トレーラーを牽いて遠くまで
旅の11日め、4日(火)は、佐世保ライダーハウスで起床しました。天気予報を眺めると午後から雨が降り出すようです。そこで佐世保から大村湾の東岸を南下しながら巡って、チヌのフライフィッシングに挑戦する計画にしました。
雨が降り出しそうになったら慌てて帰ってくる目論見にして、できれば午前中にさくっと釣りあげて早アガリ、お昼は佐世保市内に戻ってきて佐世保バーガーを食べるのが理想です。
道が朝の渋滞で混雑する前に…と、朝6時に出発します。前日のうちに切り離したトレーラーはお留守番。サドルバッグと防水バッグに釣り道具を詰めて、身軽に出発しました。
Google Mapの航空写真でポイントの目星を付けました。狙いは川の河口部分。護岸工事がなされているところは切り立ってきて、水に立ち込めない可能性が高いので、浜が広がっている水深の浅いところを探しました。浅瀬に貝やカニなどを食べにくるチヌがターゲットです。
最初に入ったところは、川の水量が少なく、チヌが川に入り込んでいくほどの幅がありませんでした。しかし両側が砂利浜になっていて、港に続いています。港にバイクを停めて、護岸から覗き込んでみると、早速チヌが一匹ウロウロしているのが見えました。スゲー!さすが長崎。
少し水深が深いような気もしますが、バイクへ戻ってウェーダーを履き、元の護岸に戻ってみると、水深が少し深くなっている模様。潮位変化も一筋縄ではいかんな…と見つけたチヌにフライを投げてみます。
フライやティペット、リーダーが水面に着いた途端に、チヌがサーっと逃げていきました。むぅ。手強い。
というか本来、チヌって人の生活環境に近いところに住んでいるものの、賢く警戒心が強い魚と言われてきました。一方で何でも食べる雑食性。食い気が立って、食べ物に夢中になっている状態であれば、警戒心が薄れ、釣るのも難しくない、と評価される魚です。
すなわちチヌの姿が見えても、えさを探してウロウロしてる、何か食べ物に夢中になっているなら釣る目があるけど、ボーっとフラフラ泳いでいるだけなら警戒心バリバリでとても困難、ということになるのです。
チヌの姿が見えちゃったし、ウェーダーまで履いたので、細い川の河口から水に入ってみたのですが、視点が低くなるので、チヌの姿を探すのが難しくなってしまいました。しかも潮が上げてきて、姿を見つけやすい浅場が少なくなってきました。ブラインド(魚影を見つけずに投げる)で釣るならまだしも、サイト(魚影を探してから投げる)でやりたいしなぁ…と早々に見切って、別のポイントに移動することにしました。
次にやってきたのは彼杵(そのぎ)川の河口です。右岸に日本二十六聖人乗船跡という史跡があるようなので、そこを目印に向かいます。
バイクを停めると、前方からルアー竿を持ったおじさんが歩いてきたので、様子を伺うと、ルアーでシーバスやチヌを釣る人が多いよ。県外ナンバーも見かけるね。シーバスにはちょっと時季が早いかな。チヌはちょっと前に釣れていたよ。去年は年間400尾も釣った。ここは魚はたくさん居るよ。でも魚が賢くて難しいねぇとのことでした。
史跡の方へ歩いて様子を伺うと、河畔に建つ建物から内装工事の音が聞こえます。脇を抜けて護岸に近づくと、岸沿いでフラフラ泳ぐチヌと目が合ってしまいました。(笑)そーっとUターンして、慌ててバイクのもとに戻ります。
護岸なのでウェーダーは履かずに竿だけ持って、再び護岸に戻ろうとすると、建物で作業していた人がいたので、釣りしていいですか?と声を掛けると、大丈夫ですよと返事を頂きました。
そーっと近寄って、いざフライを目の前に投げたら、チヌが一目散に逃げていきました。これは手ごわい。
しばらく様子を伺っていたら、建物で作業していた人がフライですか?!と声を掛けてきました。聞くとフライフィッシャーで普段は小国の方の川に行かれているんだそう。はい。小国で竿を出さずに長崎に来ちゃった変態は僕です…。
作業中の二階から川を覗くとウヨウヨいるよと教わって、二階に上げて頂くと、ホントにウヨウヨ居ました。
改めて川へ下りて、ウヨウヨ居るヤツどもを狙ったのですが、釣れませんでした。何かを食べるのに夢中になっているわけでは無いので、フライや糸の着水で逃げていく警戒心が健在なのです。ここでもやっぱり一筋縄ではいかないや。
再び様子を見に来られた建物のご主人にやっぱり釣れませんとお話ししたら、休憩を促されて、二階でアイスコーヒーまで御馳走になってしまいました。
この小屋のご主人、市の建物だったここを買い取って、遊びの拠点にするべく改装しているんだそう。というのも子供たちに野外活動を教えるNPOの代表さんで、下の艇庫にはシーカヤックが並んでいました。いいなぁ、こういうの。僕もやりたいなぁ。すっかり長話をしてお邪魔してしまいました。ありがとうございました。
再びバイクに乗ってポイント探しを続けます。
千綿川は遠目で見て河口部が護岸になっています。潮が満ちてきた今では水に入るのが難しそうとみて、次へ。
江ノ串川は、河口部にアプローチする道が見つけれずに、気付いたら通過してました(笑)
