使いでが広がる2通り
Trastick S610-710L 6ft10in/7ft10in 4pcs : SHIMANO
STRADIC CI4+ C3000HG(2016) : SHIMANO
去る2012年9月にシーカヤックに挑戦して船上からアオリイカを釣っちゃう(称してイカヤック)佐渡旅行の計画を立てました。これに際して購入した竿がトラスティック S610-710Lです。
一人乗りのシーカヤックに僕と彼女がそれぞれ乗って計2艇の予定だったため、各自で使う竿が必要でした。一本はこれまで愛用してきたクワトロ6フィート6インチを使うとしても一本足りません。クワトロをカバンに詰めておきながら、2本継の竿をもう一本手で持ち歩いて新幹線に乗るのも何だかなぁ…と思うワケです。
クワトロよりももうちょっと長い竿がいいかな…と思っていたところ、金太郎釣具店川口店にて、専用ケース無しの新古品で8,080円で売られていました。見掛けた時にはこの竿のことを知らなかったのですが、竿に掛かれたスペックからイケそうだ!と購入しました。
Lの表記は、パワー(力)がLight(ライト:弱い)を示します。適合ルアーウェイトは4~21gとあります。エギの3.5号で約20gですから、おおむね対応できそうです。むしろ軽い4g~の表記が小型ポッパー、ペンシルベイト、ミノーなどのライトゲームに合いそうだと高評価でした。
この竿は5本の部品がありますが、実は4本継の竿で、3番(元上)が長短2種類ある変則の構成です。610-710の表記は2通りの長さを選べることを示しており、短い方の3番を使って繋げば6フィート10インチ(約205cm)、長い方の3番を使って繋ぐと7フィート10インチ(約235cm)となります。
竿はおおむね、短いほど扱いやすくなるので窮屈なところやピンポイントに投げ込みたい時は短い竿、長いほど飛距離が出るので広いところでえーい!と遠くへ投げたい時は長い竿。乱暴に分けるとそんな感じです。
継ぎの方法を見ると、1番(穂先)と2番(穂持)の継ぎが逆並継(スリップオーバー)、2番と3番、3番と4番の継ぎは印籠継(スピゴット)です。
3番と4番は口巻の縁に印籠芯(ペグ)との段差があって、細い棒を挿し込んでいるのが分かるでしょうか。2番は口巻のコーティングが穂先側(写真下)まで塗られており、ブランクがそのままオスフェルール(すげ込み)になっていることが分かります。
グリップはコルクのセパレートタイプです。海用のルアー竿は適合重量が重くなるほどEVAが多くなる気がします。
リールシートは富士工業のIPSKNタイプ。フォワードグリップを回転させることでフードが上下するダウンロックです。
この竿にはフックキーパーが付いています。最近の竿には減ってしまったような気がしますね。フードがせり上がる形だと、この竿のように間隔をあけてやる必要があります。
余談ですが、この竿はシマノがヨーロッパ市場向けに企画開発したものを日本でも売っているんだそうです。なんだか昔の大型バイクみたいですね。輸出専用車だったカワサキのZZR1100が逆輸入車として日本で売られていたのと同じようなものかしら?
竿袋(ロッドソックス)に収納した際の仕舞寸法は64cmです。専用ケースの長さが不明なのですがパーツリストによると商品コード338532、パーツ番号9001、シリアルパーツナンバー12V71で、価格は3,410円(2024年6月)とのこと。ケースをパーツ取り寄せで購入しようかどうしようか?と購入以来10年以上ずっと迷っています。バイク釣行が本格化していよいよ欲しくなりそう…。
残念ながら佐渡旅行でのシーカヤックは荒天により中止となり、代わりに港でのエギングでデビューを果たしました。彼女に使ってもらったところ、アオリイカが掛かったものの目の前でポロっと外れて残念ながら入魂を果たせずでした。
佐渡釣行の後、出番はなかなか巡ってこなくて、2016年7月16日東京湾・深川さわ浦丸でのタチウオワインド初挑戦の際に遠征じゃないけど使ってみよう!と持ち出しました。このタチウオが初物だったと思います。
この竿の初物
その際に相方を務めていたリールは初代セルテート2500(ダイワ)だったのですが、なんとこの日に逆転レバーが折れ、ハンドルシャフトのカバーを紛失し、ジグをシャクると時折ハンドルが滑る感触がする(おそらくインフィニットストッパーの損傷)と一度に3か所も問題が発生し、いきなり満身創痍になってしまったのです。
上州屋で修理が可能かを尋ねると初代セルテートの修理サポートは既に終了しましたと言われ、引退→殿堂入りとなりました。
この2か月後の9月にはモルディブ遠征を控えており、トラスティックは絶対持って行くことに決めていました。新しい相方が必要だ!と購入したのが、このストラディックCI4+ C3000HG(2016)です。
この頃、釣り人の間ではこのストラディックが話題になっていたのです。CI4+の効果でとても軽く強いらしいと。当然僕も興味津々でした。
GT遠征の際にいつもお世話になっているバスメイトの店長、池貝さんに相談し、取り寄せをお願いしました。ナイロンラインの下巻きの上にPEライン1号を150m巻いて(カタログ上はPE1号400m)、いざモルディブに持っていったのです。
モルディブでデビューさせたストラディックの第一印象はやっぱり軽い!に尽きます。そもそも持ち重りをうんぬん言う程の大きさではないのですが、やはり軽いと快適です。
当初の目標だったカヤックに載せることは2019年8月の長崎九十九島シーカヤック旅行で果たされました。とはいえ二人乗りだったため、カヤックの上で釣ることは叶わず、上陸してからシロギスを狙うに留まりました。
このリールはトラスティックだけでなく、当然セルテートの後継としてクワトロとコンビを組むこともあれば、船のシロギス釣りの竿(船の達人シロギス180)やマダイのひとつテンヤの竿(鯛夢TMS-245M-ST)など他の竿とも組み合わせて使いたいとも考えたので、替えスプールを購入します。
シマノのリールで型番C3000の頭に付くCはコンパクトの意味で、一番手下の2500番と同じボディであることを指します。よって2500番のスプールを付けることができるのです。
さっそく替えスプールをバスメイトで取り寄せしました。細糸のバリエーションを広げる2500番のシャロースプール(PE0.6号200m、PE1号110m)です。
こうして竿の長短2通りの使い分けができるとともに、リールも太細2種類の糸を使い分けられるようになりました。PEラインやナイロンラインなど種類や太さを変えて、あらかじめスプールに巻いておけば、釣り場でその時の状況に応じて変更できるので、守備範囲がぐっと広がります。
このコンビが固まって以降、遠征にはほぼ間違いなくメンバー入りさせて大活躍しています。2018年10月宮崎チヌのルアー釣り、2018年11月朱鞠内湖のイトウ、2019年9月種子島遠征と連れ出しました。
とにかく対象魚や使う場所を特定しないまま荷物に加えておき、状況を見て取り出しルアーや仕掛けを投げてみる…なんて使い方にバッチリとハマる道具です。このコンビで何とかならんかな…?と釣り場に立つと、手管や小技のアイディアをどんどん捻り出して何とかするのが楽しくなっちゃう、たいへん使いでのある道具なのです。
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