3年ぶりにGTに引っ張られよう
今日はIhavandhoo(イハバンドゥー)を出発し、Ihavandhippolhu(イハバンディッポル)環礁の北部を巡ります。これまで最も実績のある海域の一つですので、まさにこの日がメインイベントと言えましょう。
アウトリーフに出てHuvarafushi(フバラフシ)を巡り、ぐるっと環礁を回ってルアーを投げていきますが、この日の朝練もGTがご挨拶してくれるコトはありませんでした。こんなに朝練が悪いモルジブ釣行は初めてです。
昨日4発出たもののフッキングできずにボウズを食らってしまった僕としては、この日のバイトを逃すわけにはいかないとルアーの腹側のフックハンガーにトリプルフックを装着します。GTペンシルは尻尾側のフックだけで勝負するのが近年の我々のスタイルなんですが、背に腹(腹に尻?)は替えられません。
朝食を終え、再び船は進みます。モルジブ最北端を巡って舳先が東へ向くと、この海域には昔に座礁した船が残っている実績ポイントがあります。ここに差し掛かってくると、いよいよ大物が期待できると緊張感が高まってきます。
沈船に近づくと、まず鴨野さんが投げたルアーに魚がドバン!と出ました。鴨野さんは掛けた直後にデカい!と手ごたえを掴んだようですが、残念ながらバレてしまったそうです。
鴨野さんがトモに移動して空いたデッキで僕がルアーを投げると、結構いいサイズのGTがもんどりうって水面を割って出てきました。3回めのチェイスでルアーを咥えて走り出したこの魚はドラグを鳴らして走っていきます。
根に潜られたかな?と思ったのですが、サファリボートが船足を落としてくれたおかげで、どうにか沖に誘導することができました。ヒーコラ言いながらようやく寄せてきたのはこの旅最大のサイズでした。
どーですか?コイツに会いたくてやってくるのですよ
2003年には山口さんが30kgUP間違い無しというサイズをここで釣っていますし、その翌日には好勝くんがやはり30kgUP間違い無しの魚を釣っています。
それに比べればまだまだ物足りない感もありますが、これまで釣ったGTの重さをハカリで測った経験が無い僕としてはこの魚は初めて測ってちゃんと25kgだったと言える魚です。充分満足させてもらった魚でした。
この後、10kgに満たないサイズをもう一本掛けたのですが、腹側のハリがGTのお腹に掛かってしまい、ポンピングするとGTがクルクル回ってあがってきました。我々はタコと呼んでいますが、さながら凧上げのように水の抵抗を受けてとても疲れてしまいます。これを避けるために尻尾側のトリプルフックのみで釣るのですが、この一本でもうヘロヘロになってしまいました。これで殊勲のテクノガーラ黒金傷だらけはお役御免。殿堂入りしてもらうことにしました。
その後はインリーフに回って折り返しです。穏やかな海ではGTのご挨拶が減って一本を追加したのみですが、途中イルカが船の周りにやってきてご挨拶をしてくれました。釣り人にとっては魚が怖がって逃げちゃうので、あまり歓迎してないのですがね(笑)。
イルカがご挨拶 20sec
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16時を回って夕暮れが近づく頃、Ihavandhippolhu(イハバンディッポル)環礁を離れてDhidhdhoo(ディッドゥー)まで戻るとのことなので、クルーに促されてセイルフィッシュ用のティーザーを流すことにします。2003年にセイルフィッシュを掛けたのは今日の沈船ポイントの先でしたので、おそらく最後にして最大のチャンスでしょう。
延々と海を渡り、そろそろDhidhdhoo(ディッドゥー)が近づいてきた頃、凄い潮流が船の左斜め後ろから流れている海域に差し掛かりました。凄い流れだなぁ、と思っていると、ティーザーを引っ張っているGTロッドがゴクン!と大きく動きました。
何か来たか?と注視しますが、それっきり竿先が動きません。その様子を見ていたクルーがHIbaru bite and gone.と言っています。どうやらセイルフィッシュが食いついたけど一回こっきりで逃げて行ってしまったようです。う~ん残念。そのまま執着して追い掛けてくれないとフライキャスティングの距離に入ってくれません。
ティーザーを見るとベリーベイトであるスマガツオの腹身に一カ所噛み跡が残っていました。
この日はそのままDhidhdhoo(ディッドゥー)に入港し、停泊となりました。
Dhidhdhoo(ディッドゥー)の港内では2000年に現地の人がムシマスと呼ばれるアジのような小魚を釣っていたのを見ました。その際現地の人は黄色いブイを繋いで浮き輪を作り、それを腰に付けて浮くモルジブ版フローターを使っていたのですが、9年の時を経て進化を遂げていました。それは散水。まさにカツオの国の人ならではの発想だったのです。
手漕ぎの小船に3人で乗り込みます。一番後ろの人がオールを担当し、前へ漕いで進みます。真ん中に乗った人が竿を振って魚を釣ります。前回同様えさを付ける素振りは無く、カツオ一本釣りと同じようにハリを泳がせていたので、毛バリか魚皮バリだと思います。そして一番前に乗った人が柄杓のようなもので水を汲んでは前方に撒くのです。これでナブラのように小魚の活性を上げているのでしょう。
港内に停泊のため投錨・接岸します。浩一郎さんは日課のジョギングができなくて気持ち悪いから、とDhidhdhoo(ディッドゥー)の島内を走りに行き、鴨野さんはクルー達と港にある小さな商店にお買い物(冷やかし?)に出掛けました。
釣りド阿呆(笑)の僕は当然船に残ってポッパーを投げるライトゲームで港内に入ってくる魚を狙います。ところが堤防の方がバシャ!と魚が跳ねる音が聞こえる割に一向にアタリがありません。全然魚がいないってコトもないはずなんだけど…と探るも、結局一匹も釣れず、肩を落として寝ることとしました。
その6へ続く
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