コンパウンドで塗装表面をゴシゴシ磨くとくすみもとれ、金属が強調される仕上がりになりました。
その7へ続く
Copyright (C) びぃ,2009-2-4,All-Rights Reserved.