ブラウントラウトをサイトで獲る釣りに挑戦
一夜明けて元旦はゆっくり起きて福田家の皆さんに新年のご挨拶です。朝食にはお雑煮の他、数の子、田作り、紅白蒲鉾、鰊の昆布巻き、黒豆、海老、なますなど、お重に詰めていないものの充分なお節料理を頂き、日本での一人暮らしよりお正月らしい元旦の朝食となりました。利恵さんありがとうございました。
さて、NZで日本のお正月を味わった後は、荷物を車に詰めて出発です。天気は朝からどんよりと曇っていて、とても夏とは思えない日本の晩秋から初冬を思わせる気温でした。
最近の近況を聞くと、ここ数日雨が続き川は増水しているとのことです。ダニーデンから南へ向かうとタイエリリバー(Taieri River)という大きな川の河口近くを通るのですが、水の色はカフェオレのようでした。
そこでこのタイエリリバー(Taieri River)水系の上流の方へ行ってみようとの計画になりました。
車窓から見える景色はのんびりとした牧場ですが、意外とアップダウンが多く、急激に変わる視界にびっくりしつつも、ついウトウトしてしまい、気付くともう到着、という有様でした。最初に行ったのはディープストリーム(Deep Stream)という川でした。
川幅は10mちょいといったところでしょうか。#5ロッドでちょうどいい感じと判断し、早速身支度を整え、川へ向かいます。賢一くんが先行し魚を探して上流へどんどん歩いていきます。後ろからついていく僕は途中よさげなポイントにフライを流してみますが、魚の反応はありませんでした。
先行する賢一くんが2・3匹魚を見つけたのですが、結局キャストする前に逃げられてしまいました。あそこにいるの見える?と聞かれてもさっぱり魚が見えません。これはなかなか大変だな…と思った頃、早めに賢一くんが魚が薄いと次の川への移動を切り出しました。
移動したのはタイエリリバー(Taieri River)本流の上流でパエラウ(Paerau)という所にある橋でした。ここは結構広い川で#6ロッドを出そうかとも思ったのですが、とりあえず#5ロッドを持って川へ降りて行きます。
橋の上手の左岸(写真右側。川は上流から下流に向かって左側が左岸)を上りながら賢一くんが先行して魚を探していきます。後ろからニンフを流したりして距離をとりながらついていくと、増水のため岸はさながら湿地のようでした。
場所を変えてみるかと橋の下手右岸へ場所替えをした途端、遠くで賢一くんの竿が曲がっています。写真の左岸の曲がり角辺りでしょうか。慌てて橋を渡って再び戻ってみると、立派なブラウンをランディングして賢一くんが歩いてきました。
ネットを見ると立派なブラウントラウトが収まっています。聞くと岸際でパクパクとライスをしているヤツがいた。ドライフライを投げたら一発で食ってきたよとのことでした。
辺りの風景 39sec
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ハカリで測ってみると2lbをちょっと切る位、長さでいうと40cmちょいというところでしょうか。食べ頃サイズのこの魚は我々の晩御飯の食材にぴったりだね、と即決、キープとなりました。
賢一くんがワタ抜き作業に取り掛かっている間、ちょっとやらせてねと2匹目のドジョウならぬマスを探して左岸を釣り上がります。さすがにもうライズは無くなっていましたが、対岸の右岸側、川の合流している辺りでピチャっと魚が2・3度跳ねているようです。風が川を渡って吹く向かい風なので、さすがに手が出ません。そのまま釣り続けますが、魚の反応はありませんでした。
その後風が強くなってきたので、橋の下流右岸側へと移動してウロウロと釣ってみますが、こちらにも魚の気配はありませんでした。そこで橋の上手右岸を釣り上がります。
先行した賢一くんを追いかけながら、さっき2・3度魚が跳ねた辺りへ差し掛かってきました。
茂る草をまたいで岸沿いを丁寧にドライフライを流してやるとパシャっと魚が出ました。出た!とアワセるといきなり3連続ジャンプをします。見たところ30cm程度でしょうか、あまり大きくありませんがとても元気な魚です。
川岸の草の上を滑らせようかと思ったらいきなり真下に突っ込み、草にフライが引っ掛かってしまいました。ザブサブと水の中に入っていき、なんとか絡んだ草から外してようやく取り込んだのは、ニュージーランド初物のかわいいブラウントラウトでした。
先日山口さんから頂いたクリスマスプレゼントのランディングネットを使って記念撮影ができました。
サイズは30cm足らず、ブラインド(魚の姿を確認しないままフライを投げること)での釣果ですが、遠くニュージーランドまでやってきて釣った1本です。格別ですね。
さてここで時間も18時を回り、夕食をとることにしました。賢一くんの一本を料理します。
