ライズの釣りに入門するためアメリカへ
釣り2日目になる11日は清々しい朝を迎えました。この日はヘンリーズフォークへ向かいます。日本にもファンの多いこの川は、夏の間ずっとたくさんの釣り人に狙われてきたこともあって、この時期は難しいと言われます。モーテルのオーナーにまで言われたので今日は観光だから(笑)と答えておきました。
朝食はウェストイエローストーンにあるRunning Bear Pancake Houseでとりました。トーストとベーコン、スクランブルエッグのセットを選んだのですが、アメリカ人はやっぱり朝からガッツリ食うのですね。結構混み合っているのが納得で、なかなか旨かったです。
腹ごしらえも済んで、ヘンリーズフォークへ向かいます。ウェストイエローストーンからは1時間弱の道のりです。アイダホ州の牧場を抜けて到着したのはレネ・ハロップ(Rene Harrop)氏のショップとして有名なトラウトハンター(TroutHunter)です。ここでライセンスを購入します。夏の終わりのセール中だったのでパタゴニアのフリースも購入。当然ながらノーハックルサイドワインダーもお土産に買いました。
スタッフのRick氏に様子を聞くと、パインヘイブンにはたくさんの人が入っている、とのこと。相談の結果ラストチャンスのお立ち台からランチを歩いて、アイランドと呼ばれるポイントまで行ってみようということになりました。
お立ち台の駐車場で準備を整えて、いざヘンリーズフォークの川に入って横切ってみると、広く浅い川なのに意外と水量があって足が流されかねない程の押しの強さです。底はボコボコしていて予想以上の藻の多さ!これでは歩き難いことこの上ありません。魚を掛けても藻に潜られるので取り込みも困難極まりない。なるほどこれは難しいはずだ、と納得です。
岸に上がって歩きながらライズを探します。定位して何かを食べているアクティブなトラウトはあまり見つかりません。
河合さんが先の様子を見てきます。ゆっくり釣りながら来て下さいと先行されたので、後から水面を見ながらついて行きますと、途中でやけにチャパチャパとライズをしているところを見つけました。
ホワイトフィッシュかも知れないけど、これなら釣れるかも知れないと川の中に入って#18のCDCダンを投げてみます。
ホワイトフィッシュと思しき魚は一向に反応しません。これはダメかな?と思って沖側のあまりサイクルの短くないライズをみると、これはトラウトっぽい。こちらに向かってフライを投げてみると、いきなりチャパッと魚が出てきました。
お!これはちょっとイイ感じのサイズかな?と思った途端、藻に潜られてしまいました。近寄って藻から外そうとすると、既にそこにトラウトの姿は無く、見事に藻隠れの術を掛けられてしまいました。(;_;)
そんなこんなをしていると河合さんが戻ってきて、よさげなサイズのライズは見当たらないのでアイランドまで行ってしまいましょうとの提案、岸際を歩いて行くことにしました。
アイランドはその名の通り中洲になった島がいくつかあって、知っている人には電柱のある所で話が通る有名ポイントなんだそうです。
ここへ辿り着いて、まずは昼食をとって休憩しました。なにぶん久しぶりに長い距離を歩いたもんですから疲れました。
有名なボーフィッシュフラットはまだまだ先まで歩かなければいけないそうで、ずんずん歩いて45分から1時間とのこと。僕の足では無理だな、こりゃ、って感じです。
歩くのも大変なくらいすごい丈でした
藻だらけの流れ 34sec
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アイランドと呼ばれる中州で分かれた川の流れが合流するあたりでライズがあります。河合さんはあれはちょっとトラウトのサイズが良さそうです。30cm以上は確実にありますねとしばらく様子を見ます。
するとオスプレイ(ミサゴ)がやってきてザバッと川に入ってトラウトを狩りに掛かったもんですから、ライズが一旦止まってしまいました。ほんとにTroutHunterのトレードマーク通りにトラウトハンティングを目の前で見せられるとは。
しばらくすると再びライズが始まったので、川に入ってゆっくり近寄っていきます。しかしここでもドラグが掛かっているようでトラウトは食いついてきません。投げたフライもはっきり見えないし、メンディングはうまくできないし、で苦労している間、お手本を見せてくれた河合さんは元気なレインボーを2本釣っていました。さすがです。
ここでライズを潰しちゃっても構わないので、思い切って近寄ってきちんとフライを流してみてくださいとのアドバイスを貰ったので、距離を詰めて丁寧にラインコントロールすることを心がけました。すると2回パシャと出てきて、そのうち1回は手元にコツッとアタった感触があったのですが、結局ハリ掛かりさせることはできませんでした。
アイランドでの様子
苦戦するボク 1min6sec
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14時を回る頃にはハッチも少なくなったようで、僕のかけたプレッシャーとあいまってすっかりライズが無くなってしまいました。ここ数日の状況からすると勝負タイムは14時までとのこと。のんびり攻めているうちに、時間切れとなってしまったようです。
このポイントでは様々な虫がハッチをしていたようです。後ほど河合さんから写真を頂きましたが、噂通りの多種多様でこの複雑さがヘンリーズフォーク・マニアをたくさん生んでいるようです。
その後お立ち台方面へ引き返しながら岸際や倒木を攻めたりするのですが、実力が伴わないのでストライクに繋げることができません。ドンドン天気が良くなってきて暑くなり、久しぶりに遠距離を歩いたので、持ってきた水も飲んでしまいました。ここは一旦車に引き返して休憩し、夕方に賭けることにしました。
駐車場に帰ってくると、他にやってきた車から日本人と思われる男性がやってきて声を掛けてきました。聞くと河合さんの知人でナルシマさんという方だそうで、1か月間このあたりに滞在して釣りをしているそう。昨年も2か月ほど滞在したそうで、ヘンリーズフォークでしか再会していないという偶然でした。
この後情報交換を兼ねて談笑タイム。いろいろなお話を聞かせてもらって良い勉強をさせてもらいました。
さて日が傾き始めた頃、改めてお立ち台付近から再び川に入って夕刻のまさしくラストチャンス。しかしながら相変わらずライズはおきず観察モードになってしまいました。
なんとか岸際でのライズを発見したのですが、ホワイトフィッシュっぽい。これに残るエネルギーを注いで、#20のフローティングニンフに1回だけパシャと出たのですがフッキングに至らず。結構夢中になって攻めたのですが、魚が掛かることはありませんでした。
20時近くになって辺りも薄暗くなり釣りを終えることにしました。藻の多い川を横切って歩くのは結構怖かったです。
両岸は牧場地帯なので風景は単調ですが、いい色に染まっていきます。
その後トラウトハンター(TroutHunter)に併設されているバー&グリルでチーズバーガーの夕食をとりました。これがまたデカくて、これだけで充分なボリュームがありました。
味もなかなか良かったですが、ちょうど店のテレビではNFLの開幕週のマンデーナイトゲーム、サンディエゴVSオークランドの中継をやっていました。サンディエゴの#21ラディニアン・トムリンソンが我が愛しのオークランドのディフェンスを切り裂きバンバカ走りやがって(泣笑)、ボウズの釣果とあわせて少ししょっぱい夕食だったような気がしました。
モーテルに帰ってくるとお隣の部屋に泊まっている細川さんが荷物のお礼にとビールを持ってきてくれました。僕が成田で買った海産珍味を持ち出して河合さんと三人でプチ宴会。彼は忍野をホームグラウンドにしていて、お話をいろいろ聞かせてもらってたいへん参考になりました。
少し寂しい結果の一日でしたが楽しいお話で締めくくれたので今日は良かった、明日こそはと就寝しました。
その5へ続く
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