3年ぶりにGTに引っ張られよう
朝になって明るくなったら船のエンジンが始動します。この音で目覚める朝も久し振りです。ベッドから這い出してキャビンに上がり、クルーや同行者に朝のご挨拶です。
船はアンカーを上げ、停泊したリーフを離れて走り始めます。この日はSHAVIYANI(シャビヤニ)環礁を北へ折り返して向かいます。
朝一番は魚の食いも良かろうと、最初のポイントへ走る間、船の後ろからトローリングでルアーを流します。キャビンでゆっくりお茶を頂いて、さてと竿を見てみるとリールから糸が全て引き出されていました。魚が掛かっています。
待望のスマガツオが釣れたら、クルーがあっという間に捌いてしまいました。腹身の部分を切り出したのでI want to use it for trolling-baitと言って譲って頂きました。食べるにも一番美味しいところですが、今回はこれをベリーベイトにしてティーザーを流してみます。
このスイッチベイトとも呼ばれるスタイル、近年ロンピンでのセイルフィッシュが話題になってご存じの方も増えたと思います。全長20cm程度のトローリング用ルアーに繋いでGTタックルで引っ張ってティーザーとします。これにセイルフィッシュが食いついてきたら、旨いカツオの腹身をしゃぶらせるだけで竿をあおって口から抜き取り、ティーザーを巻いてきます。セイルフィッシュをベリーベイトに執着し興奮させて、船縁まで寄せてきたら、フライを投げるというものです。
2003年のモルジブ釣行で投げたルアーにセイルフィッシュが食いついた一件以来、ハッキリ言ってセイルフィッシュは人生の宿題になってしまいました。死ぬまでに一回釣りたい魚です。
できれば昔見たFlyFishing Video Magazineのように、フライフィッシングで釣りたい。移動の間にティーザーを流してみようかと前々から思っていたのです。とはいえコスタリカやロンピンのような有名な釣り場のようにはいかないでしょう。まぁ姿が見られれば御の字といった確率でしょうから、お遊びの範疇を出ません。
ムックSaltFlyFisher2009にベリーベイト作成の方法の記事がありましたので参考にします。このために浦和のユザワヤでカーペット針を、薬局でデンタルフロスを購入して持ち込んでいたのです。
船の航跡が消える先あたりにティーザーが来るように流し始めたら、イソイソとフライタックルを準備します。
トローリング用ルアーと組み合わせたベリーベイト
セイル用フライタックル
ROD: TIEMCO EUFLEX GS SaltWater 9ft #10-11
REEL: WELLSTONE 10-11 LA
BACKING: PE4号
LINE: SA Mastery WF12F SWT
BUTT: VARIVAS ShockLeader 60lb 5ft
CLASS: VARIVAS GAME 16lb 1ft
SHOCK: VARIVAS ShockLeader 100lb 2ft
そうそう簡単にセイルフィッシュが食いついてくることも無く(船長に聞くと1~4月の乾季が良いそうです)、GTのポイントにやってきたらトローリングは終わりです。一旦巻き上げてGTフィッシングに戻ります。というかこれをやるためにモルジブに来ているのですから頑張ってルアーを投げ続けます。
そして移動の合間にまたトローリングです。アンタも好きねぇと言われつつも魚が掛かると嬉しいモンです。
昨日釣れたツムブリとけさのスマガツオは昼食に刺身で出してくれました。何も言わずにお造りにするとは日本人のハートを分かってるねぇ(笑)。醤油は持参していったものを使いましたが、ワサビはS&Bのチューブのものをクルーが出してくれたのにはビックリでした。ゲストが置いていったのかしら?
特にカツオ大好きなモルディビアンにはスマガツオが釣れたのには喜ばれ、ポイント移動の際にトローリングもっとやれと何度か言われてしまいました(笑)。
とはいえ、やはり本命はGTです。北上した船はKanditeem(カンディティーム)の島を超え、再びHAA DHAALU(ハーダール)環礁へ戻ってきました。
今回初のバラフエ(現地名:ラインマス)を釣ったのは鴨野さん。年々少なくなっているように感じるこの魚は食味の点でモルディビアンに人気です。やや固めの身はフライ(揚げ物)に料理されることが多く、鴨野さんはこの魚を美味しく頂くためにキユーピーのマヨネーズを持参したとのことです。
待望のラインマスは随分大物でした
計測してみると約6kgもありました
もちろんこの魚は食材に回されました。夕食に出てきたフライにマヨネーズを付けて食べるとまさしく間違いの無い味でした。どんなにしっかりハードに揚げてもバッチリ旨い。エラいぞ、マヨネーズ。
この日は停泊地からどんどん北へ進み、HAA DHAALU(ハーダール)環礁のKudafarufagandu(クダファルファガンドゥー)の沖合に停泊です。とはいえ白い砂の島や浅瀬に囲まれた水路にアンカーを打っていました。この砂の島や浅瀬はとても綺麗でボーンフィッシュ捜索をやりたくなるようなフラットが広がっていました。
なお今回クルーからボーンフィッシュならKanuhura(カヌフラ)で釣れるとの情報を得ました。LHAVIYANI(ラヴィヤニ)環礁にあるOne & Only Kanuhuraというリゾートで有名なところですが、たぶんボーンフィッシュを試みるお客さんがいるのでしょう。
結局、この日の釣果はGT2本、スマガツオ1本、アオチビキが1本でした。浩一郎さんはキャビンで過ごすことしばしばで、この日はほぼお休みのGTなし。鴨野さんがGT1本、カスミアジ1本、バラフエ1本。ファルーク氏がGT3本でした。
日が沈んだ後はライトゲームに期待です。辺りが暗くなり月が昇る頃、船の明かりに寄ってきた小魚は昨晩以上です。鴨野さんが小さめのグロー(夜光)のメタルジグに反応が良いことを突き止め、いろんな魚をライトジギングで釣り上げます。
ポッパーとエギに拘った僕には一匹も釣れず。できれば大きいアオリイカが欲しかったのですが、鴨野さんが手のひらサイズのイカを4ハイ見かけただけで終了となってしまいました。
その4へ続く
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