ニュージーランドでは鱒類の市場流通が禁止されていて釣った魚を売ることができません。従ってブラウントラウトを食べようと思ったら釣るしか方法が無いのです。
無論日本国内の管理釣り場などで釣ったブラウントラウトを食べたことはあるのですが、今回のささやかな目標の一つとしてブラウントラウトを食べるというものがあったので、早速目標の一つが達成できたのでした。
夕食を食べた後、次のポイントに移動しました。
発電所の水が流れ込む人工の貯水池のほとりで車を止め、ここを今晩のテントサイトにします。
日が暮れてしまうまでの少しの時間、ここで釣りをすることにしました。今回は川が中心と考えていたのでストリーマーをあまり持ってきていません。特にお気に入りのラビットファーマツーカは家に置いてきたので、ここではルアーを使うことにしました。
辺りを見渡して湖の釣りでの一級ポイントになる流れ込みは発電所からの水が少ない状況ですが、少しながら流れがあります。しかし水深が浅く、水面にまで藻が伸びてきていました。この繁茂している藻の脇だなと目星を付けて、浅い水深からタックルハウスのエルフィン「シケイダー」を結んでキャストします。
引っ張ってくると半分程巻いた辺りで底に掛かるので、竿を水平からやや上に上げてゆっくり巻いてくると、コン!とアタってきました。間違いない、絶対ココで釣れると思っていたら、いきなりゴン!と竿を持っていかれるほどのアタリが来ました。しかしこれはドラグが締めてあったせいでフッキングせず。テニアン島でミニTを釣った時のドラグセッティングのままでした。今のデカかったなぁ。惜しいコトしたと悔やんでドラグを緩め、もう一回食ってくれ!と投げると、コツン!と可愛いアタリが来ました。
これは無事フッキングしたのですが、残念ながらおチビちゃん。やはりデカいのは一発勝負のファーストチャンスだよね、と悔いが残ります。
日本だと後が続かないだろうけどココはニュージーランド。もしかしたらまだ大きいのが食ってくるんじゃないの?と更に粘ります。すると先程のゴツいアタリとはいかないまでも、いい感じのゴン!というアタリがきました。
これもフッキングさせると、いきなりドパーン!とジャンプを3連発してくれる元気な魚です。ちょっといいサイズが来たね~と取り込むと40cmくらいのブラウントラウトでした。いや~今日は元気のいいヤツばかりだワイ。ルアーであっても狙い通りに獲った一本は格別です。
これを最後に今日の釣りは終了です。テントを張って10数年振りに寝袋で一泊しました。
辺りの風景 29sec
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寒い中起きた2日は朝イチをこの貯水池で釣って、その後移動します。
朝食をとった後、#6ロッドにtype2シンキングラインを巻いたタックルを持って昨日と同じように流れ込みに向かいます。フローティングでもよいのでしょうが、引っ張りの釣りをやりたかったでした。
フライはウーリーバガーやスプルースを使って藻の周りから少しずつ湖岸を動きながら探っていきます。ところがアタリもありませんでした。やはり夕方の暗くなっていく時間帯の方が岸際に寄ってきて釣れるのでしょうか。テントで寝ている間も魚がガポガポやる音が聞こえていたのですが、明るくなってしまうと魚の気配が無くなってしまうようです。
その後、タイエリリバー(Tieri River)のさらに上流を狙ってウロウロしてみたのですが、通常の時でさえ湿地帯となっているような地形のうえ、折からの増水で岸際へ寄れるポイントがありません。
午前中は魚を見かけることもなく、サトンストリーム(Sutton Stream)へと移動しました。
この河畔で昼食をとってから午後の釣りの開始です。この川は幅が10mも無い小さな川でした。さすがにこんな細い川ならと#4ロッドを持ち出して準備を整えます。
大きな川では増水によって川岸にすら近づけない状況が多々あったので、小さめの川をとリクエストをしたのですが、賢一くんが広く歩き回っても魚の姿をみることがありませんでした。
僕は後ろからブラインドでゆっくり丁寧に流して釣って行ったのですが、アタリもありませんでした。日本なら小さい魚がちょっかいを出してきても良さそうなイイ川だったのですが、ニュージーランドでは勝手が違うようでした。例えブラインドで撃って行ってもいないものはいない、ということなんでしょうね。
結局この日はまるっきりイイところ無しの惨敗で福田家に帰り、明日以降は大きく水系を変えよう、ということにしたのでした。
その3へ続く
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