バス用スチールロッドのレストア記
またもや1か月以上も間が空いてしまいましたが、ガイドを巻く作業に入ります。
購入時にこの竿に付いていたガイドは保存しておくことにします。いかにもお疲れさまと言ってやりたくなるほど傷がついています。
特にALLANと刻印のあるトップガイドはガイドリングに溝が彫れていて、このままでは簡単に糸が切れてしまいそうです。
既に買っておいたSEYMOのSiCガイドを使います。ガイド個数を増やすことも考えましたが、やはり本来と同数にし、配置も事前に測っておいた位置にします。
最初にガイドの足をグラインダーで削ります。削った表面が荒れて摩擦が高くなるのと、足が低くなることでスレッドが落ちにくくなります。結構キーッ!てなるので面倒ですがやっときます。足が低く薄い方が格好良いと言う人もいますね。
ただ調子にのって縁をピンピンに削るとナイフ状になってスレッドが切れ易くなりますので注意します。足の上を削れば充分です。
資料を集めてみると、どうやら赤の下巻きに黒のラッピングという配色になっています。以前スレッドを剥がした時には白い塗装が出てきましたし、ダブルラップではありませんでした。今回はせっかくガイド数も少ないことですし、過剰装備ですが見栄え重視でダブルラップにします。
本来のラッピングはこんな感じだったようです
スレッドは金属をアピールするコンセプトに則り、GUDEBRODのHT METALLICスレッド#9326のREDと#9001のBLACKを使います。ともに細いAスレッドです。
このスレッドは耐久性が弱いため飾り巻きに使うものであってガイドを止める本ラッピングには向かないとされています。
しかし実際コート材を塗って糸切れしたという話は聞いたことがありません。今回は見栄え優先でガイドラップに使ってみて、糸が切れたりガイドが外れるようなら巻き直すことにします。
まずはコネット直上バット部分の飾り巻きを入れます。ここもオリジナルの雰囲気を踏襲します。
ここは通常2色の糸を巻けば終わりですが、段差を付けるのも飾りのうちということで意味もなくダブルラップにします。
次にガイドチャートに従って、ガイドの位置を決めてマスキングテープで仮置きします。ガイドの足の長さを見ながらガイドの下になるベースラップの長さを決めて、マスキングテープを貼ります。
METALLIC REDのスレッドでベースラップを巻きます。巻けたらボドキンとかボールペンのグリップなどで糸の隙間がなくなるように馴染ませます。
FlexCoatLITEで1回目のベースラップのコーティングをします。薄め液で半分に薄めたものを作り、糸に染み込む程度に塗ります。
充分に乾燥・硬化したら、チャートに従って再びガイドを配置しマスキングテープで固定します。向きがずれていないか確認したら、METALLIC BLACKのスレッドで片足ずつラッピングします。
コネット直上の飾り巻きの部分にもMETALLIC BLACKのスレッドを巻きます。METALLIC REDがちょっとだけ出てくるくらいに覆います。
2回めのコーティングからはネオウレタンクリアーを使います。一応1回めはガイドが上に乗るため塗膜の固いエポキシ塗料で、2回めからは薄く仕上げるためにウレタン塗料で…というコトなんですが、どちらか一種類で仕上げても問題はないでしょう。
最終的にウレタン塗料で4回コーティングし、昔のロッドのような薄い塗膜にしました。赤メタリックのギラギラ感も少しは落ち着き、黒は濡れて黒々として、下品なくらい派手なヤンキーの竿って感じになりました(笑)。
見た目だけでスレッドを決めてしまいましたので強度に不安が残ります。古いダイレクトリールを組み合わせる予定ですので無理にあおったりはしないと思いますが、大丈夫かな?
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