郡川は遠目で見て、潮が満ちてきたせいか思った以上に川幅が広い川でした。干潮時に入って、潮が満ちていくタイミングを見計らって様子を伺ってみたいですね。
とうとう、長崎空港の手前までやってきて、12時になりました。天気予報では14時から雨が降り出すとのこと。佐世保市街まで約1時間、佐世保バーガーを食べてから、雨が降る前に宿に帰れるかしら…?と考え、チヌのフライフィッシング挑戦をここまでとしました。
帰り道に道の駅 彼杵の荘に寄ります。彼杵の特産品はお茶と鯨だそうで、売店でそのぎ茶ソフトクリームなるものを発見しました。これは食べておかねば!と即、お買い上げです。
そのぎ茶ソフト
お土産の鯨の缶詰、松浦漬
駐車場にハーレーダビッドソンのダイナ系(多分ローライダー)が停まっていたので、喫煙所のバイク乗りっぽい人に声を掛けると当たりでした。佐世保市内からツーリングがてら、お茶を買いにきたそうな。
帰り道で一番近い佐世保バーガーのお店を調べると、精肉店が経営するバーガーショップあいかわがヒットしました。しかも旨いと評判の繁盛店のようです。
ボリュームたっぷり。さすが精肉店がやってるだけあって旨かったです。ハンバーガーに慣れたライダー達でも満足ですね。
結局、そのまま佐世保ライダーハウスへ向かい、15時頃に帰ってきましたが、雨が降りそう空模様ではありません。降る降る詐欺に騙されたか…。
荷物を下ろした後の16時頃、長崎バイオパークを目指して、再度出発しました。ここはコロプラのお土産がゲットできるのです。
西海橋を渡って大村湾の西岸を走ります。大きな川はないけど浅瀬がいっぱい目に入ります。チヌは多いんだろうけど、エサに絡む条件が欲しいところですね。
道はアップダウンが多く、カーブは比較的緩やかです。走って気持ちいい道でした。
長崎バイオパーク
長崎バイオパークに到着したら、入口脇の駐車場でエンジンも切らずにコロプラの位置登録をします。長崎/西海地区とお土産のカピバラのぬいぐるみをゲットして、即Uターンです(笑)。
途中で長崎オランダ村の目の前を通りました。子供の頃、今回お世話になった叔父さんに連れてきてもらって、大きな木の靴と大きなチーズにビックリした記憶があります。雰囲気のある建物の前で記念撮影したいところだけど、車通りもあるし邪魔になる?と思ってパス。
帰る前に寄り道した西海橋公園は高台にあって、行くまでに結構な坂を登り下りして辿り付きました。長崎ってどこもこんな大変な地形なのかい?
遠目に見たら、今度はあの橋の上から…、と西海橋の袂にある駐車場へ向かいます。ついでと言っちゃなんですが、ちょっと記念撮影(笑)。
ロードホッパーを撮って満足したら(笑)テクテク歩いて、いよいよ橋の上から風景を眺めてみます。ひゃー高いなー。
佐世保ライダーハウスに戻ってきたのは18時過ぎだったでしょうか。駐車場にVストローム250(スズキ)が停まっていて、満載の荷物に日本一周中の看板があります。あちゃ!別のお客さんが来たのか!
慌てて散らかしていたキャンピングカー内の荷物を片付けて、やってきた彼に部屋を散らかしていたお詫びをします。
聞くと28歳男性。ツイッターアカウントは@kashiramozi。仕事を辞めたことを機会にと姫路から日本一周の旅を始めて34日目だそう。若いなー。いいなー。
バイク談義に花が咲き、僕のトレーラーを見るやビックリしていました。これは忘れられない一台になりそうと一人ごちていたので、リアルにオンタイムな旅人のハートにどれだけ刺さったのか気になるところです。
宿の若ご主人に民宿やまべの部屋が空いていたら移動させて貰えないか?と言ったら驚かれました。普段、ライダーハウスに宿泊するのはお金を切り詰める若者が多いので、途中でアップグレード?する人は少ないでしょうね。ちょうど空いていたので1,500円の追加料金で変更してもらえました。これが12畳もある広い部屋で、なんか申し訳ない感じすらします。
若ご主人には、荷物を広げてパッキングしたいから、と理由を述べました。もちろんそうなんだけど、他にも色々理由があって
・いびきをかくから迷惑になる
・二人居たら確実に部屋が暑くなる
・話に花が咲いて寝るのが遅くなりそう
・消灯してタブレットを使ったら画面の明かりが迷惑になる
などなど。
知恵の哀しみも捨てきれぬ欲求もお金で解決しちゃうあたり、もう立派なオッチャンです。だって永年勤続のご褒美で旅するような年齢ですもの。無理な若作りは怪我のモトです(笑)。
この日はお風呂に入れたので、汗を流してさっぱりしたら、昨日に引き続き、宿の隣にある料理店烏賊三昧 一魚一会へ行って晩ゴハンを頂きます。
注文したのは昨日の晩ゴハンで海鮮丼と激しく悩んだ針尾丼をおいて他にありませんでした。
近くにある針尾無線塔をイメージした、長いアナゴの天ぷらが3本聳え立つ、異色のアナゴ丼です。
お腹も膨れたところで宿に戻ってきて、パッキングを行い、不要な動画の削除作業をして、明日のルートを検討していたら、就寝はやっぱり0時近くになってしまいました。
その12へ続く
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