トップ釣行記

イエローストーンへ行ってきた

ライズの釣りに入門するためアメリカへ

2006-09-14

その7

 釣り5日目の14日はイエローストーンリバーをボートで下りながらの釣りです。リビングストン近郊のガイドフィッシングといえば、通常はこの形態を指すというほど現地ではメジャーなスタイル。日本ではあまりお目に掛かれない釣りなので、これはこれでとても楽しみです。

 ゆっくり起きて、まずは車にボートトレーラーを繋いでHatch Findersへ行きます。街の中にあるとはいえ現地型のショップですので、お客さんのほとんどが朝に来るようです。ライセンスとフライを買って釣りに行く、という感じ。このあたりが日本とは全然違いますね。
 日本だと朝早くからやってる釣具屋さんなんてのは磯釣りポイント付近のエサ屋さんくらいですもん。渓流で遊漁券を買うのに苦労するところばっかし。

 この日のお客さんには品の良さそうなお婆ちゃんがいて、このあたりも日本では考えられない光景です。後から聞くとメル・クリーガーさんの元奥さんだった人だとか。へぇ~。

 さて。お客さんも来なくなったところで出発です。リビングストンの街からイエローストーン沿いの道を飛ばしてエントリポイントへ。この川はボートフィッシングのメッカですので、途中でエントリポイントやガイドの看板を結構見かけます。

 準備を整えたらトレーラーを川に沈めていざ出船です。11時くらいになっていたでしょうか。どよんと曇った天候は良いのでしょうが、少々風が強いのが気になるところです。

準備した道具


ここからスタート
イエローストーンリバーのエントリしたポイント付近。

 川に出たもののまずは少し上流に上って、流れ込み付近の岸から最初のポイントを釣ってみます。ここではどういうところにトラウトが付くのかを知る練習の意味合いもあったのでしょう。流れの違う筋の境目を中心に流すと3度ほど魚が出てきたのですが、いずれもフッキングできませんでした。残念。2回ミスった時にはディーンから次ミスったらアンタ船漕ぎなさいよとプレッシャー掛けられるし。

 結局ここでは釣れず、船に乗って釣り下りの開始です。結構早い流れの箇所もあったりして素人にはとても操船は無理なのですが、ディーンはさすがに川の岸近くに船を誘導して、指示を出してくれます。
 ここは浅いから3mほど離してキャストしなさいとかここは岸ギリギリになど。フライはタークス・タランチュラ#8やピンクプーキー#8にスペントカディス#18やフライングアント#16などを繋ぐダブルフライシステムです。

 接続用ティペットは50cmほど取っていたのですが、見易いリードフライばかりを見てしまうので、なかなか魚が出ても(しかもおとなしく出ると更に)分からなかったりします。

 そんなこんなで少々手こずりましたが、ようやくイエローストーンリバーでの初物をゲットです。

やったぁ
イエローストーンリバーのカットスロート

 釣り下りながらポンポンとフライを撃っていくのは、おそらく日本の標準的フライフィッシャーにはなかなか無い経験だと思います。何と言っても常にガイドがオールを操作しないととんでもないことになっちゃいますから、とても贅沢な釣りですね。
 この日は風が強かったこともあり、次から次へとポイントが現れるので少々忙しい釣りではありますが、バスやソルトルアーの船からの釣りを経験している人には、それほど違和感を感じることはないかな?と思います。

きたきた
お!ヒットした!

ほらほら
わーい。釣れたよ。

 この釣りの難点というか特徴としては、多分僕だけだと思うのですが、操船をお任せしているのでのんびり釣りに集中できるはずなのに川下りの風情がなかなか良くてついつい景色を見てしまう、というか視線がフライから離れてしまうのです。余所見しちゃうんですね。
 そうすると何故か余所見してると魚が出てくるのですよ。じっとフライを見ていると釣れない。何故かなぁ(笑)。結構フッキングできなかった、というのが多かったです。後ろのディーンと河合さんはちゃんと見ているのでWow!とか出た!とか声が上がるのですが、当の本人である僕はへ?なんて感じです。船に乗るとまったりしちゃうのが悪い癖です。ましてや操船しなくていいんですから余計にね。

こんな感じ
ディーンとブラウントラウト

 小さなブラウントラウトも釣れました。この魚はディーンが軽くキスをしてリリースしていました。最初の魚はこうやってリリースするんだよ。マサはしなかったからなかなか釣れないんだ。とても重要なことだよ。(笑)と言ってました。

 とはいえ小さい魚がチュパっと突ついてくることも多かったです。多分ホワイトフィッシュなんでしょう。スモールフィッシュと言ってフッキングしないことも度々でしたがディーンは大きい魚でも同じ感じで出るから、ちゃんとアワセなさいよと言ってました。

初めて釣った
こちらはホワイトフィッシュ

こんな感じの魚
こんな魚です。ウグイみたい。

 この魚は特にニンフをドロッパーにすると良く掛かりました。たくさん釣れるということもあってあまり重視されない魚のようですが、結構ヒキも強く侮れません。アブラビレもちゃんと付いているそうですから外道雑魚などと扱ってはいけません。

てくてくと
時折ボートから降りて釣りもします

 もちろん良さそうなところがあれば、ボートから降りてウェーディングで釣りをすることもあります。しかしこの日はビュービュー風が吹いていたのであまりやりませんでした。

 浅い瀬から落ち込むカケアガリにかけてドロッパーシステムでニンフを流すと、大きいレインボーが付いている、と教わってやってみたのですが、通常なら絶対フライロッドなんか握らない程の川通しの風をモロに受けて、まともに投げることも出来ませんでした。
 仕方が無いので上流から流し込むのですが、この時ばかりはあまり楽しくないなぁ、無理してフライでやることもないんじゃないの?と思いました。

 また大きな淵でもニンフを流してみたりしましたが、これまでニンフの釣りをしたことがないだけに流し方もイメージもイマイチ掴めませんでした。水中の釣りはストリーマーなどルアーのイメージに近いものしかやったことが無かったので、ニンフの釣りは今後の課題ですね。

 それでもたくさんの魚が出てきてくれたし、ボートを止めて食べるバカでかいサンドウィッチも美味しかったし、大満足の釣りでした。河合さんは普段の風の無いコンディションなら今日の10倍楽しいですよと言ってくれましたが、何より贅沢で優雅な気分が気持ち良かったです。
 日本では機会の少ないドリフトボートフィッシングですが、またやってみたいなぁと思いました。

その8へ続く

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